吾輩は猫である (角川文庫)

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  • 角川書店
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本棚登録 : 648
レビュー : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (578ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001011

感想・レビュー・書評

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  • 漱石の作品群の中での評価という意味も含めて★4つ、単品なら★5つでも良いかと思う。
    非常に独特の空気をもっており、これに続き並び評される作品はそんなにないと思う。
    ただ漱石好きの当方の感想は、やはり「デビュー作」であるということ。
    異様なまでのテンションなど才気に満ち満ちているのだが、詰め込みすぎで脱線のきらいもある。
    良い意味での乱雑さとその後の作品にて徐々に洗練されていく変化を作家の成長・成熟と見るか才能の枯渇と見るかは正直好みの問題だと思うが、当方は前者の立場。
    でも良い作品、これは疑いようもない。

  • 猫の目を借りて作者自身を軽妙に諷刺する様子がなんともいえずおもしろい。西洋風の近代個人主義の発達に対する痛烈な批判も。

  • 猫から見た視点で、主人や友人など人間世界の様子が綴られている。人間は、滑稽だったり、妙だったり、おもしろいそうだ。当時の日本で文明が進むことにより起こる弊害を風刺しているようで、今の日本にも通じるところもあるみたいに思えて驚いた。この猫は、随分かしこくて、まるで悟っているように見える程だが、主人や友人などにあくの強い個性的な人物が多く飽きなかった。

  •  夏休みの課題図書に勝手に指定した恐るべき猫の物語。『坊っちゃん』を愛読してるくせに初めて全文読んだ。本文516ページはかなりの教養がないとサクサクとは読めない(現代人には無理?)。
     ただ、注釈を確認しながらも明治社会や漱石自身を含む教養人の生態を勢いのある文章で味わえる。「オタンチン・パレオロガス(189p)など“乾いた”ユーモアで笑える一方、「とにかく人間に個性の自由を許せば許すほどお互いの間が窮屈になるに相違ないよ(500p)など100年後の現代を予見するような記述にドキッとさせられる。恐るべき猫の最期は、“らしいな”と思った。

  • 学生のころ教科書として買わされて、なにが面白いんだかさっぱり分からなかった一冊。
    出だしは小学生だって暗唱出来るのに、分からない。さっぱり分からない。単語もよく分からない。
    というわけで途中放棄して、感想は図書室のビデオを見て書きました。(最低な生徒)


    だけどそれからしばらくして、夢十夜にうっとりし(第一夜がおそろしく好き)、本棚にあったからなんとなーく手を伸ばし、ごろごろーんと読み出したら、もっ、すっごく面白くてっ!
    いや、オススメ! これオススメ! 声出して笑っちゃう!
    ただ、漱石初心者さんは、「こゝろ」とかのほうがとっつきやすいかなあ? どうでしょう。(ここだけの話、男同士ラブが好きな女の子だったら「こゝろ」は読める気がする…。思い出すと今だにトキメク。あたしもうダメなんじゃないか?)


    あとね、「思い出す事など」っていうエッセイみたいな作品があるんですけど、その中の

    「先生死に給う事なかれ、先生死に給うことなかれ」

    っていう一文があって、新幹線の中で泣きそうになった。
    知らない青年の見舞いが漱石を通って自分に届いたと思った。ここだけ何度も読み返しました。

  • 滑稽で風刺がきいていて、面白く読めました。
    ただ近代人の孤独観とか個人主義とか、その時代独特の観念などは解せない部分もあってちんぷんかんぷんで読んでました。

  • ぐだぐだな会話をぐだぐだだなーと思いながらもだらだら読み続けてしまうところが漱石先生のすごさだと思う。意外にラストが暗い。

著者プロフィール

夏目漱石(なつめ そうせき)
1867年2月9日 - 1916年12月9日
江戸・牛込馬場下(新宿区)生まれの小説家、評論家。本名は「夏目金之助」(なつめ きんのすけ)。1890年、帝国大学文科大学英文科に入学。1895~96年には『坊っちゃん』の舞台となった松山中学校で教鞭を執る。1900年、イギリスに留学。1905年、『吾輩は猫である』を俳句雑誌「ホトトギス」に連載し始め、作家活動を本格的に開始。1907年、朝日新聞社に入社。以降、朝日新聞紙上に『三四郎』『それから』『こころ』などの代表作を連載。日本の文学史に多大な影響を与えており、作品は多くの人に親しまれている。学校教科書でも多数作品が採用されている。

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