ももへの手紙 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.15
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本棚登録 : 121
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001639

作品紹介・あらすじ

"ももへ"それだけを書き遺し、仲直りできずに亡くなった父。それから母・いく子と瀬戸内の島に引っ越してきたももは、田舎の生活にも馴染めず、しずんだ日々を送っていた。そんなとき現れたイワ・カワ・マメの3妖怪!身勝手な彼らに振り回される中で、ももはいく子とすれ違い喧嘩をしてしまうが、直後、いく子が病に倒れて!?蘇る父の記憶。母を救うため嵐の中へ走り出すももに、奇跡が起きる-。心に響く家族の愛の物語。

感想・レビュー・書評

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  • なんとなく映画の予告からイメージしたものとは違うような…

    三匹の妖怪はこれで許されちゃっていいの?

  •  幾度もCMが流れていただけに、あらすじで心惹かれていただけに、こんなにも胸糞悪くなるようなアニメ映画は久しぶりでした。
     ネタバレありですので気を付けてください。
     まず、妖怪たちに感情移入が一切できないのです。亡くなった人がきちんと天にあがれるようになるまでのあいだ、のこされた人たちを見守るために派遣された妖怪たちなのですが、どれだけ悪さをしても一切反省の色がない。しかもそれを追及される場面もないし痛い目に合う場面もない。窃盗という立派な犯罪なのですが、せめて凄く痛い目にあってもう盗みなんてしない!っていうような場面が欲しかったです。
     そもそも彼らは昔罪を犯してその罪を償うために見守り組にさせられた経緯がある。それも含めればきちんと『反省する』場面は必須ではなかったのでしょうか。
     ギャグもちらほらあって、笑いは出るのですが、其処で終わり。けしてあとをひくわけではなく、その場のノリで笑わせている感じ。同じことを延々と繰り返すのも……まあ、笑えるからいいんですが。中盤、手紙を送る場面でマメがしつっこくももへ迫る場面は辟易しましたが。
     子供の物語に、大人の情事じみた存在を持ち出すな。郵便局の男性が、主人公の母親に『ほの字』(古いかww)なのですが、それをありありと持ち出されて吐き気がしました。これは子供(ももは十一歳という多感な時期)の物語であってこんな場面を用意する必要性が何処にあるのか?
     最後に百鬼夜行、って、仲間がいるよ、って、何故いまさら? マメが天に書く手紙を悩む場面で幾人か出てきていましたが、彼らと関わる場面なんて全然なかったし、このためだけにどうしていきなりみんなが協力的になるのか?
     なんだかともかく、すべてが薄すぎるように感じました。
     妖怪たちの交流もなさすぎるし、仲間の妖怪たちが協力した経緯もだし、わざわざももが医者を呼ぶために走るのも。だったら妖怪たちが医者迎えに行ったらええやん。
     母の声が優香さんということでしたが全然違和感がなく、凄いなあと思いました。
     ところどころで言われる「ジブリの劣化」ですが、わたしはジブリのジの字も考えませんでした。ただただ感動ものを狙いすぎてはずしたカンのある作品だなあ、と。

    ▼ネタバレありの感想サイト
    http://ameblo.jp/hbd16/entry-11223971189.html

  • 病棟の談話室に残されていた1冊
    1〜2ページ読んで、「なんかジブリみたいな描きかたやなぁ」と思ったら、アニメのノベライズで、原案が『魔女の宅急便』の原画を手がけた方でした

    アニメのノベライズやから仕方ないのかもしれないけれど、意味のないドタバタが鼻につく…
    だいたい、ももが幸市と一緒にバイクに乗って行く必要ある?
    普通に考えたら「お前はお母さんについていてあげろ、俺が一人で行ってくる!」ちゃいます?
    それに強風の中はたとえ救急車でも橋は渡りませんよね?
    色々突っ込みどころ満載

    終わり方はかわいいんやけど、妖怪物なら「しゃばけ」の方が1枚上手ですね

  • 数年振りに再読。
    ページ数も多くないしアニメ映画化されてるから小学生でも読めるような作品やと思う。
    百瀬しのぶが書いてる作品って誰かの死をキッカケに家族がどうなっていくのか、立ち直れるのか、どんな未来になっていくのか描いてるイメージある。おくりびとも死について考える作品なイメージある。
    ももへ手紙をかけないままう海難事故で亡くなったお父さんのことが忘れられず引きずったままま東京から島へと母娘で引っ越すことになってしまったもも。そこで妖怪達に会って、ハプニング起こしたりそれが原因でお母さんと一悶着したりするけどお母さんも亡くなったお父さんのこと忘れられへんくて悲しんでるってことがお互い知れてよかったと思う。郵便局員は母にずっと片想いして純粋やねんなってw
    大事に思ってる人を忘れてほしくない、大事にしてる人ほど身の危険をおかしても助けたいんやなってももの勇気と行動、成長への一歩を踏み出せたストーリーやと思う


  • 「ももへ」

    昔読んだ作品を再読。
    けんかしたままお父さんが亡くなったもも。陽気な三匹の妖怪を通じて突然変化した生活に適応していく少女の勇気の物語。
    .
    宛名しか書かれていなかった手紙に最後は奇跡が起こります。
    .

  • 軽快な文章でサクサク読める、良質な子ども向けストーリー。
    クライマックスの描写も、画面の派手さが伝わってくる。
    映画も見てみたくなった。







































    「ももへ」だけが書かれたお父さんの手紙……が物語の肝。もっとあっと驚く種明かしがあるとよかったが、それでは大人向けになってしまうのでこのくらいがいいのだろう。
    東野圭吾が大人向けに同じ話を書いたら、あっと驚く結末を用意した上で、お母さんの過去や夫を亡くしたあとの男性関係も捻った展開にするのだろうなぁ。

  • アニメ映画「ももへの手紙」のノベライズ版。映画版が大好きなので読んでみた。
    小説原作で映画化された形ではないだけに、まさに映画を忠実に文字起こししたような内容。文庫で200ページと分量も少なくてサクッと読める。
    躍動感が重要なクライマックスシーンも巧みな文章力で映像が目に浮かぶように書かれていて感心した。とは言え同じ表現ならやっぱり映画の情報量には勝てないなというのが正直な感想。

    ---
    追記

    読了直後に映画版を見直してみたら、映画では表情芝居しかなかった心の声とか細かい心理描写が小説では具体的に書かれてて、裏設定を見たようで楽しいなと思った。

  • 一応ジュブナイルなのかな。こういうお話に弱いんです。

    登場人物についてもっと掘り下げてもらえればなお良かったです。分量が少ないから仕方ないけど。
    映画が原作らしいので是非見てみたい!

  • 映画観てない。嵐のとこは映像で見てみたくなった。

  • 人は、家族や周りの人に支えられながら生きているのだと改めて感じました。 亡くなったお父さんも、ずっと近くで見守ってくれているのだと思います。 多くの人は、大切な人を失って初めて、こうしておけばよかった・・・と後悔するでしょう。この小説を通して、少しでも身近な大切な人のことを考えることができました。

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著者プロフィール

作家・ライター。主な作品に『DOG SIGNAL ひよっこドッグトレーナーはじめます!』『世界はとつぜん変わってしまう? もし、「あたりまえ」の毎日が、ある日とつぜんうしなわれたら?をかんがえる本。』『レシピにたくした料理人の夢 難病で日を使えない少年』(すべて角川つばさ文庫)など。

「2023年 『日本植物学の父 牧野富太郎 「好き」を追い続けたぼくの話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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