硝子戸の中 改版 (角川文庫 緑 1-19)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 30
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001196

感想・レビュー・書評

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  • 夏目漱石の随筆集ですね。
    12月9日は漱石の命日でした。
    夏目漱石は文豪の中でも一番のお気に入りです。
    岩波の漱石全集は三回くらい読みましたが、我が家が何回か引っ越す度に、何処かに紛れ込んで見つかりません。
    誰かに貸した覚えもあり、三度買い換えたのが三度目もまた、何処かに行き方知れずのままです。
    この本は、漱石の修善寺の大患後の生死感の移り変わりを綴ったものです。
    鋭利な感受性と冷静な観察力で静かに語っています。
    漱石は温故知新の人生を歩んだように思われます。古い芸術も愛し、自ら英語の教師として英文学を学び、学者の生活を捨てて文筆家の道を選んだ苦悶にも悩まされながらも、家族を支えるためも、「則天去私」の想いを見いだして綴った随筆集ですね。
    漱石はそそっかしい人間らしさも兼ね備えて、人を愛し人に使えることも異なとしない好人物だったようです。
    漱石がますます好きになる一書ですね。

  • 夏目漱石研究家以外は読むほどのものに非ず。
    端物である。雑談集。それも教養のない者にとっては難解

  • 病み上がり(というか死の淵からの生還と言う方が正しいか)のリハビリ的要素の強いエッセイ集(?)。
    確かに生より死の美化とか所謂「則天去私」とかいった読み方も出来るんだろうけど、もっとシンプルに死を覗いた上での素直な他人への感謝に満ちた作品だと思うんだけどなぁ。まぁ、漱石って基本的には優しい人なんだろうと思う。
    そのためという訳でもないが、吐血の様子の俯瞰的描写など読みどころは色々あるけど、当方一番心に残っているのは町井石子嬢にまつわる小噺(?)。
    そうですよ、漱石って『猫』『坊っちゃん』を書いた作家、こういったどこかほのぼのした描写はお得意なんですよ。

  • エッセイ集

    やっぱりいいんですよ。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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