紳士の黙約 (角川文庫)

  • 角川書店 (2012年9月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784041002520

作品紹介・あらすじ

サーファー探偵、ブーン・ダニエルズは、起業家サーファーが集う”ジェントルメンズ・アワー”に、浮気調査依頼を受ける。同じころ、地元の人気サーファーが殺された。事件の陰に隠された巨悪が。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

サーフィンを舞台にした男の友情とミステリーが織り交ぜられた物語は、主人公ブーン・ダニエルズの成長と葛藤を描き出します。彼の心の欠けた部分が、波のない夏の海と重なり、仲間たちとの不安な関係が物語に深みを...

感想・レビュー・書評

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  • 小気味良いテンポであっという間に読んでしまった。

    サンディエゴ「ドーン・パトロール」第二弾
    主人公ブーンはチームの一員で元恋人サニー・デイがプロサーファーとして去ったあと、ペトラとの関係をグズグズとしていた。そんな時、伝説のサーファーK2が殺された……。

    舞台は、ブーンの“欠けた心”と同じ「波の無い、暑い夏の海」。
    海の上の仲間たちとも先行きに不安が芽生え、「夏の終わり」の予感が漂う。

    更に『犬の力』で描かれたような麻薬カルテル抗争も絡んで、ミステリーもヒートアップ。

    やっぱり“お気に入り”ドン・ウィンズロウ、さすがです。

  • サーファー探偵ブーン・ダニエルズ・シリーズの第二弾。

    おおっ。何と、ケリー・クーヒオ、通称K2はジェリー・ロペスがモデルではないか!Gランドにトゥー・イン・サーフ、『ステップ・イン・トゥ・ザ・リキッド』の世界じゃないか!と、波乗り好きにはたまらない大興奮の滑り出し。おおっ。おおっ。相変わらず、ドン・ウィンズロウの描くサーフカルチャーは何と正確なこと。サーフィン誌で連載しても良いくらい。ローカリズムの描写も凄く正確で恐いくらい。日本でも宮城辺りは酷い状況。

    そのK2が殺害されたことが、物語の始まり…

    そして、格闘技の記述も。それにしても詳しいこと。夢枕獏並みではないか。前田光世からグレイシー、UFCについても。波乗り好きだけじゃなく、格闘技ファンをも唸らせるな。

    探偵が主人公ということで、ミステリーの要素、ハードボイルド…いや、ソフトボイルドというべきか…の要素も盛り込まれている。

    全編に渡って感じるのは、ウィンズロウがサーフィンを愛してやまない気持ちだ。ジェリー・ロペスがモデルのK2へのブーンの気持ち…ジェリー・ロペスの有名な言葉に『Flow is it ! ~成すがままに~』というのがあるが、ブーンの生き方は、まさにそのものである。

    前作の『夜明けのパトロール』でも、サーフカルチャーの正確な描写に舌を巻いたが、今回の作品は、前作にも増して、サーフカルチャーがディープに描かれている。このシリーズ、続いて欲しいな。

  • サーフィンを通じた男の友情 いつまで続くのでしょうか? 最初には思いもかけなかった大どんでん返しが… 前半は読み難かったですが、どんどんと面白くなっていくところが、この作家の凄さかも… ミ(`w´彡)

  • 「サーフィンとは生き方のことだ」と言ったのは誰だったか忘れたけれど、昔、多少なりともサーフィンをかじった者としては大いに共感できる言葉です。

    このシリーズでは生き方としてのサーフィンが自然体で描かれていて、それが特徴になっていますし、個人的に支持するポイントです。

    ミステリの部分も小さな点がやがて大きな輪になるような印象で、その過程は充分堪能できます。

    このシリーズはとりあえず2作でストップしているようで残念です。ウィンズロウは麻薬戦争物よりこちらのタイプの方が好きです。

  • サーフィンする探偵(「サーファー探偵」とか言いそうだけどそれはなんか軽すぎる)の第二作。これこそ、わたしにとっての「コージーミステリ」かも、と思いながら読んだ。
    西海岸のすばらしいサーフポイントで夜明けにサーフィンして、愉快で楽しい信頼できる仲間がいて、いかにもアメリカンなダイナーでの食事、ときには仲間と釣った魚を焼いて食べるとか。主人公は一見お気楽のようで正義感あふれる好青年で、超カッコイイ。もちろんロマンスもあって。
    ま、ウィンズロウなので拷問とか恐ろしいシーンもあるけれど。
    (わたしにとって)コージーかも、とはいっても、ただ楽しそうとかおいしそうとかほのぼのとかいうんじゃないところがいい。光と影を感じるような。
    あと、やっぱり語り口がすごく好き。ユーモアとセンスがあって、ぴりっと締まってる感じの。個性的な人が出てきてもわざとらしくないし、ロマンスとかが鼻につかないのもこの語り口のせいかも。
    ぜひぜひ続きか読みたい。一作目も読み返したくなった。

