三四郎 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 421
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001073

感想・レビュー・書評

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  • 大学進学のために上京してきた三四郎が、構内の池のほとりでひとめぼれした女性との顛末と、その周囲の人々との学生生活を描いた青春小説。
    美禰子という女性の知性的でミステリアスで、落ち着いた魅力に三四郎のみならず私まで惹かれてしまった。魔性感を感じさせない魔性の女だ。三四郎の気持ちにも気づいていたのは言うまでもなく、なんなら美禰子も三四郎のこと好きだったんだと思うけど、ああいう将来を選んだのは何故なのか。ストレイ・シープ。なんたる思わせぶりで危うげなことか。ヘリオトロープの瓶。四丁目の夕暮。ストレイ・シープ。
    偉大なる暗闇とか、哲学の煙とか、ほかにも印象的な言葉がいくつかでてくる。
    全体的に遅々として奥ゆかしく、もどかしくてしかたなかったんだけど、それがこの時代の恋の精一杯だったのかなぁ。

  • 一通りざっと読んだだけなので、主人公三四郎は美禰子さんのことが好きだったのか、よくわからずに終わってしまいました。ただ、三四郎の優柔不断さや美禰子さんとのひねくれた会話など、『こころ』に通ずる部分はあるなと感じました。今度はじっくりと一つ一つの言葉を追って、より深いところまで追究したいと思っています。
    また、個人的には16-17ページの、「ベーコンの論文集」の「二十三ページ」を読むか読まぬかでもちゃもちゃするシーンが面白かったです。思わずくすりと笑ってしまいました。

  • 漱石先生生誕150周年を記念した市民講座が開かれたのを機に、約10年振りの再読。

    朴訥とした三四郎とその一枚上をいく美禰子さんの魔性を中心にしながらも、それを取り巻く脇役たちが大活躍。

    与次郎は広田先生を担ぐ中で、図らずも美禰子さん巻き込んで三四郎に引き合わせる。
    広田先生のせいで、野々宮先生は金に窮している。
    野々宮先生の生活が落ち着かないので、妹のよし子は美禰子さんの下に身を寄せる。
    美禰子さんは三四郎を翻弄したながらも、自分以外の誰かの意思で結局嫁いで行く。
    そんな風に出っ張ったり引っ込んだりしながら、物語はサラッと流れて行く。

    魅力的な脇役たちに囲まれてゆらゆら揺れている。
    それが、主役三四郎の役割。

    自分の人生も主役は自分だ。そして、脇役の間をいったりきたりしている。それはそれで十分。
    ついでに願わくば、誰かの人生にとって魅了的な脇役でありたいとも思う。

  • いよいよ三部作、そして三月最初の読了。朴訥な三四郎が上京する際の怪しげな女から始まり、帝大に入学後に(後に三四郎池と呼ばれる)池端で出会った美禰子という謎めいた女性を巧く配した作品だ。美禰子に寄せる恋心と、現代の自由恋愛の世では想像もつかない男女の機微が新鮮でもありじれったくもある。想い人にやがて袖にされる振られ虫とは自分のことか(笑)三四郎が美禰子の結婚に感じた思いはいかばかりか。

  • 最初、ずーんと暗くて無理だと思ったが、
    読み進めるとくすぐったいような爽やかなような青春小説だった。これが所謂"エゴイズム"??

  • 面白かった。これまで古典は字面の黒さが読みにくくて苦手だったが、角川のものは仮名遣いや漢字を現代の用法に近づけていてルビも不必要に振っていなく読みやすかった。それからイワタ明朝体オールドがよい。

  • 306
    2016年では86冊

  • じれったいなぁ。
    でも、これがあの時代の恋なのかな。
    美禰子も、憎からず思ってると思うんだけどな。
    多分、主導権を持って引っ張っていってもらいたんだと思う。
    結婚に、どれだけ積極的かを見極めているというか。
    好きなら好きって言ってくれたらいいのに、くらい思ってる気がする。
    最後の方は、結構三四郎もグイグイいってたと思うけど、もう遅いわよ、みたいに他の人と結婚しちゃうんだもんなぁ。
    自分を想ってくれてる人より、自分が想う人を選ぶところが現代の女性っぽくて好きではあるけど。

  • こころと、坊ちゃんの間くらいのイメージ?
    漱石もこんな爽やか切ない小説を書くんだ!と思いました。
    今度三四郎池に行くので、美禰子さんの真似でもしようかな。

  • 20160422読了

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著者プロフィール

明治、大正時代の小説家、英文学者。1867年、江戸(東京都)に生まれる。愛媛県松山で教師をしたのち、イギリスに留学。帰国後、執筆活動を始める。『吾輩は猫である』『三四郎』『こころ』など作品多数。

「2017年 『坊っちゃん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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