地の日 天の海(上) (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 66
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041000731

作品紹介・あらすじ

天文21年。戦国動乱の真っ只中を行く僧形の男がいた。名は随風。家康の懐刀でった黒衣の宰相・天海の若き日の姿である。この年17歳の随風は、比叡山を目指す旅路で光秀、信長、秀吉らと運命的な出会いを果たし、戦国の世に巻き込まれてゆく。彼らの間を渡り歩き、平和への道を模索する随風。その中で見た英傑たちの真実とは!?構想20年、「本能寺の変」と「中国大返し」という戦国最大の謎に光を当てる野心的歴史大作。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、随風(後の天海僧正)を歴史の語り部として随所に絡ませつつ、信長の天下取りに向けた動きと、それを補佐する秀吉・光秀の活躍を鮮やかに描いている。特に、信長の人物像については、合理的で即断即決、直情型で狭量・冷酷なな性格が形作られた背景も描かれており、リアルに感じられる。
    本書の歴史考証、「秀吉神話をくつがえす」の著者、藤田達生氏が担当したとのこと。このため、最近の歴史研究成果が随所に盛り込まれていて、この点でもなかなか読みごたえがある。下巻が楽しみ。

  • 戦国時代の武将がいっぱい。新しい説を取り入れ、墨俣城などの疑わしい出来事は入れていない。
    たまに現代から見た入念な解説もある。後発の強みを生かした魅力的な歴史小説。
    謙虚で相手の凄さを認め合えることはかっこいい。変わっていく信長が怖い。
    本願寺陥落まで大変だったんだな。信玄謙信の運命。信長の天運、信長に謀反が多かったがそれだけのこともしている。

  • 織田信長、明智光秀、豊臣秀吉、随風さんという僧侶を軸とした歴史物。
    大河ドラマの黒田官兵衛の時期とも重なって興味深く読み進められた。人物が具体的に思い描くことができたせいかなぁ。

    権力を手にすると人はどうして私利私欲に走ってしまうのか。
    天下統一のためにもがいている彼らはとても魅力的な人物なのに。
    下巻でどのような変貌とげていくのか
    読むのが怖いようなきもするが。

  • 保有状況:売却&購入日:40894&購入金額:660

  • 天海を主人公とした物語。
    正体不明な部分が多い人物なので、ある程度好きに展開できるか
    若き日の秀吉、光秀等絡めながら展開
    面白いが、何か教科書的な展開

  • 時は戦国時代。
    僧職男子・随風は修行の旅路で、明智光秀、織田信長、豊臣秀吉ら戦国の英傑たちと運命的な出会いを果たします。

    上巻では桶狭間の戦いや足利義昭の上洛、信長による比叡山の焼き討ちなど、戦国時代の歴史的な出来事が随風の視点で語られました。
    旅の途中で出会った男(のちの秀吉)に木下藤吉郎とゆう名前を授けたり、忍者の服部半三を部下にしたり、比叡山から命からがら脱出したりと、創作的な部分も含めて楽しめます。

    下巻では「本能寺の変」と「中国大返し」が語られるとのことなので、随風がどのように関わるのか、そして徳川家康とどのように出会い、いかにして彼の懐刀と呼ばれるようになったのか…そのあたりを楽しみにしています。

  • 内田さんの文庫の新刊本ということで、内容を確かめもせず購入してしまったんですが、浅見探偵が出てこないどころか、歴史物でした!

    読み進めるうちに、表題から想像されたのは徳川家康の知恵袋だったとされる天海大僧正だったのがその通りでした。天海(若い頃は随風であったそうな)の視点を中心にして戦国時代の有名な出来事の真実?(随風の出自も含めて)が明かされていく。

    浅見探偵は出てこないですが、随風のキャラには通じるものがありました。

    真保さんの歴史物にひき続いて、内田さんの歴史物も初体験。しかもほとんど同じ題材で、従来の歴史の定説とは異なった物語。どちらも下巻が楽しみだが、どちらから読んでやろうか・・・



    (2012/1/19)

  • 天海を主人公としながらも、信長、秀吉、光秀の物語に重心が置かれ、天海が登場するのが、上下巻通じて3割程度という印象。
    歴史上、謎が多い人物ということで仕方ないのかも知れないが、消化不良気味。どうせなら、家康の参謀になってからの物語に焦点を当てた方がよかったと思う。

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著者プロフィール

内田 康夫(うちだ やすお、1934年11月15日 – 2018年3月13日)
東京府東京市滝野川区(現・東京都北区)に生まれる。長野市出身の父の実家が戦災で被害を受けたため、長野市から戸隠山麓の村、秋田県羽後町、雄勝町、埼玉県、静岡県沼津市、秋田県秋の宮などに移り住む。
埼玉県立川越高等学校、東洋大学文学部国文学科中退。コピーライターや広告製作会社の社長を経て、小説を書く。1980年『死者の木霊』、1981年『本因坊殺人事件』を栄光出版社(当時。現在は別の出版社から刊行)から自費出版。3000部刊行の前者『死者の木霊』が朝日新聞書評で紹介されたことを機に、作家デビュー。1982年刊行された『後鳥羽伝説殺人事件』が商業デビュー作となり、ここで名探偵浅見光彦が誕生。浅見光彦が登場する作品は116事件。累計で約9700万部を発行、映画やドラマ化もされて人気を博した。推理・ミステリー小説だけでなく、随筆やファンタジーなども手がけた。2008年、日本ミステリー大賞を受賞。
2015年7月26日脳梗塞が見つかったために入院し、毎日新聞で連載していた浅見光彦シリーズ「孤道」は2015年8月12日で終了。後遺症の左半身麻痺のため2017年3月に作家活動を休止、『孤道』執筆分がまとめて刊行された。加えて中断された物語の結末を一般公募し、最優秀作を「完結編」として刊行するという、毎日新聞出版、毎日新聞社、講談社、内田康夫財団連名による「内田康夫『孤道』完結プロジェクト」が広く話題となった。募集は2018年4月まで行われた。募集期間中の3月13日、敗血症のため83歳で逝去。
完結プロジェクト最優秀賞は和久井清水さん「孤道 我れ言挙げす」に決定。2019年春に講談社から刊行予定。

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