ロウソクの科学 (角川文庫)

  • 角川書店 (2012年6月22日発売)
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  • 本 ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041002841

作品紹介・あらすじ

日本のノーベル賞受賞者2名が、ともに小学生のときに読んで、その後の進路に大きな影響を与えた、と語った本として話題化した一冊!

たった一本のロウソクをめぐりながら、ファラデーはその種類、製法、燃焼、生成物質を語ることによって、科学と自然、人間との深い交わりを伝える。時を超えて読者の胸を打つ感動的名著。

ノーベル化学賞が決まった吉野彰氏の「化学への興味を持つ原点」となった運命の1冊。2016年にも、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏が科学者を志すきっかけになったと明かして注目された。

「この宇宙をまんべんなく支配するもろもろの法則のうちで、ロウソクが見せてくれる現象にかかわりをもたないものは一つもないといってよいくらいです」ロンドンの貧しい鍛冶屋の家に生まれたファラデーは、1本のロウソクを用いて科学と自然、人間との深い交わりを伝えようとする。子供たちへの慈愛に満ちた語りと鮮やかな実験の数々は、科学の面白さ、そして人類の未来をも照らしだす。

時代を超えて、常に理科の先生が子どもたちに読んでもらいたいと考える「永遠の名著」が、読みやすい新装版で登場!

「原始時代のたいまつからパラフィンロウソクにいたるまで、その道のりの何と遠いことであろう。
 人間が暗夜にその家を照らす方法は、ただちにその人間の文明の尺度を刻む。
(中略)
 ロウソクはいまや、自然界の暗黒の場所を照らしだすためにつくられた。吹管とプリズムとは、地殻に関する知識を追加しつつある。しかし、たいまつの光、いや知性の光はまっ先にたたねばならぬ。
 本書の読者のうちのいくたりかは、知識の蓄積を増すことに一生を捧げることであろう。科学のともし火は燃えあがらねばならぬ。
 炎よ行け。 」(W クルックスの序文より)

感想・レビュー・書評

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  • ロウソク1本からあらゆる化学的事象を解き明かそう!というユニークな試みを見ることが出来た。数多の科学者がこの本に感銘を受けて研究を志したとあっては、相当な名著なのだろう。少し文体が古めかしいということもあって、正直読みにくかった。あとは、小学、中学理科の知識が多いことからから、恐らく少年向けの読み物であったのだろう。

  • 6つの化学実験講座です。

    どこかのこども科学教室のメモかと思いきや、大科学者であるファラデーが英国王立研究所で行ったクリスマス講演実験をまとめたものだったのでちょっと驚きました。19世紀後半は、日本の高校程度のレベルだったとおもわれます。
    本文は、文庫で200頁ほどなのでさくさく読めます。

    ですます調で書かれている科学論文?を、というか、講演会の口伝のような語り調はちょっとわかりにくいので、わかりやすく替えてもいいのではないかとおもいました。なれって恐ろしいですね。

    挿絵も1860年代後半の時代を表しているもので、論旨を問うならもっとわかりやすい絵を使った方がいいのではと感じました。

    実験の流れは良かったかと思います。ただ、元素については、決めつけているので、ちょっと違和感はありました。

    目次は、以下です。

    序文

    第一講 一本のロウソク その炎・原料・構造・運動・明るさ
    第ニ講 一本のロウソク その炎の明るさ・燃焼に必要な空気・水の生成
    第三講 生成物 燃焼からの水・水の性質・化合物・水素
    第四講 ロウソクのなかの水素 燃えて水になる・水のもう一つの成分・酸素
    第五講 空気中に存在する酸素・大気の性質・その特性・ロウソクのそのほかの生成物・二酸化炭素・その特性
    第六講 炭素すなわち木炭・石炭ガス・呼吸および呼吸とロウソクの燃焼との類似・結び

    訳註
    解説

  • 私には少し難しい読み物でした。
    これをもとに、漫画かショートムービーを付け加えてもらえると面白いかと思います。

    これを面白いと感じ、ノーベル賞まで受賞されるのですから、頭の良い方は格が違うのだとも思いました。

  • たった一本のロウソクをめぐりながら、ファラデーはその種類、製法、燃焼、生成物質を語ることによって、自然との深い交わりを伝える。大科学者18世紀のファラデーの講演記録。

