紳士の黙約 (角川文庫)

制作 : 中山 宥 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年9月25日発売)
4.10
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  • Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041002520

作品紹介

サンディエゴの探偵にして地元屈指のサーファー、ブーン・ダニエルズは、"紳士の時間"を海で楽しむサーフィン仲間から、妻の浮気調査の依頼を受ける。同じころ、爽やかな人柄で愛されるサーファーのK2が、ダイナーで殴り殺された。人気者の死に街中が悲しむなか、加害者の弁護士に雇われたブーンは調査を開始、真相は別にあると直感。そして危険過ぎる事件の内実が、カリフォルニアの太陽の下に晒される時が訪れる-。

紳士の黙約 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • サーファー探偵ブーン・ダニエルズ・シリーズの第二弾。

    おおっ。何と、ケリー・クーヒオ、通称K2はジェリー・ロペスがモデルではないか!Gランドにトゥー・イン・サーフ、『ステップ・イン・トゥ・ザ・リキッド』の世界じゃないか!と、波乗り好きにはたまらない大興奮の滑り出し。おおっ。おおっ。相変わらず、ドン・ウィンズロウの描くサーフカルチャーは何と正確なこと。サーフィン誌で連載しても良いくらい。ローカリズムの描写も凄く正確で恐いくらい。日本でも宮城辺りは酷い状況。

    そのK2が殺害されたことが、物語の始まり…

    そして、格闘技の記述も。それにしても詳しいこと。夢枕獏並みではないか。前田光世からグレイシー、UFCについても。波乗り好きだけじゃなく、格闘技ファンをも唸らせるな。

    探偵が主人公ということで、ミステリーの要素、ハードボイルド…いや、ソフトボイルドというべきか…の要素も盛り込まれている。

    全編に渡って感じるのは、ウィンズロウがサーフィンを愛してやまない気持ちだ。ジェリー・ロペスがモデルのK2へのブーンの気持ち…ジェリー・ロペスの有名な言葉に『Flow is it ! ~成すがままに~』というのがあるが、ブーンの生き方は、まさにそのものである。

    前作の『夜明けのパトロール』でも、サーフカルチャーの正確な描写に舌を巻いたが、今回の作品は、前作にも増して、サーフカルチャーがディープに描かれている。このシリーズ、続いて欲しいな。

  • サーフィンを通じた男の友情 いつまで続くのでしょうか? 最初には思いもかけなかった大どんでん返しが… 前半は読み難かったですが、どんどんと面白くなっていくところが、この作家の凄さかも… ミ(`w´彡)

  • 「サーフィンとは生き方のことだ」と言ったのは誰だったか忘れたけれど、昔、多少なりともサーフィンをかじった者としては大いに共感できる言葉です。

    このシリーズでは生き方としてのサーフィンが自然体で描かれていて、それが特徴になっていますし、個人的に支持するポイントです。

    ミステリの部分も小さな点がやがて大きな輪になるような印象で、その過程は充分堪能できます。

    このシリーズはとりあえず2作でストップしているようで残念です。ウィンズロウは麻薬戦争物よりこちらのタイプの方が好きです。

  • サーフィンする探偵(「サーファー探偵」とか言いそうだけどそれはなんか軽すぎる)の第二作。これこそ、わたしにとっての「コージーミステリ」かも、と思いながら読んだ。
    西海岸のすばらしいサーフポイントで夜明けにサーフィンして、愉快で楽しい信頼できる仲間がいて、いかにもアメリカンなダイナーでの食事、ときには仲間と釣った魚を焼いて食べるとか。主人公は一見お気楽のようで正義感あふれる好青年で、超カッコイイ。もちろんロマンスもあって。
    ま、ウィンズロウなので拷問とか恐ろしいシーンもあるけれど。
    (わたしにとって)コージーかも、とはいっても、ただ楽しそうとかおいしそうとかほのぼのとかいうんじゃないところがいい。光と影を感じるような。
    あと、やっぱり語り口がすごく好き。ユーモアとセンスがあって、ぴりっと締まってる感じの。個性的な人が出てきてもわざとらしくないし、ロマンスとかが鼻につかないのもこの語り口のせいかも。
    ぜひぜひ続きか読みたい。一作目も読み返したくなった。

  • 元警察官でサーフィンが日課の探偵、ドーン・パトロール・シリーズ第2弾。
    ユーモアがちりばめられていますが、今回は重たい。

    サーフィンでつながっている大切な海の仲間は職業もバラバラだけど地元を愛する人々であることは間違いない。伝説的なサーファーがロクでも無いチンピラに殺されてしまい、その弁護士から調査を調査を依頼されることに。その弁護士は主人公ブーンの恋人?であり、サーファーとしてのブーンは当然板挟みの窮地にたたされる・・・

    ロクでも無いチンピラが冤罪で、それを晴らすことを誰も望んでいないし友人を窮地に立たせてしまうことになるとしたら・・・日常的にもこういう捩れた状況あるはず。自分はどのような行動にでるのだろう。う〜ん、苦しいな。

  • ブーン・パトロールシリーズの第二弾。今回も展開のテンポがよく、また後半からラストへ向けての迫力で楽しむことができた。また、なかなかどんでん返しのある意外な展開になっており、ミステリーとしても質の高さも感じられた。

  • 主人公の寄って立つところが揺らぎ、辛い立場に追い込まれる話にモヤモヤしてしまい、読みづらかったですが、後半の展開は予想がつかないのが次々に来て、解決したかと思いきや、最後の最後まで油断の出来ないのが、面白かったです。

  • 元警官の探偵ブーン・ダニエルズとサーファー仲間たちドーン・パトロールの二作目。独特の軽妙な文体で、これぞウインズロウ!とニヤニヤしながらドンドン読む。お話はブーンとペトラの微妙な関係と、地元の名士の妻の浮気調査、それにサーフィン界の宝だったK2の死、さらに麻薬シンジケート間の抗争も絡まりながら複雑に進みます。サーファーたちのマナーだったり、行き過ぎた地元意識ナワバリ意識から起きるヨソモノ新顔サーファーとのこぜり合い、K2の活動で希望を見出したマィノリテイの若者と裕副な白人のバ力息子らのエピソ-ドは現実味があるだけ読んでいてやるせない気持ちになりました。K2を殺して起訴された放蕩息子の弁護人の手伝いを引き受けたことで信頼関係がぎくしゃくし、迷いながらも仲間から孤立してゆくブーン。それでもK2が生きていたらどうしただろう?と自分に問いかけ、我が道をゆきます。チアフル爺さんが良かった。満足して読了するも、ボウディンがどうなったのか(どうもならなかったのか)が気になる。司法取引は日本にないしそのへんのことが良くわからない。「犬のカ」とか「野蛮なやつら」は読もうかどうか相変わらず躊躇している。

  • 個人的にはドン・ウィンズロウの久々の傑作だと思う。どことなく漂うハードボイルドすぎない、ハードボイルドなストーリーが好きだ。

  • ウィンズロウの描く主人公というのは、どうしてこう自ら貧乏くじを引くのか。
    カッコ悪くていじらしくて、タフでクールでハラハラする。
    そして本の些細な脇役たちまでもが格好良くってワクワクする。

    今作も大変に美味しく頂きました。
    ウィンズロウは最高に好きだ大好きだ。

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