秘帖・源氏物語 翁‐OKINA (角川文庫)

著者 :
制作 : 森 美夏 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.49
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本棚登録 : 580
レビュー : 94
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001905

感想・レビュー・書評

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  • 楽~な気分で取りかかれ、読み終わることができました。

    一応源氏物語を土台にして、夢枕さんらしくもののけというか、霊というかをはめていておもしろかったです。
    また、続、書いてほしいです。
    源氏物語の、霊とかもののけからのとらえ方っていいですよね。
    源氏物語って、
    恋愛物語と思うと、気も滅入るしなんとなくもういいかなぁって感じです。
    光源氏勝手すぎるから。

  • 夢枕獏 著「秘帖・源氏物語 翁」を読みました。

     光源氏の妻、葵の上に怪しいものがとり憑く。彼女を救うため、光の君は外法の陰陽師・蘆屋道満に調伏を依頼するが、謎は深まるばかりだった。

     陰陽師「源氏物語」版といった感じでした。

     今回は安倍晴明は全く出番がなく、代わりに光源氏とあの蘆屋道満がコンビを組んで、謎を解き明かしていく展開で、陰陽師同様楽しく読ませてもらいました。

     恥ずかしながら、源氏物語のさわりしか知らない自分でも源氏物語の世界を少し味わえた感じがしました。

     謎が解明する件では、世界の神話まで登場し、この物語のダイナミックな展開に驚かされました。

     もう少し、神話の勉強をしていればもっと楽しめたのかもしれないとも思いました。

     人の愛憎は現代より平安時代の方がやはり深かったのでしょうか。

  • 面白かったです。
    平安という時代設定にまさかキリスト教うんぬんをからめてくるとは。
    言葉や仏像や歴史からなぞ解きをするところは、ダヴィンチコードみたいでした。

    「獣の首をした王」というのはサタンのことかと思ったのですが・・。
    そこまで散々キリスト教におわせといて、最終的には自業自得か、という感想もなくはない。

    光源氏が自分が原因であったと気付いた時に、胎児に本来見えないはずのものが見えてしまう能力を宿らせてしまってすまん、みたいに謝ってるけど、そのあとの六条御息所との話では胎児が母の苦しみを肩代わりしていた、みたいなことになっていてあれ?という感じ。
    葵の上が光源氏を苦しませようとしたのは、御息所も同じだけど光源氏が女性をとっかえひっかえする上に、女性の中に母親を見て、自分そのものを見てくれないから(わたしの解釈です)で、そこが一番の原因じゃないの?と。
    その原因をさらにつきつめると、母親がいなかった寂しさから、女性に母性を求めてしまうんだろうなと思うし、それはしょうがないことかもしれないけど、母親がいなくてもそうはならない人もいるのだから、光源氏が母の死をきちんと受け入れられてないのが原因かなあと思います。
    そういう意味で自業自得。

    あとどうしてもイメージが晴明とかぶってしまいます。
    そういう話にしたかったのだろうとは思いますが・・。
    太秦寺で仏陀が出てくるからそこでまとめるというか、仏陀とからめたほうが最後のオチと結び付く気が・・・。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      森美夏の表紙イラストに惹かれて購入したのですが、暫く寝かせてあります。
      夏に丁度良い話だから(根拠ナシ)、そろそろ読もうかな。。。
      森美夏の表紙イラストに惹かれて購入したのですが、暫く寝かせてあります。
      夏に丁度良い話だから(根拠ナシ)、そろそろ読もうかな。。。
      2012/08/06
  • 鬼、妖怪が見える光源氏と「陰陽師」にもでてくる蘆屋道満とが葵の上の憑き物の謎に挑む話。仏教を信仰した聖徳太子、聖徳太子を支援した秦河勝と太秦寺、景教(キリスト教)やダビデ(古代イスラエルの王)まで絡めて、作者自身が傑作と言った作品。獏さんらしい雰囲気があり、面白い。
     「源氏物語」の作者紫式部は10世紀末から11世紀初頭の人、この物語の序章にでてくるので源融は9世紀後半の人(光源氏のモデルともいわれているが)、陰陽師 阿部晴明は10世紀中頃の人なので、この物語は10世紀中頃の設定と思う。

  • 【谷崎源氏】、【与謝野源氏】、【円地源氏】、【瀬戸内源氏】……と、基本的に“作家名+源氏”てのは、現代語訳作品をさすのだけど、この獏先生の作品も“作家名+源氏”としていいとおもう。
    『あさきゆめみし』も今や【大和源氏】って言われてるくらいだし。
    で、本作品も現代語訳じゃなくて、『源氏』の登場人物と、有名な逸話をもとにして、獏さんが獏さん流にアレンジしたオリジナル小説。

