かれん (角川文庫 あ 56-1)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041000960

感想・レビュー・書評

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  • フリーアナウンサーで二十九歳の雪乃が、心身を患う義父の為亡妻である千勢の代わりを務めて欲しいと依頼され、そっと相槌を打ち本を朗読する。依頼主や昔千勢に求婚したパイロット等とうとうとした存在感。家政婦の笠原や愛犬のラブラドールレトリーバーに癒されたものの上手く入り込めなかった。本業がもっと見たかった。

  • 不幸なことに、別れは突然訪れる事がある。
    そんな時、誰もが「あの時、こうしていたら...」と思わずにはいられないだろう。
    そう後悔することで、実は自分が救われたいのだ。
    赦されたいのだ。
    一度、発してしまった言葉は戻らない。
    そう思ってしまった心は消せない。

  • 死んでしまった人の身代わりになる仕事。雪野は自身も義理の姉を亡くしていて自分の存在意義を問うていた。悩み、苦しみながらも身代わりの仕事を遂行する雪野。人間として強く優しくなっていく過程が勇気をもらえる。

  • またまた、切ない本でした。
    恋愛小説なのに、先を読み急がせるのは、すごい。

  • 120308

  • 何故か弱いんだ、この人の文章は。
    悲しくも何ともないくだりで、いつも涙ぐんでしまう。

    何故だろう。

    もちろん胸を締め付けられるような清冽な痛み漂う文章も、この人の持ち味なんだけど。

    この人の紡ぐ言葉に、織りなす世界に、私の涙腺を刺激する何かが潜んでいるらしい。

  • 心に残るきれいな小説だと思います。
    でも、「モルヒネ」ほかの小説に比べると、主人公にあまり共感できなかった。
    マスコミの生臭い話が少し入ってきてしまうからかな。

  • 地球儀をぐるぐるまわして、ボーっと眺めたくなる、そんな小説。

    人はみんな、現実と幻想のあわいで生きてる

    そうだなぁ・・・と思った。

  • フリーアナウンサーの雪乃が請けた仕事とは、亡くなった妻千勢の代わりとして過ごすことだった。

    娘を失った現実を受け止めきれない父と接する中で、日記からは解けなかった千勢の姿に近づいてゆく。

    私は恋愛小説としては読めなかった。亡くなった「千勢」の想いを辿りながら、彼女が歩んでいたものとは別の道を「雪乃」が進めてゆく……そんな印象が残ったからだ。

    そして雪乃は千勢では辿り着けなかった“答え”に行き着く。その“答え”は雪乃を含め、様々な人物の一歩に繋がる。
    その変化こそが、この作品の面白さなのではないだろうか。

  • 前作モルヒネ同様、生と死という究極のテーマのなかに独特の愛を漂わせています。
    静かな静かな…まるで流れる川を見ているような気分です。

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