坊っちゃん (角川文庫)

著者 : 夏目漱石
  • 角川書店 (2004年5月1日発売)
3.69
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  • レビュー :121
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001219

坊っちゃん (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「坊っちゃん」……好きになってしまった。
    夏目漱石。読書好きながら「夢十夜」以外まともに読んだことがなかった。教科書で読んだ「こころ」の陰気な印象ばかり持っていた。
    最近「吾輩は猫である」くらい読んでおこうと思い立ち、夏目漱石が実は茶目っ気のある小説を書く人だと初めて知った。風刺も効いている。面白い。読み終わって、他にも読んでみたくなって、すぐ「坊っちゃん」に取り掛かった。通勤電車の中で目が離せなくなった。坊っちゃんは、私だ。無鉄砲で損ばかり。単純だから、いい人そうだとすぐ信じる、悪そうだったらすぐ疑う。後先考えず喧嘩を吹っかける。誤解を受けやすい。
    だけど私は坊っちゃんみたいに素直ではない。見習わなければ。などと、くるくる考えが浮かぶ。こんなに楽しい読書は久しぶり。何度でも読み返したい。

  • 10代の頃は印象に残らなかったけど、再読したらすごくおもしろかった。それは自分が大人になって、赤シャツや野だいこのそっくりさんがウヨウヨいる世間の理不尽に触れたからなんだと思う。

    べらんめえ調の比喩が滑稽でニヤニヤしっぱなし。「履歴より義理が大切」と言ってのける坊っちゃんのばか正直さに憧れる。

    万城目学さんの『鹿男あをによし』をまた読んで、生徒のいたずらなど、この作品へのオマージュを再確認したくなった。

  •  近所の古本屋で100円で売っているのを見つけて、ついつい買って読んでしまいました。

     これまで何度か読んでいて、ストーリーもよく分かっているのですが、何度読んでも面白いですね。いちばん最初に私がこれを読んだのは今から四十年以上前の中学生のころで、旧仮名遣い・旧字体が混じった本でした。下女の清の名前が旧字体(淸)で書かれていて、「なんて読むのかなあ?」と戸惑ったことを記憶しています。角川文庫版は新仮名遣いで文字も大きいので本当に読みやすいです。

     この作品、以前はただ痛快なお話としか感じませんでしたが、その後だんだん感じ方が変わってきました。要するにこのお話は、「真っ直ぐに生きているつもりでいたがその結果として世の中との折り合いをつけられなかった若者の失敗談」なのですね。このような若者を「坊ちゃん」と呼ぶことは理にかなっています。

     社会のあちこちにある様々な人間模様を巧みに戯画化しています。狸、赤シャツ、うらなり、山嵐、のだいこなど、登場人物に面白おかしく付けられたあだ名は実に的を射ていて、漱石の人を見る目の鋭さに驚かされます。また、漱石の他の作品には知恵者としての言葉がふんだんに盛り込まれていますが、この作品でも坊ちゃんの口を借りて、面白おかしい人間批評がなされています。例えばこんなところです;
    ── 議論のいい人が善人とはきまらない。やりこめられる方が悪人とはかぎらない。表向きは赤シャツのほうが重々もっともだが、表向きがいくらりっぱだって、腹の中までほれさせるわけにはゆかない。金や威力や理屈で人間の心が買えるものなら、高利貸しでも巡査でも大学教授でもいちばん人に好かれなくてはならない。(p127)
    ── 商人が頭ばかりさげて、ずるいことをやめないのと一般で生徒も謝罪だけはするが、いたずらはけっしてやめるものではない。よく考えてみると世の中はみんなこの生徒のようなものから成立しているかもしれない。人があやまったりわびたりするのを、まじめに受けて勘弁するのは正直すぎるばかというんだろう。(p146)

     物語の構成も見事ですね。細かなエピソードを積み上げていき、中学校と師範学校の生徒の乱闘騒ぎを一つの山として、それから間を置かず赤シャツとのだいこに「天誅」を下すというクライマックスに持っていってあっけなく終わりにしてしまう。山嵐と坊ちゃんが学校を去るという、「勧善懲悪のハッピーエンド」だけではないほろ苦い終わり方もいいと思います。