    • niwatokoさん
      >日常生活を描写しつつ、狭いコミュニティで事件が起きるってのはコージーっぽい

      ああ、そうです、まさにそういうことを言いたかったんです~。さ...
      >日常生活を描写しつつ、狭いコミュニティで事件が起きるってのはコージーっぽい

      ああ、そうです、まさにそういうことを言いたかったんです~。さすがkumanekoさん。
      もうペトラみたいにこのドーンパトロールの仲間に入れてほしいです。ノット・サニーでもいいいか。
      でも続きが気になりますね。
      2012/10/09
    • monaさん
      ご無沙汰しています。私もこのシリーズが大好きで、私も彼らの仲間に入りたくてたまりません。
      読んでいる間だけでもとっても幸せな気分に浸れます。...
      ご無沙汰しています。私もこのシリーズが大好きで、私も彼らの仲間に入りたくてたまりません。
      読んでいる間だけでもとっても幸せな気分に浸れます。ウィンズロウってホントに最高です♪
      (実は体調が悪くてなかなか本が進まず、この第二弾もすこーしずつしか読めていません。
      元気になってから大事に大事に楽しみたいって思っています!)
      それでは少し早いですがよいお年を。。。また来年もniwatokoさんの感想を楽しみにしています。
      2012/12/24
    • niwatokoさん
      >monaさん
      コメントありがとうございます。
      ミステリなんだけれど、読んでて楽しいんですよね~。ほんと、こんな仲間がいたらいいなあと。
      お...
      >monaさん
      コメントありがとうございます。
      ミステリなんだけれど、読んでて楽しいんですよね~。ほんと、こんな仲間がいたらいいなあと。
      お体、無理なさらずにお大事になさってください。こちらこそこれからもよろしくお願いします。
      2012/12/24
  • 面白かった。
    このシリーズ(ブーン・ダニエルズ)続いて欲しい。
    真犯人は途中から分かったが・・

  • この手が売れるのはよくわかる。
    こんな青春だったらいいなというツボをついてくるのだ。

    それでもやっぱり売れ筋になってからのウィンズロウが嫌いなのは、いつまでもガキだから。
    成熟した人間たちのドロドロが読みたい。

  • サーファー探偵が活躍する「ドーン・パトロール」シリーズ第2弾…この紹介の仕方だと、絶対誤解される。特に日本におけるサーファーってエゲつない誤解のされ方してるからなぁ。

    クライミングもサーフィンも…いやそれだけでなく、ある種の趣味や趣向って、ライフスタイルそのものに結実していく深みを持っているんだけど、安手の媒体が下手に触るととんでもなく浅薄なものに成り下がってしまう…と、そんなことはさておき、この作品である。

    前作がミステリーの器を借りた、友情とスキルアップの選択を巡るちょっと遅れた青洲人間ドラマであったのに対し、本作は「自分の信ずることのためには友情を犠牲にできるか」という、かなりディープなテーマを描きつつ、なんとミステリー自体も本格的にガッツりとしたものを取りあげている。

    さすがウィンズロウ、小説巧者!
    「犬の力」とかのエルロイ系アンダウラウンドでも、ダークかつヴァイオレンスかつ本格ミステリーだが、サーフィンでもそれできるんや!スゲッ!

    早く続編読みたい。波という自然のモノに自分をすり合わせていくサーファー達のライフスタイルって、好きやねんなぁ。自分にはとても遠い世界だと思っていたが、早起きして波を待つ。とか、波が来ない日は来ない日として次を待つ。とか、そういう姿勢って俺たちで言う「山は逃げない」の類なんやなぁ。

  • 元警察官でサーフィンが日課の探偵、ドーン・パトロール・シリーズ第2弾。
    ユーモアがちりばめられていますが、今回は重たい。

    サーフィンでつながっている大切な海の仲間は職業もバラバラだけど地元を愛する人々であることは間違いない。伝説的なサーファーがロクでも無いチンピラに殺されてしまい、その弁護士から調査を調査を依頼されることに。その弁護士は主人公ブーンの恋人?であり、サーファーとしてのブーンは当然板挟みの窮地にたたされる・・・

