青い夜の底 小池真理子 怪奇幻想傑作選2 (角川ホラー文庫)

  • 角川書店 (2011年11月25日発売)
3.43
  • (5)
  • (15)
  • (21)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 152
感想 : 23
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041000359

作品紹介・あらすじ

互いに溺れ合う男と女。だが突然、女との連絡が途絶えた。思い悩む男の前に現れたのは……本書のために書き下ろされた短編「青い夜の底」を収録。妖しくも美しき「小池ワールド」が凝縮した怪奇幻想傑作選。

みんなの感想まとめ

さまざまな人間関係や死者との邂逅をテーマにした短編集で、幻想的かつ怪奇な世界観が魅力です。作品群は、父の愛人に囲まれた少女の微妙な心情から、飛行機事故で家族を失った女性の哀しみ、さらには不気味な存在と...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2021年の第25回日本ミステリー文学大賞を受賞された小池真理子さん
    「これまでの作家活動・ミステリー分野への貢献」に対して贈られた「功績賞」的な意味合いのようですが、その受賞に充分な作品群だと思います。

    怪奇幻想傑作選 第2弾

    「鬼灯(ほおづき)」
    父の愛人とそのお手伝いに囲まれた、少女時代の微妙ながら居心地のよい擬似家庭。女たちの静かな共存が描かれる。

    「生きがい」 ★5
    高校生の息子と夫を飛行機事故で同時に失った妻。夫の残したアパートに住む大学生に息子の面影を見出し、世話を焼くうちに…。圧倒的な哀しみと叙述トリックが重なる傑作。

    「しゅるしゅる」
    仕事も恋愛も順調だった女性が、ある時すべての歯車を狂わせていく「しゅるしゅる」と遭遇する。隙間から忍び込む不気味な存在。

    「足」
    居心地の良い妹の嫁ぎ先へ通う姉。その姿に、かつて同じ境遇を生きた叔母の影が重なっていく。

    「ディオリッシモ」
    祭りの日に父を亡くした少女時代へと、ふと戻ってしまう女性。そこには懐かしく、温かな家庭の記憶が息づいている。

    「災厄の犬」
    仕事も家庭もうまくいかないのは、この犬のせいだ――そう信じ、妻子の留守に犬を捨てに行く夫。だが妻子は激怒し家出し、そして最後に夫を救ったのもまた…。

    「親友」
    死んでから毎晩のように訪れる親友。妻は怯え体調を崩していくが、男は「来るな」と言えない。やがて心に浮かぶ恐ろしい思考。

    「青い夜の底」(表題作)
    仕事を失い、愛する女性には病弱な夫がいる。ふたりが最後に選んだのは、深く沈む「青い夜の底」。

    あとがきにもあるように、作者は「自分が死んでいることに気づかない死者」を好んで描くという。
    異界とのあわい、異形との遭遇。怖み、切なみ、怪しみが同居する、味わい豊かな短編集。

    • おびのりさん
      ビマキさんには短すぎるわ
      ビマキさんには短すぎるわ
      2025/09/29
    • ultraman719さん
      端的に人物評価〜w
      端的に人物評価〜w
      2025/09/29
    • 土瓶さん
      食べ物は辛いもの苦手なんだがな~(;´д`)
      食べ物は辛いもの苦手なんだがな~(;´д`)
      2025/09/29
  • 死者との巡り逢い。染みる怖さ。
    鬼灯:鬼灯鳴らす故人
    シュルシュル:入居者が死ぬ部屋
    ☆ディオリッシモ:終点は追憶の街
    ☆厄災の犬:負の連鎖。印象強。
    親友:死友が今夜も来る
    青い夜の底:三文脚本家

  • 小池真理子さんの小説は、読んでいてとても心地よく、癒される。上品で、自然に流れる文章に引き込まれ、気付くと物語の世界に自分が居る感覚・・何度も味わっている。大好きな作家さん。

  • 小池真理子さんのホラー短編集。小池さんのホラーは好きなので未読はないと思っていたが、結構あった。小池さんの短編ホラーはどれも似てるけど、面白い。この本の中では「足」が好き。でホラーじゃないけど「災厄の犬」に出てくるスナックのママがすごく不気味で怖い。小池さんのホラーって、じんわり怖いですね。

  • 久しぶりに読んだ、小池真理子さんの作品。
    怪奇幻想傑作選というだけあって、なかなか雰囲気のある作品たちがズラリと並ぶ。
    ふんわりと(?)スーっと掻き消えるような、
    異様な雰囲気を余韻に残していくさまは、やはり不気味である。
    だが、なぜか不思議な美しさを伴う描写に、いつも惹き込まれていくのを改めて思い起こされた…そんな印象を強く待った。