    この手法の『源氏』では、わたしはおセイさんの『私本・源氏』シリーズが最高だとおもっていたのだけど、この『翁』もそれに勝るとも劣らない物語になってた。
    とはいえまぁ、獏さんなんで、ぶっちゃけ『陰陽師』のスピンオフ、といえなくも無い作風。
    だって道満出てくるし、光の君の容貌も晴明のそれを現すときによく用いられる言葉を使ってるし、妖かしのものの書きかたは、まんま本家、だし。
    口悪くツッコむなら
    「晴明が光の君になっただけかよ!」
    という。
    でもきっと獏さんは、そんなツッコミがあるのも解ってて、この世界観をあえて持ってきたんだとおもう。
    なにしろ『源氏物語』が書かれた時代に、まさしく本物の安倍晴明は生きていたのだから(小説ほど若くはなかっただろうけど)。
    これ以上にマッチングする組み合わせもなかろうというもの。
    事実、読んでても全然違和感無く読めたし。

    しかしやはり、現代の作家さんが『源氏』の数多(あまた)ある帖の中から選び出すのは、六条御息所のエピソードなんだなあ。
    だからこそ、の道満登場、でもあるのだけれど。

    とりあえずあとがきで、獏さんご本人が
    「傑作ですぜ」
    と言い切っているのもうなずける本作。
    (これを書くために『あさきゆめみし』を読まれたという話は愉快)
    ほんと、傑作ですよ。

  • なるほど~、夢枕獏が源氏物語を描くとこうなるのね。

    源氏物語を“物の怪”を中心に読み解くという人は国文学者の中にもいるんだけど、そこに蘆屋道満を絡めてくる辺りが夢枕流かな?

    蘆屋道満のキャラ設定は『陰陽師』シリーズと共通っぽい。
    で、『陰陽師』の晴明の役どころも道満が果たしている感じ。
    真相がわかっているんだかいないんだか、煙に巻くところまで晴明そっくり。

    ミノタウロスやゴルディアスの結び目まで引っ張り出したワールドワイドな展開はやっぱり夢枕獏です。
    とりあえず、飽きる間もなく一気読みさせてくれました。

  • 光源氏の話とは知らずに読みはじめ、途中で気づいた。ミステリー調で話が進み、最後までどうなるんだろうと気になってしまう本だった。壮大な神話の話がメインでもうちょっと知識がついた時に読み直すと深みが増しそうだなと思った。

  •  詩人のしるす文章は、形容のための形容が前へ出て、およそ おおよそ読みにくい。
     夢枕獏の綴り方は、私にとって「詩人のしるす読みやすい文章」だ。
     本書は『陰陽師』シリーズの外伝のような味わいで、一気に読めた。
     夢枕版の光源氏は、好色とは別のリビドーで動いているようだ。
     

  • 夢枕獏作品は初めて読んだ。
    今まで、こういった時代ものの妖怪ものを読んだことは少ないが、面白かった。割りとサクサクと読み進められる。

    キャラクターがそれぞれ個性的で魅力的で、光源氏の特別感をこのような個性に描いてあるのが面白く良かった。

  • 陰陽師だと思って読んでいたので、安倍晴明が出てくるのを
    最後まで待ってました(^◇^;)
    物語の舞台は嫉妬に狂った六条御息所が生霊となって
    妊娠中の葵の上を苦しめるというあたりですね。
    色々を策を講じるも効果なし。そこで光の君が頼ったのが、蘆屋道満。
    葵の上の中に、六条御息所以外の何かがいる。
    道満と共に、その何かの正体を見極めるために動きだすが、
    異国の宗教もを絡めて予想外の方向にシフトするのが面白かった。
    やっぱり獏ちゃんが描くと嫌いな光源氏もステキに見えます。

著者プロフィール

1951年、小田原生まれ。「上弦の月を喰べる獅子」で第10回日本SF大賞を受賞、「神々の山嶺」で第11回柴田練三郎賞を受賞。平成11年4月朝日新聞に「陰陽師(おんみょうじ)」を連載、陰陽道ブームの火付け役となる。著書に「魔獣狩り」シリーズ、「闇狩り師」シリーズなど。

「2019年 『キマイラ20 曼陀羅変』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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