ブラックアウト 下 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041002544

感想・レビュー・書評

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  • 後半は疲れてしまった。
    テーマが大きすぎるのではないだろうか。構造はシンプルなのだけれど。

  • ハリウッド映画になりそうな話。翻訳という事もあって客観的状況以外に文章から伝わってくる事が少なく、長いので読み疲れした。
    映画で2時間で見て終わりたい。

  • 本書は、2011年3月11日以降の日本で起こったフクシマの事実を踏まえ、テロによるブラックアウト(大規模停電)の恐怖を描き出した佳作である。我々にあまり馴染みのない銃を使わないテロは、静かに始まり、テロとは気づかないまま広域に我々の生活を蝕んでいく。犯人グループは、スマートメーターへのハッキングによる送電網の不安定化、復旧をはかるべく再立ち上げを行なう発電所の管理システムに潜ませた巧妙なトリックで発電所の動きを止めてしまう。その一方で、インフラである送電網の要に位置する変電所と送電線破壊行為を別動隊におこさせる。用意周到に準備され次々と繰り出す電気テロに長期化する停電、停電による給水の停止、止水による下水道の停止、ガソリンの枯渇、食糧配給インフラの不全が起こり人心が荒廃していく。この過程を余すとこなく伝えただけでも本書の持つ意味は大きい。ただ、余りに多くのことを伝えるがためプロットが散乱した感は否めない。

  • 現代ヨーロッパでテロによる大規模停電が引き起こされたら....というパニック・サスペンス。

    上下巻計1000pという大作だが、上巻の後半以降はあっという間に読み終えてしまった。自分達の"日常"がわずかな攻撃でいかに簡単に崩れ得るか。とてもフィクションとは思えない重厚感+緻密さに、メディア畑出身という著者の本気が窺える。

    電力網の崩壊を引き金にドミノ倒しに崩壊する世界。それに立ち向う、決して"ヒーロー"でない人間臭さ全開の主人公。そして現代社会への警鐘 ....非常に満足な読後感にしばらく浸れそうだ。

  • 電源喪失により、遂に原発のメルトダウンに到ったヨーロッパ。さらにはアメリカでも同様にテロが起き、最早救援の手はどこからも期待できない。テロリストによる更なる攻撃はあるのか?手に汗握る下巻。

  •  マルク・エルズベルグ「ブラックアウト」上・下(角川書店 2012)は、ヨーロッパ規模で起こった停電を舞台に重苦しいストーリーが展開する。ドイツ発、衝撃のリアリティで迫ってくるサスペンス巨編だ。原発のメルトダウンなど、身近な事故を背景に繰り広げられる人間の生きざまは空恐ろしくさえある。上下巻の文庫版だけど、スピード感にも溢れているので、一気に読破できる爽快感もあり。

  •  「ブラックアウト」とは停電の意味。イタリアから始まった大停電。当初は単なる事故ではと,すぐに復旧するものと考えていたが,停電の地域が拡大しヨーロッパ全域に。そんな中,元ハッカーのイタリア人がふとしたきっかけからこの停電が事故ではなく,不正なプログラムによって起こされたものだと知る・・・

     当然,ラストでは事件も解決し電気が復旧となるのですが,復旧したからといってすぐに元通りの生活に戻ることができるわけではないのですね。例えば,水道にしても長期間上水道管に水が通っていないと,細菌等が発生しているため,清掃後でないと使用することができない等・・
     普通に生活ができるというのは素晴らしいことだというのを痛感させられました。

     海外の小説は,登場人物の名前を覚えるのが一苦労なのですが,この本は,登場人物がヨーロッパ各国にわたっているため,聞き慣れない読み方の人物も多く,都度,最初の方の人物一覧を繰りながら読んでいたので結構時間がかかりました・・

  • はい今回は「ブラックアウト」です。
    ヨーロッパで突然発生した停電を皮切りにヨーロッパ全域に広がる…。インフラのストップ、食料の奪い合い、暴動、原発の異常発生。元ハッカーの主人公はこの事件は人為的なものであることに気づく。
     
    感想としてはドラマ24的な感じでした。序盤はメインの主人公達の立ち位置の紹介でちょっとあっちこっちするけど中盤以降はザーッと読んでます。
    ヨーロッパの都市名とかに疎いせいで地図の引っ張りだしたりでいろいろ面白かったです。
    プログラミングとかやってた人は犯人のトリックとかも楽しめると思います。
    インフラのストップや暴動、電力ストップで病院などがダメになるシーン、電力供給の大切さや現代社会の脆さなどがリアルで良かったと思います。
     
    そのうちドラマ化or映画化されそうな予感…

  • 上巻では、電力網へのサイバー攻撃によって、欧州全体が混乱に巻き込まれた様子がつらつらと書かれていた。下巻でも、同じような展開がところどころあったが、各国政府内の意思決定の様子が描かれており、なかなか読みごたえがあった。ただ、後半部分は、いろいろすっ飛ばしているような気がしないでもないが。

    小説の中にも出てくるように、サイバー攻撃は、テロなのか、戦争行為なのかという線引きが難しい。NATOや米国は、サイバー攻撃に対して通常兵器を含めた反撃を行うことを示唆しているが、相手が国家だとは限らないし、ましてやどこを攻撃していいのかわからないという問題がある。加えて、サイバー空間の脆弱性は高く、インフラ施設や設備への攻撃を国家が防御するとなると、莫大な予算と人員が必要になると思う。とすると、予算削減を各国が行わなければならない中で、いかにして、サイバー空間の安全を担保するかが、サイバー空間の安全保障に求められているのかもしれない。

    どれくらいリアリティがあるかは何とも言えないが、サイバー攻撃の恐ろしさを理解するには、ちょうどいいのかもしれない。

  • 201302/後半は人物も把握できて一気読み。リアリティあって背筋寒くなる。次作も期待大。

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著者プロフィール

1967年、ウィーンに生まれる。オーストリアの日刊紙デア・シュタンダードのコラムニストとして活躍し、現在はウィーンとハンブルクの広告会社で戦略コンサルタントおよびクリエイティブ・ディレクターを務める

「2015年 『ゼロ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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