    長編の『墓地を見おろす家』も私的にとてもゾワゾワしたが、こういった短編集もまた良いなと痛感。

    素敵な楽しい読書時間、持てました。

  • Kindleunlimitedにて読了。
    災厄の犬、だけはちょっとしんどかったけど、まさに幻想的な話ばかりで面白かった。
    夢十夜みたいに、夢を見ているような感覚。不思議な世界を旅できて心地よかった。

  •  小池真理子さんのホラー短編小説集。初出のデータが不備のため個々の作品の年代は不明。主に80年代から20世紀末にかけての作品と思われる。KADOKAWAの編集者はちゃんと仕事してほしい。
     やはり小池さんのホラー小説はとても良い。どうやら作者自身、「美しさ」を心がけて書いているらしいが、全くその通り、美しいのである。淡々とした大人しい筆致で、どの短編も途中までは普通小説として書き上げられている。それから怪異が起こっても、その淡々としたたたずまいは変わらず、絶叫などはない。むしろごく当たり前の日常であるかのようにさえスーパーナチュラルな事象が馴染んでおり、その静かなタッチにはいささかのケレン味もなく、夢野久作などとは真逆である。
     小池真理子さんはホラーよりもメインは恋愛小説の方なのかも知れず、私はそちらはまだ読んだことが無いのだが、ホラーにおいてこそ、この文体は生えるのではないかと思う。
     以前にも書いたが、これでもうちょっと文章に工夫を凝らせば、立派な第1級の芸術小説である。ただしその際でもメインストリームの文学史は、こういう幻想文学は無視するであろう。坪内逍遙が上田秋成を無視したように。正しく評価されるには、少なくとも100年はかかるだろう。

  • 表題作を含む八篇からなる短編集。怪奇幻想傑作選です。

    小池さんと言えば恋愛もの、というイメージが強いですね。
    私の個人的なイメージでは、恋愛ものとホラー系と、半々くらいかなぁ。
    とっくに旅立ったあの人と古い家で邂逅した…あの人が今日も訪ねて来る…。
    夢か現か、怖さより切なさ物悲しさが上回ります。
    本作は怪奇幻想傑作選の第二弾だったようなので、一作目も近いうちに読みたいな。

  • 2018 5/11

  • 「災厄の犬」が特に面白かった。

  • 「ディオリッシモ」が、特に好きです。

  • 怖いというだけでなく、時にユーモラスだったり。だからこそ、怖さの余韻が残るのかもしれない。
    「足」や「ディオリッシモ」など、途中で話の行方の見当はつくけれども、完結度は高いと思う。

  • 1よりすごい怖い話が多かったのですが!!ひい!!朝読書の間、一人でひぃひぃ怖がっておりましたよ。

    生きがい
    人を世話することが生きがいの女性。彼女は、飛行機事故で夫と子供を同時に失って以来、生きる気力を失っていた。そんな時、彼女の管理するアパートに住む、息子と良く似た大学生が、風邪をひいて寝込んでしまう。
    彼女は献身的に彼を看病し、久しぶりに生きがいを見つけるのだが、その結果、思わぬ事実に気がついてしまう。

    青い夜の底
    売れないシナリオライター。今回の原稿も没を食らい、愛する女とはしばらく連絡が取れていない。無気力になった主人公の目の前に、数週間ぶりに彼女が現れる。しかし、彼女が連れていく先は…。

    ディオリッシモ
    うまくいかぬ人生。昔の事を思い出しながら電車に揺られていると、自分が子供時代に住んでいた町に着いてしまう。そこには、もう亡き両親と幸せそうな自分の姿があった。

    どれも読み終わってしばらくは茫然自失とします。ていうか怖い。自分は今、本当に生きているのでしょうか。それを証明するすべはあるのでしょうか。

  • 解説 新保博久。編集を担当している。

    小池真理子の幻想恐怖小説は、恐いだけでなく,美的な感覚がある。
    終わり方も苦しいだけでなく、悲しい,わびしい,寂しいなどいろいろ。

    ありきたりでないところがよい。

  • 幻想的なホラー短編集。ノスタルジックな雰囲気の漂うものが多くて、怖がらされるよりもむしろしんみりとした気分にさせられます。
    お気に入りは「足」。こういう手法はこの方多いんですけどね。なんだかワンパターンという気はしなくて、「ああ、そうだったのかあ」と自然に思わせられます。

  • 各話の終り1ページでゾクっとさせられる。

  • ホラーっぽさを求めて読んだからなのか、いまひとつパンチの弱い作品ばかりだったような。

全17件中 1 - 17件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池真理子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×