- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041002841
作品紹介・あらすじ
「この宇宙をまんべんなく支配するもろもろの法則のうちで、ロウソクが見せてくれる現象にかかわりをもたないものは一つもないといってよいくらいです」ロンドンの貧しい鍛冶屋の家に生まれたファラデーは、1本のロウソクを用いて科学と自然、人間との深い交わりを伝えようとする。子供たちへの慈愛に満ちた語りと鮮やかな実験の数々は、科学の面白さ、そして人類の未来をも照らしだす。時を超えて読者の胸を打つ感動的名著。
感想・レビュー・書評
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6つの化学実験講座です。
どこかのこども科学教室のメモかと思いきや、大科学者であるファラデーが英国王立研究所で行ったクリスマス講演実験をまとめたものだったのでちょっと驚きました。19世紀後半は、日本の高校程度のレベルだったとおもわれます。
本文は、文庫で200頁ほどなのでさくさく読めます。
ですます調で書かれている科学論文?を、というか、講演会の口伝のような語り調はちょっとわかりにくいので、わかりやすく替えてもいいのではないかとおもいました。なれって恐ろしいですね。
挿絵も1860年代後半の時代を表しているもので、論旨を問うならもっとわかりやすい絵を使った方がいいのではと感じました。
実験の流れは良かったかと思います。ただ、元素については、決めつけているので、ちょっと違和感はありました。
目次は、以下です。
序文
第一講 一本のロウソク その炎・原料・構造・運動・明るさ
第ニ講 一本のロウソク その炎の明るさ・燃焼に必要な空気・水の生成
第三講 生成物 燃焼からの水・水の性質・化合物・水素
第四講 ロウソクのなかの水素 燃えて水になる・水のもう一つの成分・酸素
第五講 空気中に存在する酸素・大気の性質・その特性・ロウソクのそのほかの生成物・二酸化炭素・その特性
第六講 炭素すなわち木炭・石炭ガス・呼吸および呼吸とロウソクの燃焼との類似・結び
訳註
解説詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私には少し難しい読み物でした。
これをもとに、漫画かショートムービーを付け加えてもらえると面白いかと思います。
これを面白いと感じ、ノーベル賞まで受賞されるのですから、頭の良い方は格が違うのだとも思いました。 -
参った、全く文章が頭に入ってこない
妙に丁寧な言い回しが、まわりくどくて余計に混乱させる
2章で限界ギブアップ
これ以上時間の無駄だ
気になるテーマで期待してたのになぁ
これは子ども向けのマンガ?とかで読んだ方がおもしろいと思う -
たった一本のロウソクをめぐりながら、ファラデーはその種類、製法、燃焼、生成物質を語ることによって、自然との深い交わりを伝える。大科学者18世紀のファラデーの講演記録。
このほどノーベル医学生理学賞を受賞した大隅教授の愛読書で一躍ベストセラーになったので読んでみた。子ども相手に眼前で実験をした講演の記述(ご覧のように…的な)のため、残念ながら想像力が追いつかなかった。「19世紀の子供向け」の講演なのに「20世紀の純・文系」の私にはレベルが高すぎた。後半に入ったところで断念。
(E) -
自分は、中1のくせに化学の単語などは案外知っている方なので子供でも楽しく読めたが、塾に通っていて、6年の範囲の途中ぐらいのところから読めるようになるのではないかと思います。(毛細管現象が毛細引力となっていたが、そこは翻訳の問題なので楽しく読ませていてだきました。)
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この本の実験から分かることは、今では小学生(高学年)でも知っているのだが、それは単に酸素と水素で水になる、水素酸素はよく燃える、etcという知識であって、実際に自分で仮説を立て、実験して、検証して得た訳ではない。燃焼は酸化であると習うのは中学だったかもしれないが、それも結果は知っていた上で実験した気がする。
ファラデーの頃はまだ知らない人も多かっただろうから、実験を見ながら、ファラデーに導かれて仮説を立てて、次回まで考えることができたのは幸せだ。一応日本もこういう風に考え、確かめて結果を導き出してほしいと教育課程を考えてはいるのだろうが、上手くいっているとは思えない。まあ、ファラデー程の能力のある先生はいない(大学にだってほとんどいないだろう。況や初等中等教育現場においてをや。)から仕方ないのかもしれないが。
このレクチャーを聴いていた人は、その後科学者にならなくても、科学的な見方ができるようになったと思うし、それこそ本当の教育だろう。
歴史的名著であることは疑いを容れない。
しかし。訳が古い。「~であります」なんて言う人、今は安倍総理と一部の政治家くらいだよ。
「もし皆さんが、ごく器用でいらっしゃれば、いくたりかはたくみにこのまねがおできになるはずと、私はあえて申しあげましょう。(P93)」なんて、上品でいいんだけど、この本は日本語の表現より科学的実証実験を理解することが主眼なのだから、もうちょっと平易にして欲しい。
絵も、クラシックと言えば聞こえはいいが、正直言ってよく分からない絵もある。P38の炎とか茗荷か?と。クラフト・エヴィング商会がオシャレでやってるんじゃない、本物の古い絵。絵についているナンバーも漢数字だし、文章中にどれと指定されていないので分かりにくい。
図書館にはあるべきだけど、積極的に若者にすすめるのは難しいかな。
※この後岩波文庫も読んでみたら、圧倒的に岩波文庫が良かった。出版社としての誠意がある。迷っているなら岩波文庫で。 -
ロウソクの燃焼から生命活動の呼吸に到るまでのミクロ的な普遍性を、多数の実験を交えてで示しながら語る。基本的ながら奥の深すぎる、酸素、炭素、水素の不思議な役割を改めて認識させられる一冊。
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「ロウソクが燃える」という現象から、基礎的な理科について解説する良書。
通して読むと、ロウソクってよく出来ているんだなぁと感心する。
欲を言えば、もう少し挿絵が欲しい。
また、科学の知識が現代とは異なっている点も要注意。
著者プロフィール
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