GEQ 大地震 (角川文庫)

  • KADOKAWA
3.64
  • (11)
  • (33)
  • (23)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 194
感想 : 29
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001622

作品紹介・あらすじ

1995年1月17日、兵庫県南部を襲ったM7.3のGEQ(大地震)。阪神淡路大震災と呼ばれた震災から13年-日系ジャーナリストのジョージ松永は、行方不明の友人のメールに導かれ神戸に降り立った。待っていたのは謎の女CHISATO。震災に関わる重要人物たちに取材を始めた松永は、やがて恐るべき真実に直面する…。9.11に連なる世界のテロ、大災害の裏に潜む巨大な陰謀とは?各紙誌で絶賛された問題作、文庫解禁。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【秀作】

    事実に基づくフィクション。

    事実をフィクションのように
    フィクションを事実のように

    「信じるか?信じないか?は、あなた次第です」とはいえ、一考する価値 アリ!

  • 9・11同時多発テロは元々が人為的なテロだが、世界各地で起きた天災までも見事なまでに陰謀説としてまとめ上げた作品。しかもかなりしっかりとした策略論が背景にあり、「ひょっとしたらホントにこんなコトが…」と納得させられ、ノンフィクション作品と言われても信じてしまいそうな内容だった。まぁ、こじつけと言えばそれまでかもしれないけど、ここまで信憑性のある内容だと、実際に利益を得たとされる人たちに対してついつい穿った見方をしてしまいそうだ。。。

    若干、突拍子がないとは言えないもののホントに陰謀説が良くできていて、どの事例を見ても実際の社会背景と照らし合わせた整合性が計られている。
    確かに中国四川大地震とかはタイミングを考えると著者の見込んだ通りの効果を得てる訳で、否応なしに怖いものを感じてしまう。。。。
    いくらフィクションとは言え、これだけ巧みに裏付けられた陰謀説での実例を挙げられると、一時期話題になった東日本大震災の人工地震説も今更ながらに信じてしまいそうだ…

    等々と、陰謀説を交えたミステリーで「概念としてのフィクション」作品としてみれば十分に読み応えがあり、興味深い物語だった。
    ただ、それ以外での人物描写については若干希薄だったんじゃないだろうか。
    幼い頃に阪神淡路大震災で被災し、傷を背負ってきた麻紀は精神を苛まれながら結局何をしたかったのか?松永に何を求めたのか??
    そして吉村は一体…
    ラストシーンの北京五輪開会式も、このシーンだけで想像すれば映画の1シーンのようだけど、それまでの流れからすると中途半端な感じが否めなかったかと。。。。

  • 部類としては、トンデモ系に入ってしまいそうな内容。
    ダヴィンチ・コードの様なもの。
    冒頭に「主幹となるエピソードは事実に基づいている」とか
    書いてあるとワクワクする(不謹慎だが…)ので、微妙だなと
    思いつつも読んでしまう…。
    「THE WAR 異聞 太平洋戦記」も読んでるし…。

    帯に堂々と今回の確信が書いてあるので、
    「何の為にやったのか」という事に焦点がうつるのだが、
    それがまあ、結局そういう事なのね、という感じなので
    すくみ上がる程の事はない。

    陰謀系が少しでも好きであれば読んで損はないかと。



  • 1995年1月17日阪神淡路大震災。
    大地震は果たして、自然災害なのか。
    主人公の日系ジャーナリストが、重要証言を集め始めると...

    9.11の米テロが陰謀説だということは、数多くの著書が記されている。政府ぐるみでユダヤ資本に莫大な資金がもたらされたのは周知の通りだ。
    ワールドトレードセンターをタダ同然で解体し、数十億ドルの保険金がユダヤ系オーナーの懐に入った。

    90年代以降の殆どの大規模地震が自然災害ではなく、人工的に引き起こされた人為的経済効果だと。
    被災による経済損失よりも、復興特需による経済効果は遥かに凌ぐ額が生まれる。

    本作は事実に基づくフィクションである。
    丹念に地道に、情報を集め、作り込まれたジャーナリズム精神に基づく柴田氏の本作は、相変わらず読み応え十分だ。
    松本清張の後継者に足り得る作家だ。

  • 2012.04.19 読了

    好き。
    ドキュメンタリー小説とでもいうのか。
    事実に基づく話の中でもっともらしい仮説を展開。そのもっともらしさが本当にもっともらしくてグイグイ読んだ。

    でもたぶん本当な側面は数多くあるんだろうな、と。自分にそれを検証する力はないけれど、ただただ、そう思わせるものは現世界にあるんだろう、と思った。よくも悪くも。

  • あくまでもフィクションだとしながら、これはすごく本当っぽくて、おもしろかった。信じるかどうかはあなた次第ってやつ。この作家は注目しよう

  • 最初は陰謀が渦巻くドキドキする国際的な小説かと思ったのだが、お金のために無茶苦茶やる国家と会社の話になっていた。期待はずれだった。

  • 荒唐無稽、だが事実は小説より奇なり。読後感は悪くないので、星三つ。

  • 阪神大震災を皮切りに様々な巨大地震が人工的に操作されている。
    本当にそうだとしたら地震を止める研究に着手すればいいのに。人間は破壊する事に関しては得意分野なのだろう。

    今度はどこが人工地震が起きるのだろうか。アメリカ軍が撤退したアフガニスタンで何か起きるのか。冬季オリンピックの北京で起きるのか。。。

  • 柴田君のこのジャンルへの取り組みを評価する声が多いなぁ。天狗やカッパの話もおもしろかったけど。もう少しフォローしたい作家やな。頑張りや。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1957年、東京都出身。日本大学芸術学部写真学科中退。フリーのカメラマンから作家に転身し、現在はフィクションとノンフィクションの両分野で広く活躍する。パリ〜ダカールラリーにプライベートで2回出場し、1990年にはドライバーとして完走。1991年『KAPPA』で小説家デビュー。2006年、『下山事件 最後の証言』で第59回「日本推理作家協会賞・評論その他の部門」と第24回日本冒険小説協会大賞(実録賞)をダブル受賞。2007年、『TENGU』で第9回大藪春彦賞を受賞し、ベストセラー作家となった。他の著書に『DANCER』『GEQ』『デッドエンド』『WOLF』『下山事件 暗殺者たちの夏』『クズリ』『野守虫』『五十六 ISOROKU異聞・真珠湾攻撃』『ミッドナイト』『幕末紀』など、多数ある。

「2021年 『ジミー・ハワードのジッポー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柴田哲孝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×