静かな黄昏の国 (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2012年3月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784041002902

作品紹介・あらすじ

国も命もゆっくりと確実に朽ちていく中、 葉月夫妻が終のすみかとして選んだのは死さえも漂白し無機質化する不気味な施設だった……原発社会のその後を描く戦慄の書、緊急復刊!

みんなの感想まとめ

不気味な施設を舞台に、朽ちゆく国と命を描く物語は、読者に深い思索を促します。短編集で構成されるこの作品は、特に「リトル・マーメイド」や表題作が印象的で、経済的没落や環境汚染がもたらす恐怖を通じて、私た...

感想・レビュー・書評

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  • 奇妙なものを食べる、他人とは違うというところに魅力を感じるのか?
    不思議な感覚を味わう物語。

  • 私たちは一体どこへ向かおうとしているのか、そしてこの国はどうなっていくのか。
    どれも起こりうる物語が、嫌な気分にさせられます。

  • #読了。短編集。全8編。
    「リトル・マーメイド」では、観賞用の高価な“人魚”のような熱帯魚が、遺伝子組み換えによって安価に大量に出回る。それを食べてみると思いのほか美味なのだが・・・。表題作「静かな黄昏の国」は、経済的に没落した日本を描く。環境汚染により事前の食料もままならず、老いてはチューブを巻いて長生きをさせられる。そんな状況から、一度でいいから自然の中で生きて、人間らしく死のうとするものの・・・
    上記2作が特に面白かった。2作とも自然に反しての経済活動が原因かと。ブラックユーモアというか、ホラーというか、まったくありえない話ではないような気がしてくるのは、さすが篠田さん。「静かな~」の設定は、途中で見えてはくるものの、そこから再度抜け出すというところは意外だった。自然に生きるということは、どうのようなことかを問われているような。

  • 個人的には、楽器ものが好き。「陽炎」「エレジー」いいです。凄いのは、やはり表題作、震災あとではとてもフィクションとして笑えない怖さ。。。。。

  • 「音楽」というものに狂う人間の業、みたいなの篠田節子先生一定数書いてる気がする。
    得も言われぬ演奏を奏者に約束する呪われた楽器、みたいな音楽ホラー短編が2本。
    どちらも代償が命だったり、両腕の欠落だったり。怖すぎる。
    それでも美しい音色を自ら奏でたいと願う人間は、愚かなのか、果たして。

    サボテンを元カノだと思い込んでる男のホラーもあったな。
    ギャルゲヒロインに影響されて自〇する男とか。やばいて。
    なんか痴情のもつれ系ホラーもときどき書いていないか、篠田節子先生?

    あとはSF風味ホラー。
    「リトル・マーメイド」はSFじゃないかもだけど。
    いやでも過度な遺伝子組み換え食品()の話だから、SFか…???
    エログロの気持ち悪さでは収録作品中一番だと思う。
    オチまで含めて、恐ろしいし、ウワ……と言わされる。

    「子羊」は、某カズオイシグロの私を離さないでネタ。
    マジでSFでございってネタだけど、どうしたってその立場になってみないと分からない気持ちだよな……。
    究極のSF主人公……。

    表題作は、マジでありそう…っていうか、とんでもねえディストピアなんだけど、それでもいいそんな老後と安楽死を望む人もいる…かもしれない…。
    不自然に延命を続ける人間。崩壊した社会経済。
    緩やかに病んでいく人間、化学汚染によるぬるい川と、奇形の命に満ちた森林。
    それがギャグや絵空事にならないような時代にまで来てしまったような、気が、する。

  • 様々な形の終末を描いた短編集。
    最初の話が面白い。観賞魚からやがて食用としての意外な魅力を見出されて人気を博する”人魚”。その官能的な姿態と甘美な味との相乗性、儚げな生物が人間の欲望を逆に餌にしていく生々しさとがコンパクトにまとまっていて良かった。人さながらに嫉妬し束縛してくるサボテンの恐怖という、ある種の滑稽さを内包しながらそれ故の不気味さも感じさせる「刺」も、オチ以外はサスペンスとして単純に好き。表題作は、小さなユートピアを成立させるからくりと、奇形の住人とが結び付いたときの悪夢感がなかなかクる。

  • 表題作は期待通り。全体的にでてくる男がひどい。

  • どーしよーもない男がたくさん出てきた。最後の表題の短編はあながち作り話とはいえないかも。

  • 読後1週間しか経っていないのに中身が思いだせない。でも、怖かったという感じだけが背筋を冷やしつつ残っている。

  • 老後の生活を考える年代になって読むとちょっと切ない。でも篠田節子さんは初めて読んだ『絹の変容』からのファンです。

  • 以前ホラーアンソロジーに収録されていた「子羊」を再読できて満足。生まれたくない世界だけど一筋の希望を感じる好きな結末。
    あとがきで、表題作が10年前に書かれていたことを知った時が一番ゾッとした。

  • 篠田節子らしい気持ち悪い短編集。初っ端が一番キツくて、緩くなり、もう一度落とす感じの構成。

  • ホラー短編。
    こういう魅力的な作品がたくさんあるのがいい。
    篠田作品は素敵。

  • 2012/3/24 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
    2022/5/19〜5/24

    篠田さんらしい、ちょっとホラー要素の混じった短編集。「リトル・マーメイド」、「陽炎」、「一番抵当権」、「エレジー」、「刺」、「小羊」、「ホワイトクリスマス」、「静かな黄昏の国」の8編。どれも良いが最後の3つが甲乙つけがたいベストか。原子力のゴミに関する最後の作品は、近未来を表しているようで大変考えさせられる。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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