    ロクでも無いチンピラが冤罪で、それを晴らすことを誰も望んでいないし友人を窮地に立たせてしまうことになるとしたら・・・日常的にもこういう捩れた状況あるはず。自分はどのような行動にでるのだろう。う〜ん、苦しいな。

  • ブーン・パトロールシリーズの第二弾。今回も展開のテンポがよく、また後半からラストへ向けての迫力で楽しむことができた。また、なかなかどんでん返しのある意外な展開になっており、ミステリーとしても質の高さも感じられた。

  • 主人公の寄って立つところが揺らぎ、辛い立場に追い込まれる話にモヤモヤしてしまい、読みづらかったですが、後半の展開は予想がつかないのが次々に来て、解決したかと思いきや、最後の最後まで油断の出来ないのが、面白かったです。

  • 元警官の探偵ブーン・ダニエルズとサーファー仲間たちドーン・パトロールの二作目。独特の軽妙な文体で、これぞウインズロウ!とニヤニヤしながらドンドン読む。お話はブーンとペトラの微妙な関係と、地元の名士の妻の浮気調査、それにサーフィン界の宝だったK2の死、さらに麻薬シンジケート間の抗争も絡まりながら複雑に進みます。サーファーたちのマナーだったり、行き過ぎた地元意識ナワバリ意識から起きるヨソモノ新顔サーファーとのこぜり合い、K2の活動で希望を見出したマィノリテイの若者と裕副な白人のバ力息子らのエピソ-ドは現実味があるだけ読んでいてやるせない気持ちになりました。K2を殺して起訴された放蕩息子の弁護人の手伝いを引き受けたことで信頼関係がぎくしゃくし、迷いながらも仲間から孤立してゆくブーン。それでもK2が生きていたらどうしただろう?と自分に問いかけ、我が道をゆきます。チアフル爺さんが良かった。満足して読了するも、ボウディンがどうなったのか(どうもならなかったのか)が気になる。司法取引は日本にないしそのへんのことが良くわからない。「犬のカ」とか「野蛮なやつら」は読もうかどうか相変わらず躊躇している。

    • ことぶきジローさん
      『犬の力』も『野蛮な奴ら』も、なかなかです。是非に。
      『犬の力』も『野蛮な奴ら』も、なかなかです。是非に。
      2012/10/13
    • akatenkobanさん
      ことぶきジローさん
      ニール・ケアリーものが好きで追いかけているので、、、フランキー・マシーンは楽しみながら読んだのですけれど、<このミス>作...
      ことぶきジローさん
      ニール・ケアリーものが好きで追いかけているので、、、フランキー・マシーンは楽しみながら読んだのですけれど、<このミス>作品とどうにも相性が悪いこともあって悩み中です。
      2012/10/14
  • ドン・ウィンズロウにはまり、ストリート・キッズから、一気読み?を始めて13作目。ドーンパトロールシリーズは本当に良いキャラクターが揃っている。ウィンズロウには、心替りしてもらって、このシリーズやニールケアリーシリーズを続けてほしい。それにしても、こんな面白い本達が、中古しか手に入らないのは何故?kindleでは、売れてるのかな?

  • サーファーにして探偵のブーン・ダニエルズが主人公の物語第二弾。
    一見関係なさそうな二つの殺人事件の真相を追うブーン。次第に険悪になる友情。果たしてブーンはどうするのか。
    事件の真相を知るまでの過程もスリリングで興味深いんだけど、それ以上にブーンの生き様というか、矜持みたいなものにより関心が向いてしまう。
    ニール・ケアリーよりちょっと大人の、魅力的なサーファーだ。

  • CL 2021.3.22-2021.3.25

  • 場面転換は多いが、時間軸は単一なので読みやすい。

  • 期待に違わぬ面白さ。大満足でした。

  • ドン・ウィンズロウのサーフパトロール第2弾。
    ブーンと仲間たちが主人公と言っても、そこらの紹介は前作で終わってることもあり、この作品は事件に巻き込まれていく私立探偵物として王道の作品となっている。
    土地売買にかかわるメキシコギャングのお金が最終的な答えになるが、そこに至るまでの事件が丁寧に描かれていて、最後まで十分に楽しめるプロットになっている。
    あとはこのサーフィンカルチャー満載の背景が楽しめるかによる。サスペンスやミステリーはどこか暗いトーンの作品が多いが、この作品はコメディに近いレベルのユーモラスで明るいキャラが多い。どこか浮草のように漂う享楽的キャラはアメリカン人の憧れか?
    そこが他のハードボイルドと違うが。とりあえずは楽しめた。

