- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041000236
作品紹介・あらすじ
戦争孤児が見る夢を佐々木海人も見る。小さな家を建て、家族4人で慎ましく暮らすという夢を。著者の代表作となるはずだった〈応化クロニクル三部作〉の、未完の完結編。急逝した著者が遺した希望と勇気の物語。
感想・レビュー・書評
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この日を待っていたのですー(号泣)。
-----[2008.10.26 単行本を未読リストにアップした時のコメント]------
今日、ウチに届いた角川のPR誌『本の旅人』の新刊案内を見て仰天しました。この本が出るとは!
過激でファンタジックな日本内戦記、『裸者と裸者(上・下)』『愚者と愚者(上・下)』シリーズの続編(最終章)です。打海さんのご逝去で未完となり、遺稿が多少あっても出版されることはありえないと思っていました。
出版案内によれば、佐々木海人くん編だけのよう(来月以降、続きが出る可能性も捨てきれない:笑)…うーん、「読んでよかった!」と思うか、「こんな中途半端に出版してー!」と暴れるか微妙(笑)。というわけで、ちょっとお取り置きです。
あと、ヒジョーに言いにくいのですが、このシリーズは装丁のイラストが微妙に下手で…私の第1希望は、『アップルシード』な感じ(笑)。 -
「自分の口で夢を語るそばから、どこまでが本心なのか自分でもわからなくなる。夢はいつか叶うと無邪気に信じられた子供時代はおわっているのだ。殺戮と破壊と略奪の戦争の海にただよい出した孤児は、ふと気づくとずいぶん遠くまできてしまって、岸辺がどちらの方角にあるのかさえわからない。」
作者の死により、和平構築プログラムの途中で物語は終了する。戦闘は終わっても戦争は終わらない。戦争を記録する団体が弾圧され、戦争責任が勝者側の論理で決定されていき、曖昧な処分で終わったことにされていく。反乱分子のテロは続き、武装解除は進まない。収束する場所が見えない中で本作は突如終わってしまうのは残念だ。
たが、終わりがないのが戦争であるから、本作はある意味どこで作品として終わってもいいのだ。戦争責任は問われ続け、戦後の復興があり、癒えない傷があり、記憶はなかなか消えないのだから。
残酷な物語だが、最高のエンターテイメントに仕上がっている作品だった。 -
ああ~!ついに読んでしまったぁ~!!続きが読みたいのに、未完のまま読めないなんて、残念過ぎる!身悶えして、叫びだしそう・・・! でも、この愛してやまない小説に出逢え、それが未完というのは、ある意味すごーく奥深い感慨を覚える。完結しないってことは、つまり永遠ってことで・・・海人にマジ惚れな私としては、それもまたロマンチックだなぁ~、なんてウットリしてみたりw
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震災以降よく目にすることになったひたちや郡山、二本松といった地名も登場する。自分たちが住んでいるのと同じ名前のまちで生きるために戦う孤児部隊の少年たちや少女ギャングたちの溌剌とした姿に、胸を躍らせ勇気を得る同世代の少年少女がたくさんいればいいなと思う。
未完は残念だけど、逆に今でも主人公たちが自分の中で生き続けているようで、それはそれでこの小説に相応しいような気も。 -
読みたい!もったいなくて読めない!
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文庫化にともない「裸者と裸者」「愚者と愚者」を再読した上で読了。
未完のまま著者が逝去されたのは本当に残念でなりません。 -
文庫本化をずっと待っていました。何も言う必要が無いほど名作!作者が途中で亡くなられたしまいきちんと完結していませんがそれも混沌としたこの世界に相応しい気がします。ありがとうございました。合掌。
著者プロフィール
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