シェルブリット I ADEN ARABIE (角川文庫)

  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年12月22日発売)
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  • レビュー :8
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041000618

作品紹介

遙かな未来、人類の「種」は3つに分化していた。進化の末、巨大な宇宙船の姿となった第1の人類種「ジーンライナー」、遺伝子改良で進化を遂げた第2の人類種「ジーンメジャー」、そして進化を遂げなかった第3の人類種「ジーンマイナー」。世界最速のジーンライナー「ローヌ・バルト」に、「勝利者」への夢を抱くオルス・ブレイクが搭乗する。オルスを待つのは、最も危険な船外任務、「シェルブリット」であった…。

シェルブリット I ADEN ARABIE (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 以前単行本で持っていたけど、手放してしまった作品。先日、角川文庫の新刊広告を見て、もう一度読み返してみたくなり、手に取りました。

    形状が3つに分かれた人類の物語。表向きには3つの人類の対立は起きていないけれど、それぞれの生きられる世界はカーストのごとく決定されており、そのうちの1種・ジーンライナーの握る権力と富のもと、非常に狭い世界に生きている。お互いに依存関係はあるものの、ジーンライナー以外は自分の場のルールを読みとり、孤立を恐れ、周囲に合わせ、あるいはパーツとして生きなければならず、熱望などはすぐに冷や水を浴びせられ、冷まされてしまう。意志を持って自分の生きる世界から飛び出し、ローヌ・バルトに搭乗するオルスも、そこまではうまく行ったものの、「見られている」感と「自分じゃないものにコントロールされている」感から逃れられない。大枠は壮大な物語観なものの、流れる空気はすごく息苦しく、矮小な感じ。

    ニザン『アデン アラビア』の一節が引かれ、自分の世界に対する焦りといらだちが、宇宙(船)+センシティヴな青年+ロボットというアニメ的王道設定と組み合わせて使われているところは、『ガンダム』と同じじゃん!とか思ってしまいますが、そこに正義感を振りかざす余地がない、というところがややシニカルな描きようだな、と思います。

    小説家の書いた物語だと、作中の専門用語(≒造語)の説明もなく、そのままずばっと本編に切り込みますが、アニメのクリエイターの手になる小説ということもあってか、そういったサイドの設定が細かい細かい!この練り上げられた設定がなくても、物語はうまく走るような気もするのですが、本編を読んだだけでは、ジーンライナーがいたずらに全能感を持っていたり、ジーンメジャーの社会・倫理観など、詰めが甘い部分があるようにも見えてしまうので、そういったところを補完するには、あったほうが面白いかなと思います。というより、疑問やツッコミを「そういうもんだから!」と押さえこめる効果は大(笑)。

    正直言って、メインキャストのせりふや思考に「青いなー」という感覚がないわけではないけれど(まあ、それは私の過ごした年月の分だし)、冷めてざらざらした空気の物語で、どこへ転ぶかわからない期待感があったので、この☆の数。

  • なかなか硬派なSFだし、イラストを交えた設定紹介によって、ストーリーに厚みが出てる。用語集はちょっとやり過ぎな感じ。

  • 巻末の用語解説の量が結構ある。

  • FFSで大好きな永野護の小説。そんなに悪くはないものの、そこまで良くもなし。でも彼独特の設定へのこだわりは設定好きとしては響くところがある。

  • 宇宙船の形態のジーンライナー、遺伝子デザインを行ったジーンメジャー、現代の人間と同じく遺伝子に手を加えていないジーンマイナー――人類が三種に分かれた世界。
    「支配」から脱し「勝利者」たるべく踏み出したオルス・ブレイクを中心に描かれた作品。

    幾原さんの作品巡りをしていて出会ったのだが、想像以上にがっつりSFで面白い。
    巧みに描かれる心情、世界という舞台装置と人々の構図――作りがしっかりしているので読み応えがある。
    章の合間に挟まる絵付きの解説もユーモアがあって楽しめる。
    賛否両論の巻末の用語集については、私は好きな物についてあれこれ調べるタイプなので良かった。

    これに触れて、永野さんにも興味が出てきた……。

  • 年末に?・?購入、先程読了。……えーっと、これ、続いてる?

  • 単行本が出たのは、十年以上も前だったんですね。
    全然知らなかった。
    文庫新刊に並んでいたのを、作者二人に惹かれて購入。


    設定が非常に細かい。
    巻末に用語解説が結構なページ数をもってくっついているが、他のSFも、本当はこれくらい細かく色々な設定を用意してあるものなのだろうか。
    でも他の作品って、そう云う用語解説自体をあまり用意されてないように思うが。
    その辺が、アニメ制作などに深く関わって来た作り手ならではな感覚なのだろうか。
    喜ぶ人も確実にいるだろうし、読めば理解が深まるであろうことはわかるのだけれども、私にとっては蛇足な気が割とする。
    永野さんの絵が嫌いなわけでは決してないのだけれども、特にキャラのビジュアルなどは最初から固定されてしまうと、何となく楽しめない気になってしまうので、途中のイラストは殆ど見なかった。

    物語はまだまだ始まったばかりで、どのようなことになるのかよく分からない。
    ジーンライナーがもっと中心になってほしい、と、個人的な感想を。

  • 用語解説ひきながら、読み返したくなる。

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