  •  サーフィンとミステリは同居できるのか? あるいはサーフィンとハードボイルド・シリーズは? サーフィンには、恋愛や青春やヒューマン、うん、それなら同居できるだろう。でも殺人、殺し屋、マフィアなどなどは、同居できるのか? サーフィンに? それらのすべての質問に、Yes! と答えて、その内容の詳細説明書を突きつけて回答してくれたのが、本書、と言えるのだろうか。

     『夜明けのパトロール』は、ブーン・ダニエルズ・シリーズの第一作。もしかしたら、このシリーズ第一作が、私立探偵とサーフィンを同居させてみせた一度だけの奇跡だったのかもしれないのに、同じ場所、同じ主人公とその仲間たちで、次なる殺人事件、ばかりか、作中でさらに築かれる死体の山、と言ったら大袈裟かもしれないが、最終的にはそう言っても帳尻が合うくらいの、いくつかのバイオレンスを、サーフィンのフィールドである海や街に持ち込んでしまったのが、何とこの第二作。

     奇跡は二度ある。三度目があるのかどうかは、今のところ不明。

     さてサーフィンとノワールが、どのくらい関わるかと言って、まるでサーフィンというスポーツ、あるいはサーフボードがいくつも浮かぶ、眼の前の海、カリフォルニア州サンディエゴ市パシフィック・ビーチが、本作の主人公であるくらいに、それはそれは大きく関わる。

     何しろ犠牲者は、サーフィンの英雄だ。人間的にも尊敬され、ブーンでさえ敬愛するケリー・クーヒオ、通称K2が、チンピラに殴られ死んだ。いわば、伝説の死。チンピラは自白し、既に牢屋に。しかし真相がそれでは、はなから事件にならない。加害者の弁護士に雇われたブーンは、本当には何があったのかを突き止めようと、K2のため、自分の鼻を信じ、捜査を開始するのだった。

     ブーンの仲間については、一作目でも明らかにされるのだが、二作目でも、しっかりとメンバー紹介のあるドーン・パトロール(文字通り『夜明けのパトロール』)と言われる面々である。ドーン・パトロールは職業ではなく、朝一番に海で顔を合わせるうちにいつか親しくなっていったサーファー仲間たちの集まりである。言ってみれば異業種交流会みたいなもの。その中にはビーチ監視員もいれば、なんと刑事もいる。今回の事件では犯人を挙げた刑事と、その犯人を疑う元刑事ブーンとは対立する。

     依頼人である弁護士事務所のパートナーであるペトラとの恋愛模様も、中途半端ながら織り混ぜつつ、ブーンは私立探偵から足を洗い、ロースクールを目指すことを誘われる。ブーンは人生を迷う。これまでと違った人生。そんな様々な意味においても、ドーン・パトロールは解体の危機に晒される。

     孤独に苛まれるが、それでも真実の追求を信じてやまないブーンの周囲に、次第に吹き荒れる暴力や殺意。事件が進むにつれ、ややこしくなり誤解し合う人間関係。非情な殺し屋の影が迫り、地元マフィアの脅迫者が顔を出し始める。ゆったり進んでいた物語は、殺し屋の到着とともに加速し始め、そして……クロスファイア!

     事件もさながら、ドーン・パトロールがどうなるかといった読みどころも、本書のサブ・ストーリーであり、それらのクライマックスはこれ以上ない形でしっかり用意されている。

     そして最後に、すべては伝説となる。海がそれらを包容する。きらめく光と、季節と、地球の自転の中で。

     そう、やっぱりこのシリーズは、海が主役だったのだ。

  • 自分は、サーフィンもやらなければ、
    カリフォルニアにも行った事はない、
    けれどもその世界の話が実にしっくり入ってくる。
    作者+訳者のみごとな筆力。
    このシリーズは今の所2作だけのようだが、
    またドーンパトロールに会いたい。

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著者プロフィール

ニューヨークをはじめとする全米各地やロンドンで私立探偵として働き、法律事務所や保険会社のコンサルタントとして15年以上の経験を持つ。

「2016年 『ザ・カルテル 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ドン・ウィンズロウの作品

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