    このほどノーベル医学生理学賞を受賞した大隅教授の愛読書で一躍ベストセラーになったので読んでみた。子ども相手に眼前で実験をした講演の記述(ご覧のように…的な)のため、残念ながら想像力が追いつかなかった。「19世紀の子供向け」の講演なのに「20世紀の純・文系」の私にはレベルが高すぎた。後半に入ったところで断念。
    (E)

  • 絵や写真があったら面白いだろう。本書は基本文字だけなので、絵が豊富な本を副読本にするか、科学の知識がないと、とても内容がイメージできない。

  • 理系が本当に苦手な人間なので、書いてあることを理解できたかといえばそうではないというのが正直な感想。
    ただ文章自体はとても読みやすいので、科学が得意もしくは興味がある人ならもっと楽しく読めると思う。
    YouTubeに色々な再現動画が上がっているので読み終わった後にそれらを見ると少し理解度が深まる。

  • 自分は、中1のくせに化学の単語などは案外知っている方なので子供でも楽しく読めたが、塾に通っていて、6年の範囲の途中ぐらいのところから読めるようになるのではないかと思います。(毛細管現象が毛細引力となっていたが、そこは翻訳の問題なので楽しく読ませていてだきました。)

  • どなたかノーベル賞受賞者の愛読本であったということで読み始めてみたけど、化学嫌いの僕には到底読破出来なかった。
    直訳すぎる気持ちの悪い日本語もバッドポイント。

  • この本の実験から分かることは、今では小学生(高学年)でも知っているのだが、それは単に酸素と水素で水になる、水素酸素はよく燃える、etcという知識であって、実際に自分で仮説を立て、実験して、検証して得た訳ではない。燃焼は酸化であると習うのは中学だったかもしれないが、それも結果は知っていた上で実験した気がする。
    ファラデーの頃はまだ知らない人も多かっただろうから、実験を見ながら、ファラデーに導かれて仮説を立てて、次回まで考えることができたのは幸せだ。一応日本もこういう風に考え、確かめて結果を導き出してほしいと教育課程を考えてはいるのだろうが、上手くいっているとは思えない。まあ、ファラデー程の能力のある先生はいない(大学にだってほとんどいないだろう。況や初等中等教育現場においてをや。)から仕方ないのかもしれないが。
    このレクチャーを聴いていた人は、その後科学者にならなくても、科学的な見方ができるようになったと思うし、それこそ本当の教育だろう。
    歴史的名著であることは疑いを容れない。
    しかし。訳が古い。「~であります」なんて言う人、今は安倍総理と一部の政治家くらいだよ。
    「もし皆さんが、ごく器用でいらっしゃれば、いくたりかはたくみにこのまねがおできになるはずと、私はあえて申しあげましょう。(P93)」なんて、上品でいいんだけど、この本は日本語の表現より科学的実証実験を理解することが主眼なのだから、もうちょっと平易にして欲しい。
    絵も、クラシックと言えば聞こえはいいが、正直言ってよく分からない絵もある。P38の炎とか茗荷か?と。クラフト・エヴィング商会がオシャレでやってるんじゃない、本物の古い絵。絵についているナンバーも漢数字だし、文章中にどれと指定されていないので分かりにくい。
    図書館にはあるべきだけど、積極的に若者にすすめるのは難しいかな。
    ※この後岩波文庫も読んでみたら、圧倒的に岩波文庫が良かった。出版社としての誠意がある。迷っているなら岩波文庫で。

  • 中身は要するに、
    水から水素と酸素が取り出せるよ、
    もの燃やしたら二酸化炭素ができるよ、
    とか、中学生レベルの話なんだけど、
    翻訳が古いからか、
    私の頭が理科苦手だったからか、
    うまくその場面を想像できなくて読み進めるのに苦労した。
    実験の流れを説明する挿絵がもう少し多ければ、
    もっとわかりやすいのかなあ。

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著者プロフィール

イギリスの科学者。1791年、ロンドンに生まれる。ベンゼンの発見、ファラデーの法則など、幾多の輝かしい業績を残した。

「2017年 『ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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