秘帖・源氏物語 翁‐OKINA (角川文庫 ゆ 3-10)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.50
  • (28)
  • (84)
  • (93)
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  • (4)
本棚登録 : 656
感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001905

作品紹介・あらすじ

美貌の貴公子・光の君の妻である葵の上に、妖しいものが取り憑く。六条御息所の生霊かと思われたが、どうやらそれだけではないらしい。並の陰陽師では歯がたたず、光の君はついに、外法の陰陽師・蘆屋道満に調伏を依頼するが-。「獣の首をした王が、黄金の盃で黄金の酒を飲みながら哭いている-これ、なーんだ?」葵の上に憑いたものが出したこの謎々は、一体何を意味しているのか。いまだかつてない源氏物語が、幕をあける。

感想・レビュー・書評

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  • 源氏物語をモチーフにした伝奇小説。光源氏の妻、葵の上にとりついたもののけを祓うため、光源氏と道満法師が謎解きに挑む。

    軽いエンターテインメント物で一気に読めた。

  • 光の君と道満が葵の上に憑いたモノの正体を探すために共に行動します。美しく聡明で夢見ているかのような眼差しを持ち心を刺激する怖さも纏う(なんて男!)光の君。わたしは断言しますよ。こんな男を相手に出来る女は、現の世にはいないってね。たとえ妻だろうと愛していると言われても素直に信じられなくて心の中は不安でいっぱいになるでしょうね。生き霊となってしまった御息所には、心より女を愛しいと思ったことはないでしょう…ってことを言われてしまいます。道満も世のためにも早う死ねとつい言ってしまいました。道満謝ってましたが(笑)展開は陰陽師でお馴染み天一神が出てきたり異国の神が出てきたり、ぶわぁっとお話か広がっていきます。光の君をはじめ御息所、葵の上の印象がガラッと変わり、ああ夢枕ワールドに誘われ迷い込んじゃったなって、読み終えていちばんはじめに思いました。面白かったです。

  • ★3.5
    光源氏と蘆屋道満が一緒に謎解き。その答えはわたし的にはアレ?感があったが、続きが気になって引き込まれるタイプのお話である。

  • 光源氏の話とは知らずに読みはじめ、途中で気づいた。ミステリー調で話が進み、最後までどうなるんだろうと気になってしまう本だった。壮大な神話の話がメインでもうちょっと知識がついた時に読み直すと深みが増しそうだなと思った。

  • 源氏と蘆屋道満が、葵の上に憑いた物の怪を払うために、さまざまに調べるうちに、神や仏の歴史へと足を踏み入れていく。


    最近陰陽師と源氏物語のコラボが流行なんだろうか。
    映画は安倍清明だけど。同じく御息所が肝だし。
    夢枕獏は安倍清明でシリーズあるから、道満なのかね・・・。

    それにしても光源氏の描写があまりにも清明だった。
    陰陽師でない安倍清明って感じ。
    他人にも自分にも全く興味も執着もないし。
    源氏はすべてを愛してしまうところが唯一のいいところだと私は思っているので、こういう解釈も斬新。

    古代神の歴史ものとしてはおもしろかった。
    シリーズ化しそう。

  • すげー!!
    夢枕獏が書くとこうなるのか!!面白ーい!太秦寺があんなことに、、、!まさか!
    京都はやっぱり興味深い所だ。
    あしやどうまんがメフィストフェレスとはよく言ったものだ。悪い人に見えるし悪いけどそれを光源氏は使いこなすのだもの。
    歴史好きにもってこいだの!

  • 楽~な気分で取りかかれ、読み終わることができました。

    一応源氏物語を土台にして、夢枕さんらしくもののけというか、霊というかをはめていておもしろかったです。
    また、続、書いてほしいです。
    源氏物語の、霊とかもののけからのとらえ方っていいですよね。
    源氏物語って、
    恋愛物語と思うと、気も滅入るしなんとなくもういいかなぁって感じです。
    光源氏勝手すぎるから。

  • 夢枕獏 著「秘帖・源氏物語 翁」を読みました。

     光源氏の妻、葵の上に怪しいものがとり憑く。彼女を救うため、光の君は外法の陰陽師・蘆屋道満に調伏を依頼するが、謎は深まるばかりだった。

     陰陽師「源氏物語」版といった感じでした。

     今回は安倍晴明は全く出番がなく、代わりに光源氏とあの蘆屋道満がコンビを組んで、謎を解き明かしていく展開で、陰陽師同様楽しく読ませてもらいました。

     恥ずかしながら、源氏物語のさわりしか知らない自分でも源氏物語の世界を少し味わえた感じがしました。

     謎が解明する件では、世界の神話まで登場し、この物語のダイナミックな展開に驚かされました。

     もう少し、神話の勉強をしていればもっと楽しめたのかもしれないとも思いました。

     人の愛憎は現代より平安時代の方がやはり深かったのでしょうか。

  • 面白かったです。
    平安という時代設定にまさかキリスト教うんぬんをからめてくるとは。
    言葉や仏像や歴史からなぞ解きをするところは、ダヴィンチコードみたいでした。

    「獣の首をした王」というのはサタンのことかと思ったのですが・・。
    そこまで散々キリスト教におわせといて、最終的には自業自得か、という感想もなくはない。

    光源氏が自分が原因であったと気付いた時に、胎児に本来見えないはずのものが見えてしまう能力を宿らせてしまってすまん、みたいに謝ってるけど、そのあとの六条御息所との話では胎児が母の苦しみを肩代わりしていた、みたいなことになっていてあれ?という感じ。
    葵の上が光源氏を苦しませようとしたのは、御息所も同じだけど光源氏が女性をとっかえひっかえする上に、女性の中に母親を見て、自分そのものを見てくれないから(わたしの解釈です)で、そこが一番の原因じゃないの?と。
    その原因をさらにつきつめると、母親がいなかった寂しさから、女性に母性を求めてしまうんだろうなと思うし、それはしょうがないことかもしれないけど、母親がいなくてもそうはならない人もいるのだから、光源氏が母の死をきちんと受け入れられてないのが原因かなあと思います。
    そういう意味で自業自得。

    あとどうしてもイメージが晴明とかぶってしまいます。
    そういう話にしたかったのだろうとは思いますが・・。
    太秦寺で仏陀が出てくるからそこでまとめるというか、仏陀とからめたほうが最後のオチと結び付く気が・・・。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      森美夏の表紙イラストに惹かれて購入したのですが、暫く寝かせてあります。
      夏に丁度良い話だから(根拠ナシ)、そろそろ読もうかな。。。
      森美夏の表紙イラストに惹かれて購入したのですが、暫く寝かせてあります。
      夏に丁度良い話だから(根拠ナシ)、そろそろ読もうかな。。。
      2012/08/06
  • 夢枕獏といえども、ネットで小説を書いたりすると、でんでんおもしろく無い!ということの証明になっている作品です。

    源氏物語らしいが、なにしろ、あの蘆屋道満が出てくるのだ。
    そしてあちこちに陰陽師の雰囲気がいっぱいたくさんぶー。

    ああ、駄作。
    でも作者はあとがきで「すみませんが傑作です」とのたもうておる。

    ああ、すみませんぢゃ済みませんよぉぁぁ!

    すまんこってす。すこすこ。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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