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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041001905
作品紹介・あらすじ
光の君の妻である葵の上に、妖しいものが取り憑く。六条御息所の生霊らしいが、どうやらそれだけではないらしい。並の陰陽師では歯がたたず、ついに外法の陰陽師・蘆屋道満に調伏を依頼するが――。
感想・レビュー・書評
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★3.5
光源氏と蘆屋道満が一緒に謎解き。その答えはわたし的にはアレ?感があったが、続きが気になって引き込まれるタイプのお話である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
源氏物語をモチーフにした伝奇小説。光源氏の妻、葵の上にとりついたもののけを祓うため、光源氏と道満法師が謎解きに挑む。
軽いエンターテインメント物で一気に読めた。 -
光の君と道満が葵の上に憑いたモノの正体を探すために共に行動します。美しく聡明で夢見ているかのような眼差しを持ち心を刺激する怖さも纏う(なんて男!)光の君。わたしは断言しますよ。こんな男を相手に出来る女は、現の世にはいないってね。たとえ妻だろうと愛していると言われても素直に信じられなくて心の中は不安でいっぱいになるでしょうね。生き霊となってしまった御息所には、心より女を愛しいと思ったことはないでしょう…ってことを言われてしまいます。道満も世のためにも早う死ねとつい言ってしまいました。道満謝ってましたが(笑)展開は陰陽師でお馴染み天一神が出てきたり異国の神が出てきたり、ぶわぁっとお話か広がっていきます。光の君をはじめ御息所、葵の上の印象がガラッと変わり、ああ夢枕ワールドに誘われ迷い込んじゃったなって、読み終えていちばんはじめに思いました。面白かったです。
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夢枕獏 著「秘帖・源氏物語 翁」を読みました。
光源氏の妻、葵の上に怪しいものがとり憑く。彼女を救うため、光の君は外法の陰陽師・蘆屋道満に調伏を依頼するが、謎は深まるばかりだった。
陰陽師「源氏物語」版といった感じでした。
今回は安倍晴明は全く出番がなく、代わりに光源氏とあの蘆屋道満がコンビを組んで、謎を解き明かしていく展開で、陰陽師同様楽しく読ませてもらいました。
恥ずかしながら、源氏物語のさわりしか知らない自分でも源氏物語の世界を少し味わえた感じがしました。
謎が解明する件では、世界の神話まで登場し、この物語のダイナミックな展開に驚かされました。
もう少し、神話の勉強をしていればもっと楽しめたのかもしれないとも思いました。
人の愛憎は現代より平安時代の方がやはり深かったのでしょうか。 -
ものの怪は物の気配、本来は人と物との間に生じた気配、それを感じ取ったもの。しかしそれに名を与え、人の思いを乗せることで神にも鬼にもなると言う。鬼がまだ「もの」と呼ばれていた時代の話…
これもやはり、人と物との関係性を起点に産み出されるという点では「われーなんじ」の世界に繋がるものと言えるだろうか。
人間は「人と間」によって形作られる存在と言えるか。しかし決して「人」と「間」は切り離せない。われーなんじの「ー」こそ「間」であるのか。となると「間=ー」とは、なんじに対するアプローチ、動的な側面を持ちうる文字(記号)となるだろうか。
人間は、人ー間間ー人(「物」でもよいが)ということでしか存在し得ない。絶対的な個としての単体の「人」の存在はあり得ない。故に人間と書くのか。否応なくそうせざるを得ないから。
陰陽師やシャーマンが当たり前にいた時代、文化は「間」との繋がり、アプローチ、認識がより身近だったのだろうな。それ故、間と間が混ざりあうことで、多くの物の怪が生まれたのだろう。
物の怪のもつ不思議な魅力…それは、かつては当たり前に共有できたが、時代と共に消え失せていった「間」への狂おしいほどの憧憬がそうさせるのかもしれない。
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陰陽師の何巻だったかのあとがきで紹介されていて、気になって手を伸ばした一冊。
陰陽師の舞台を変えて、バディを光の君(光源氏)と蘆屋道満に置き換えた安定した構成。
謎とその解明の過程で、キリスト教やギリシャ神話なんかも登場し神話の謎解きを楽しんでられる。
葵の上が憑きものに悩まされ、その解決のために、蘆屋道満と光の君が、奔走する。
まぁ完全無敵の蘆屋道満と、同じぐらい完全無敵の光源氏がバディで主人公なので、恙なくひもとかれはするけれど、陰陽師シリーズ好きなら問題なく楽しめる色んな意味でスピンオフ。 -
夢枕獏さんの作品が好きで購入。
源氏物語が元とは思えないほど、非常に読みやすい作品であるものの…後半の盛り上がりは他の作品と比べると薄いようにも感じた。
陰陽師シリーズの安倍晴明から妖に関する知識を抜かれたような光源氏が主人公で、それを補っていくのが蘆屋道満という形で進んでいきます。
作中に登場する謎々も宗教を絡めており非常に面白かったです。 -
光源氏の話とは知らずに読みはじめ、途中で気づいた。ミステリー調で話が進み、最後までどうなるんだろうと気になってしまう本だった。壮大な神話の話がメインでもうちょっと知識がついた時に読み直すと深みが増しそうだなと思った。
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源氏と蘆屋道満が、葵の上に憑いた物の怪を払うために、さまざまに調べるうちに、神や仏の歴史へと足を踏み入れていく。
最近陰陽師と源氏物語のコラボが流行なんだろうか。
映画は安倍清明だけど。同じく御息所が肝だし。
夢枕獏は安倍清明でシリーズあるから、道満なのかね・・・。
それにしても光源氏の描写があまりにも清明だった。
陰陽師でない安倍清明って感じ。
他人にも自分にも全く興味も執着もないし。
源氏はすべてを愛してしまうところが唯一のいいところだと私は思っているので、こういう解釈も斬新。
古代神の歴史ものとしてはおもしろかった。
シリーズ化しそう。 -
すげー!!
