- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041000748
感想・レビュー・書評
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いつも思うんやけど、ほんま、町田康という人間は何を書いとるんやと何度もツッコミを入れたくなってしまう、というよりも事実、入れてしまう、そんな痛快エッセイ。
最も面を喰ったのは、「もう君とはやっとれんわんわんわん、という残響。ダブやね」という表題の付けられたエッセイ。エッセイというか、シとブの掛合い漫才。シとブというのが誰なのかは読んでみてのお楽しみ。ほんま、どういう回線を繋いだらば、シとブの漫才が思いつくのやら。挿し込まれた写真もまた、味わい深くて素晴らしいの一言。
エッセイというのは日常を切り取った、いわば「暮らしの匂い」のようなものが漂ってくるものであって、故に、その人の生活・行動・思考などのパターンがぽわわぁんと伝わってきて、あ、なんか身近に感じられるやん、ええ感じやん、ってな感想を読み人に抱かしむるものやけれども、マーチダさんのエッセイは少々、否、相当、脚色をしてファニーにしている印象を受けます。つまり、これはマーチダさんの日常ではありません(推測)。いや、実際、日常なのだろうけれども、マーチダさんが色を付けることによって、こんなこと、日常で起こらへんで・あり得んで・思わへんでという世界が顕現してくるというのかな。だから、凡人である僕ごときが読むと、頭が炸裂して、口から水が噴出して、わぎゅうとかなんとか言い散らかして、揚げ句、ほんとにぺしゃんこ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
限りなくフィクションに近いノンフィクションというか、限りなくエッセイに近いショートショートというか、3ページの文章+写真1枚がワンセットの構成。それなりに面白かったけど、やっぱちゃんとした小説が読みたいかな-。じゃなきゃエッセイでいいわけだしね。写真は、妙な味があって良かったです。
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読んだ先から物語の中身を忘れ、それでありながら次へ次へとページをめくりたくなるのはなぜでしょう。町田さんの文章は易しすぎるほどA→Bへのつながりが緩やかゆえ理解しやすい。そのほとんどが、世間と自身のズレであって、やさぐれながらもいっちょまえになろうと努力、奮闘するってのは、実は社会的マイノリティの抱えるジレンマでもあり、現代的でもあると思います。それは本作に限らず、彼の作品のほとんどがそうでもあるのですが…。
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フォトグラフール第2段って感じ。 オキにいっている。