万能鑑定士Qの推理劇II (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 160
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001721

感想・レビュー・書評

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  • 万能鑑定士Qシリーズ。事件簿の2作目を借りたつもりが、最新刊だった…
    でも、単独でも十分楽しめ、莉子の知識の広さに圧巻!気軽に楽しむには、オススメの1冊。

  • Qだけでなくαシリーズを始めてよかったみたい。
    二人の主人公がお互いのシリーズにゲスト的に登場することで、無理めの展開もスムーズに流れたように思います。ラテラル便利ですな!
    また、いつもよりは事件の全体像が早めに分かったように思います。その分すっきり感は少なかったが・・・。
    ま、楽に読めて楽しめるので次作にも期待です。

  • 多くの知識が推理に必要となる設定は、主人公を上手く活かせていると感じた。しかし、知識の幅が広すぎて、少し現実離れしているようにも思えたところもあった。(TVなどで見た、ヒーローに対する思いに近いものがある)
    現実世界にいたら確実に憧れる存在ではあるが、現実世界には絶対いないんだろうなぁ。。

    細かいけれど、登場人物の名前が私には少し読みにくい…これもまた、この物語が現実的ではなくあくまで空想上のものであると強く思えたところでもある。

  • 図書館にIがなかったけど、気にせずII〜IVまで借りてくる。
    未発表原稿などオークションに出品されるような品物を鑑定するって難しそう。
    何をもって本物とするのかね。かなりの知識がないとコロリと騙されそうだ。

  • 古書オークションと少年が鑑定を依頼した不思議の国のアリス。そして万能鑑定士Qの閉店。なかなか波の大きな話で楽しめました。

  • 〇 総合評価
     颯人という少年から預かった古書,「愛ちゃんの夢物語」を科学鑑定するために,万能鑑定士Qを辞め,オークション会社であるジェルヴェーズに入社するという流れは,万能鑑定士Qの事件簿のⅦに近い。古書鑑定や,オークションの裏側を描いている部分は新鮮。事件そのものも,オークションのプレミアムエクスヒビターという制度(一度,高額の出品をした出品者は,鑑定を免れるという制度)を利用した贋作の販売と面白い。更に,その贋作をイアン・フレミングの新作として,直島で映画撮影をさせる方向にもっていき,ブックメーカーで丸儲けを狙うという。ここまでいくと,リアリティはほとんどないし,オークションを利用する費用や税金を考えると稚拙とまで思えるが,話としては面白い。
     黒幕は,莉子の高校時代の先輩で,高校時代に莉子が憧れていた漢那という人物。漢那は颯人の父であり,父に会いたいと願う颯人の願いはかなわない。このシリーズには珍しい,読後感があまりよくない作品である。
     推理劇らしく,朝倉絢奈も登場する。ストーリーから見ると,登場する必然性は必ずしも高くないが,これは読者サービスだろう。
     読後感の悪さ,ストーリーの奇抜さなどを考えると,心に残るなかなかの逸品。★4で。

    〇 サプライズ ★★★☆☆
     まず,莉子が万能鑑定士Qを辞めてオークション会社であるジェルヴェーズに就職するという展開が,ややサプライズ。あとは,黒幕が,莉子の憧れていた先輩である漢那であり,最後に,颯人の父に会いたいという願いがかなわないという点もサプライズ。そもそも,このシリーズには珍しく,読後感があまりよくないという点もサプライズだろう。とはいえ,どんでんがえしといえるほどではないので★3どまり

    〇 熱中度 ★★★☆☆
     オークション業界,古書業界の裏側などのうんちくをはさみながら,漢那と浴沼夫妻の悪だくみを描く。ページをめくる手が止まらないというほどではないが,最後まで楽しく読める。話の作り方の上手さは,さすが松岡圭祐という感じ。★3

    〇 インパクト ★★☆☆☆
     メイントリックが入り組んでいる。コナン・ドイルの贋作のオークションでの出品を成功させ(自分で出品し,自分で落札),プレミアムエクスヒビターの制度を利用してイアン・フレミングの贋作を出品させ,自分で落札し,世間の評判を得る。真作と思わせ,直島での映画撮影を実現させる。ブックメーカーで,イアン・フレミング原作の映画撮影がされるに賭けて丸儲け…とうものだが,風が吹けば桶屋が儲かる的で,あまりピンとこない。インパクトは★2

    〇 読後感 ★☆☆☆☆
     1歳の子どもがいる状態で読んだからかもしれないが,漢那の颯人に対する態度は,かなり印象が悪い。結局,颯人が父と一緒に暮らせるようにならないという…。警察の葉山は、こんな父と一緒に暮らさない方が颯人のためといい,そのとおりなのだが,なんとなくやるせない。読後感は悪い。★1

    〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
     人気シリーズ。希少価値はない。

    〇 メモ
    〇 オープニングは,シャーロックホームズ作品のパスティーシュから。この作品は,オークション会社である,ジェルヴェーズ会社が舞台。古書業界に参入。担当は隅山大智。女性部長は芹澤杏樹。シャーロックホームズの未発表原稿,ユグノーの銀食器がジェルヴェーズに持ち込まれている。
    〇 凜田莉子が,不思議の国のアリスの和訳本「愛ちゃんの夢物語」をジェルヴェーズに持ち込む。莉子は,ジェルヴェーズの社員にバカにされる。しかし,ふと聞きつけたユグノーの銀食器について,謎解き(容疑者二人の共犯)をする。
    〇 「愛ちゃんの夢物語」の鑑定を莉子に依頼した宇久良颯人は子供だった。莉子は,引き続き鑑定を依頼される。
    〇 芹澤が,莉子をジェルヴェーズにスカウトする。条件は店を畳むこと。莉子は迷う。
    〇 莉子はジェルヴェーズへの就職と「愛ちゃんの夢物語」などについて,小笠原に相談する。会話の中で,颯人からのお礼に「東京タワー」(江國香織)を見つけ,颯人と自分に何等かのつながりがあると気付く。
    〇 莉子の高校時代の同級生に確認したところ,颯人は,野球部時代の先輩である漢那の子どもであると分かった。漢那は蒸発し,その子供は里親にもらわれていったという。
    〇 莉子は,颯人の期待に応えるために,店を畳み,ジェルヴェーズに就職する。
    〇 颯人の里親である浴沼夫妻の描写。何らかの悪さをしている様子。速人が問題の「愛ちゃんの夢物語」を持ちだしたことに気付く。
    〇 ジェルヴェーズでの莉子の仕事ぶり。同僚である富里蒼依と隅山大智が集めてきた古書には問題が続出していた。莉子は,杏樹から蒼依と隅山を鍛えるように依頼される。
    〇 神田の古書店で,莉子の指導のもと,富里と隅山が修行。颯人と里親が現れ,トラブル
    〇 莉子は,颯人の里親と対峙する前に,「愛ちゃんの夢物語」の科学鑑定を行う。
    〇 イタリアンレストラン「クレメンティーナ」で浴沼夫妻と対峙。浴沼夫妻は,石垣島での仕事のあっせんでのくじとして,莉子が持っている「愛ちゃんの夢物語」を使っていた。浴沼は顧問弁護士の窪塚の力を使い,莉子から「愛ちゃんの夢物語」を奪い返す。
    〇 浅倉絢奈を呼び,話をする。莉子は漢那との思いでを語る。
    〇 莉子はジェルヴェーズでの古書オークションの成功と,浴沼夫妻の行動の調査の両方を進める。
    〇 莉子がオークショニアとしてユグノーの銀食器のオークションを行う。1000万ドルで落札される。落札者は柴村双太という人物。出品者は伊勢拓真という人物
    〇 「愛ちゃんの夢物語」の科学鑑定を依頼した升本から情報がもたらされる。同書の表紙に,ジェルヴェーズの住所とユグノーの銀食器という著書名を書いた跡が残っていた。
    〇 莉子は,ユグノーの銀食器の落札に,犯罪の匂いを嗅ぎつけ、綺奈と相談する。調査のため,直島に行くことになる。
    〇 ジェルヴェーズでは,次の古書オークションについての協議がされていた。ユグノーの銀食器の落札者である柴村は,007ファンだった。ユグノーの銀食器のオークションは,出品者である伊勢がプレミアムエクスヒビターの地位を得るためにされていた。
    〇 莉子は詐欺の黒幕を逮捕するために,イアン・フレミングの贋作を借用を求める。ジェルヴェーズの専務,綾小路は反対するが,芹澤は綾小路を無視し,贋作を莉子に貸す。
    〇 莉子は浴沼夫妻を罠にはめる。クレメンティーナの住所を書いたメモを科学鑑定し,浴沼のメールアドレスを暴き,推理により居場所と普段の連絡方法を把握し,浴沼を信用させた。
    〇 浴沼はイアン・フレミングの贋作を処分しようとするが,すんでのところで小笠原が原稿を取り返す。
    〇 莉子は北海道の富良野で漢那と再会する。漢那こそが犯行の黒幕だった。暴力団の観虞会に入り,浴沼を脅迫していた。漢那は逮捕される。颯人は父に再会できなかった。
    〇 エピローグ。莉子は,水道橋の店で,万能鑑定士Qの店を再開する。

  • 今回は莉子がオークションを進行するスペシャリストであるオークショニアになります。莉子の才能をもってすれば、オークショニアもソツなくこなしてしまえるのですね。楽しめるストーリーでした。

  • 絢奈もでてきて、二人のかけあいが好き

  • よみやすさ2
    おもしろさ2
    またよみたい0

  • あいかわらずの安定したおもしろさ

著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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