夢枕獏が書くとこうなるのか!!面白ーい!太秦寺があんなことに、、、!まさか!
京都はやっぱり興味深い所だ。
あしやどうまんがメフィストフェレスとはよく言ったものだ。悪い人に見えるし悪いけどそれを光源氏は使いこなすのだもの。
歴史好きにもってこいだの! -
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楽~な気分で取りかかれ、読み終わることができました。
一応源氏物語を土台にして、夢枕さんらしくもののけというか、霊というかをはめていておもしろかったです。
また、続、書いてほしいです。
源氏物語の、霊とかもののけからのとらえ方っていいですよね。
源氏物語って、
恋愛物語と思うと、気も滅入るしなんとなくもういいかなぁって感じです。
光源氏勝手すぎるから。 -
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森美夏の表紙イラストに惹かれて購入したのですが、暫く寝かせてあります。
夏に丁度良い話だから(根拠ナシ)、そろそろ読もうかな。。。森美夏の表紙イラストに惹かれて購入したのですが、暫く寝かせてあります。
夏に丁度良い話だから(根拠ナシ)、そろそろ読もうかな。。。2012/08/06
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源氏物語は読んだことない。精々古典の授業でやったところしか知らない。でもそれで十分だった。
まさかギリシャ神話まで出てくるとは。神の成り立ちの話はややこしいのでちょっとぼんやり。
光の君が魅力的に感じた。 -
鬼、妖怪が見える光源氏と「陰陽師」にもでてくる蘆屋道満とが葵の上の憑き物の謎に挑む話。仏教を信仰した聖徳太子、聖徳太子を支援した秦河勝と太秦寺、景教(キリスト教)やダビデ(古代イスラエルの王)まで絡めて、作者自身が傑作と言った作品。獏さんらしい雰囲気があり、面白い。
「源氏物語」の作者紫式部は10世紀末から11世紀初頭の人、この物語の序章にでてくるので源融は9世紀後半の人(光源氏のモデルともいわれているが)、陰陽師 阿部晴明は10世紀中頃の人なので、この物語は10世紀中頃の設定と思う。 -
作者が「傑作である」と言っている。読者である私もそう思う。
まあ、シリーズにはならないと思うが、この作者、いつものようにキャラクターの設定がとてもうまいなあ。今回は陰陽師が絡んでの源氏物語ということだが、作者の「陰陽師」シリーズの主人公二人のキャラクターを分解して、再び組み上げたような登場人物。私は好感を持てました。
最後の大団円はいつもながらお見事!という感じです。
私も傑作だと思うので星5つ。 -
【谷崎源氏】、【与謝野源氏】、【円地源氏】、【瀬戸内源氏】……と、基本的に“作家名+源氏”てのは、現代語訳作品をさすのだけど、この獏先生の作品も“作家名+源氏”としていいとおもう。
『あさきゆめみし』も今や【大和源氏】って言われてるくらいだし。
で、本作品も現代語訳じゃなくて、『源氏』の登場人物と、有名な逸話をもとにして、獏さんが獏さん流にアレンジしたオリジナル小説。
この手法の『源氏』では、わたしはおセイさんの『私本・源氏』シリーズが最高だとおもっていたのだけど、この『翁』もそれに勝るとも劣らない物語になってた。
とはいえまぁ、獏さんなんで、ぶっちゃけ『陰陽師』のスピンオフ、といえなくも無い作風。
だって道満出てくるし、光の君の容貌も晴明のそれを現すときによく用いられる言葉を使ってるし、妖かしのものの書きかたは、まんま本家、だし。
口悪くツッコむなら
「晴明が光の君になっただけかよ!」
という。
でもきっと獏さんは、そんなツッコミがあるのも解ってて、この世界観をあえて持ってきたんだとおもう。
なにしろ『源氏物語』が書かれた時代に、まさしく本物の安倍晴明は生きていたのだから(小説ほど若くはなかっただろうけど)。
これ以上にマッチングする組み合わせもなかろうというもの。
事実、読んでても全然違和感無く読めたし。
しかしやはり、現代の作家さんが『源氏』の数多(あまた)ある帖の中から選び出すのは、六条御息所のエピソードなんだなあ。
だからこそ、の道満登場、でもあるのだけれど。
とりあえずあとがきで、獏さんご本人が
「傑作ですぜ」
と言い切っているのもうなずける本作。
(これを書くために『あさきゆめみし』を読まれたという話は愉快)
ほんと、傑作ですよ。 -
なるほど~、夢枕獏が源氏物語を描くとこうなるのね。
源氏物語を“物の怪”を中心に読み解くという人は国文学者の中にもいるんだけど、そこに蘆屋道満を絡めてくる辺りが夢枕流かな?