     ところで、この小説は漱石自身の松山中学教諭時代の体験を基に書かれていることは間違いないですが、それでは坊ちゃんのモデルが漱石かといえば、ことはそう単純ではないようです。漱石は「当時其中学に文学士と云ったら私一人なのだから、赤シャツは私の事にならなければならん」と語っているとか(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%8A%E3%81%A4%E3%81%A1%E3%82%84%E3%82%93)。

  • テレビで東大生、京大生がスゴイと思う本として紹介されていて、単純なので読んでみようと思いました。以前も読もうと思ったことがあって読んでなかったし、これだけの名作を読んだことがないというのも、日本人として恥ずかしいかと思って。

    100年以上も前に書かれた本とは思えない、というのが一番の感想です。
    無鉄砲な主人公に、嫌味な教頭やその下につくスネオみたいな下っ端先生、大人しい先生や味方になってくれる先生など、現代のドラマとかでもありそうな相関図。(こう書くとGTOみたい)

    先日ドラマ化して放送されていましたが、現代版で時代を変えてドラマ化しても、何の違和感もないだろうなと思います。

    とても素直でまっすぐで、読みやすい文章でした。日本人としてこの作品を知れた喜びがありました。他の作品も楽しみです。

    最後の1文が愛に溢れていて、本当に素敵。

  • 昔に冒頭だけ読んだ覚えがある。でも途中でやめた気がする。
    今回、ナツイチで装丁が気に入ったので、『こころ』と一緒に買って読んだ。

    すぐ読めた!めっちゃおもしろい!
    天麩羅事件、団子事件、温泉事件がかなり面白かった。
    いつの時代も、生徒が先生をからかうのは変わらないと思った。

    とにかく、この作品をひと言で述べるなら
    「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。」
    これに尽きる。
    まるでコメディータッチ。
    道後温泉に行きたくなった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」
      私も、このフレーズ好きなんです。

      「道後温泉に行きたくなった」
      漱石だけじゃなく、正岡子規も読んでから。。。

      えっと原作・関川夏央、絵・谷口ジローの「"坊っちゃん"とその時代」をご存知ですか?
      「坊っちゃん」の裏話的内容で、とってもお薦めです。
      http://www.futabasha.com/botchan/index.html
      2012/08/29
    • mariさん
      nyancomaruさん
      「坊っちゃんとその時代」知らなかったです!!
      読んでみたい!探します♪ありがとうございます☆
      正岡子規も読んでから道後温泉行きましょうかね(笑)
      2012/09/02
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「道後温泉行きましょうかね」
      温泉でノンビリしたいです。。。
      子規は「仰臥漫録」か、石森章太郎が同人誌のタイトルとして借用したという「墨汁一滴」が読みたい。俳句はその後かな、、、

      2012/09/04
  • 名作といわれている作品だから読むのに抵抗があったけど、
    読みはじめたら全然昔の話と思えなくて面白かった。

  • テンポが良くて音読したくなるような文章。単純で一本気な坊っちゃんから見た人間模様が風刺的で面白い。また清の存在にほっこりする。
    作中に出てくる「越後の笹飴」は今もあるようなので食べてみたい。

  • 請求記号:913.6||N 58
    資料ID:C0038301

  • 2017.9.7(図書館)

  • 2017/1/28
    言わずと知れた夏目漱石の名作、坊っちゃん。いままでこの時期の人たちの作品は読みにくそうと読まず嫌い的な感じで敬遠してきたけど、読んでみようと思ってみたら案外面白い話で、これが100年以上も前に書かれた物語だというので驚きの完成度だと思う。どうりで数多くの小説が消滅していく中で脈々と残り続ける理由がなんとなくわかったような気がする。
    主人公の坊っちゃんは親譲りの無鉄砲な性格で色々な物事に対してなんか斜めというか斜に構えてるような印象を受ける。中学の数学の教師になるまでの経緯も何だか流れに任せるような勢いに乗っているというような感じの印象。最初にあるトラブルにも動じることなく、対処していくが、いろいろな経緯を経て意気投合していく山嵐とはその後どうなったのかがすごく気になる。赤シャツの悪事を暴いて、最後はボコボコに殴ってぐうの音も出ないまでやってしまうところも最初の性格に起因してるんだろうなぁと思う。

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