エッジ 下 (角川ホラー文庫 す 1-7)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年1月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041001363
作品紹介・あらすじ
きっと会える――冴子は失踪前の父がボリビアで書き残した手記の中に、世界の仕組みを説き明かす鍵を発見した。父の冴子は秘められた過去と、地球に迫る危機を知る! 小説と科学が融合した、ホラー小説最終形。
感想・レビュー・書評
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(上下巻共通)
出だしの雰囲気はよかったのに、途中がものすごい残念。
大事件やらパニックやらが下巻までほとんどでてこないっていうね。
これなら、上下巻にせずに 1 冊くらいの分量でもよかったんじゃないかと思うんだけれど。
そもそも、コンピュータのくだりがダメダメすぎる気持ち。
プログラマなら、まずはウィルスを疑うだろうし、そもそも計算結果が違うのが物理的に違うとは言えないだろうって思うのがすじではなかろうか。(^^;
その違和感だけで、物語に集中できなかったなぁ。
逆に詳しくない人なら気にせず愉しめたのかもしれないけどね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん、なんだか無理矢理な終わらせ方だったな。途中のエピソードが全然伏線になってないし…
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無理がある。。
雑すぎる。。 -
パラレルワールドがテーマになった。ホラー要素は入っているものの、SF色が強い。下巻での展開も、無理やり結末にもっていこうとしているように感じられ、物語に入りこむことはできなかった。
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話が専門的過ぎてつまらない部分が多かったせいかイマイチな印象。
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久々の大作が、こんなだったとは(´;ω;`) ジャンルはSFなのかもだが、宇宙の歯車がひとつ狂うことによって引き起こされる物理学の崩壊。ひいては宇宙の崩壊ですか。あってもおかしくはないとは思いますが、、、ラストシーンは全く余計でしたね。
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理系嫌いの人に薦めたい、理系情報満載の本。
ある日、世界最先端のスパコンの中で、3.15・・・でおなじみのπ(パイ)の数値が、五千億桁をすぎたあたりから消え始める。ハワイの天文台では星の消失が確認される。そして、アメリカの砂漠で、日本の片田舎で、忽然と人が失踪する・・・・
人々の消失が持つ意味とは。世界には何がおきているのか。感覚で理解できる領域を超えた、宇宙規模の恐怖が思い知らせること、それは「世界は私たちが思っているほど、堅牢にはできていない」ということだった・・・
『リング』で有名な鈴木光司氏による、SFホラー・・・というジャンルらしいけれど、個人的には「理系男のロマンチックさを感じた」というプッシュの仕方をしたい。俗な感じで失礼します。
初めてこの人の『楽園』を読んだとき、「なんてロマンチストなんだ・・・」と感激した覚えがあります。時空を超えても君を~・・・というのはもはや少女漫画の鉄板領域じゃないか、それをここまで爽やかに力強く書かれるとすがすがしいもんなんだなぁ・・・と。以来この人の作品の中ではホラーからちょっと距離をとったものの方がすきなんですが、本作にも同様の印象を受けました(ただ恋愛小説ではないです、全く)。
それでいて、「自分の周りで起こっていること」を理解(感知?)した瞬間のずしんと来る怖さも孕んでいる。面白いバランス。「リング」とかとはスケールも種類も違ったホラーなので、夜トイレにいけなくなる系のホラーを期待していると物足りなく感じると思うけれど・・・描写の凄惨さや残酷さを売りにしない、読み手の想像力を爪弾く仕掛けを得意とする作家さんなので、ぞくっと感はちゃんと埋め込まれてます。「世界って得たいが知れない」という怖さ。
ただ、扱ってるテーマが派手なのに地味に感じられるのは・・・結局テンポ的に「盛り上がり」の演出に欠けるからか?好みは別れそう。
そしてオチについても賛否両論ぽいですが、私は至極「鈴木さんぽい」と感じて概ね「賛」。デビルマン登場にはわろたけど。
数字が乱れたり、数字上の定理が崩れることは、物理法則の崩壊の前触れである-
パイの小数点以下に突如ゼロが連続して出てきたところで、星が急に消えたところで、私はすぐには恐怖を感じない。その事象が起こる仕組み、「異常」が起こる前の「私たちが正常として受け入れてるもの」が起こる仕組みを、ちゃんと理解してないから。
ただ、そんな中高と物理の時間が苦痛で仕方なく、理系分野には必要以上に触れないようにしてきた私は、大人になってこういう本を読むにつれ、天体や数字、地学・・・と、「理系」として遠ざけてきた領域に対してロマンを感じるようになってきました。
哲学や社会学にも通じる、なぜ世界はここにこの状態であるのか、より良い世界はどういう構造で作られるのか、という疑問への探究心。とても力強く、からっとしたロマンチックさ。そのドライさが危うく、また魅力的。
本作で扱われてる情報の組まれ方の正誤については、私には分かりません。が、分かりたいとは思う。物理の本、入手しちゃったぐらい。
あとがきにも書かれているように、普遍性のあるおはなしなので、翻訳されて広く世界に読まれて欲しい。
絶望的恐怖に襲われながらも力強く未来を希望する人間の姿を、どの作品にも感じる作家さんです。 -
ホラーと書いてあるので、超常現象系をイメージして読み始めたところ、意外にも本格的なサイエンスフィクションで、面白い展開でした。謎の連続失踪から始まり、星か消え、さらには数学や物理学の定理までは崩れ始め、宇宙中が危機となるというお話しですが、開始当初の何も分からない状態でもゾクっとして、物語が進み理解が深まったらまたゾクっとしてと、色々な段階で異なるゾクっとか味わえる文章構成は秀逸でした。数字や物理に疎くても、その基本を無理なくしっかり理解できるように解説してあるのも良かったです。
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人や法則の消える謎が解き明かされるにつれて少しは面白さを感じたが、上巻の広がりと比較すると、下巻は物足りなく感じた。