蘆屋道満のキャラ設定は『陰陽師』シリーズと共通っぽい。
で、『陰陽師』の晴明の役どころも道満が果たしている感じ。
真相がわかっているんだかいないんだか、煙に巻くところまで晴明そっくり。
ミノタウロスやゴルディアスの結び目まで引っ張り出したワールドワイドな展開はやっぱり夢枕獏です。
とりあえず、飽きる間もなく一気読みさせてくれました。 -
《それは、楽しみでござります……》(p.82)
〔Ⅰ〕この作品の光の君は茫洋としてしかし非情なところもある大物でただの女好きではない。
〔Ⅱ〕葵の上に憑いた六条御息所の生き霊を蘆屋道満が祓おうとするがその背後にさらに何かがおりその正体を当てなければ出ていってくれそうにないので光の君、道満コンビが探索を始める。
〔Ⅲ〕光の君のキャラクタは楽しかった。この話の後にも性格が変わっていなかったら続編あってもいいかも。今度は安倍晴明と共演させたりして。蘆屋道満は『陰陽師』での方が印象が強かった。案内役という役割を振られたからやろうか。
■簡単な単語集
【葵の上】光の君の妻。四歳年上。十二歳のとき妻にした。なにかに憑かれている。
【蘆屋道満】法師陰陽師。秦氏の血を引いており秦道満と呼ばれることもある。葵の上に憑いたものを祓うため光の君に雇われた。《人の不幸が好きでな。わしは、人の心を啖うて生きておる。》p.62
【景教/けいきょう】キリスト教ネストリウス派のことだそうだ。
【源氏物語】僕も完読(?)は『あさきゆめみし』でした。あと中村眞一郎さんの訳が集英社・コンパクトブックス一冊だけなのでそれで読みました。
【隠祝/こもりはふり】大酒の神に仕える神職の一つ。裏の仕事をするようだ。
【惟光】光の君の部下。
【太秦寺】今ではふつう広隆寺と呼ぶことが多い寺のことと思われる。蜂岡寺とも呼ぶ? 弥勒菩薩像が有名。
【天一神/なかがみ】百鬼夜行の中心にいた。
【頭中将】光の君の友人。葵の上の同腹の兄妹。
【夏焼太夫/なつやぎたゆう】軽業師。口上の五十男、虫麻呂、鼓の少女、青虫と組んでいる。
【忍海/にんかい】蜂岡寺の座主。
【光の君/ひかるのきみ】光源氏。菩薩眼(見えざるものを見ることのできる眼)と龍顔(天子の相)を持つ。茫洋として動じないタイプ。《それは、楽しみでござります……》(p.82)。六条御息所《あなたは、心より女を愛しいと想うたことなど、これまでにただの一度もないお方です》(p.93)。《人の道を、踏み外しそうで……》p.179
【御息所】六条御息所。光の君の恋人の一人。斎宮の母。斎王代禊の儀で葵の上の車に酷い目にあわされた。有名な生き霊。
【夕顔】光の君のせいでこの世ならざる何かに遭遇させられ死んだ経験あり。 -
有名な?『陰陽師』に手を出そうかどうしよーか…と思いつつ、今まで読んでなかった、夢枕作品。
この作品は、源氏物語なんだけど夢枕さんワールドですね。
ここで終わらずに、源氏物語全部を夢枕サン解釈で書いてほしいなー思ったりします。
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