天地明察(下) (角川文庫)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 817
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041002926

感想・レビュー・書評

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  • この本はスケールが大きい。天文学、数学、暦を新たに作ることを命じられた渋川春海が苦労とともに大和暦を創り上げていくところが圧巻だ。我々の仕事でも何もないところから道を切り開かないといけないことはよくあるのだが、ちょっとした気付きから新しいルールを作っていくべきだ。碁も数学も天体観測も理系的センスが要求されるところは似ている。考えるということを今後は意識していきたい。

  • 「この国の老いた暦を斬ってくれぬか」会津藩藩主にして将軍家綱の後見人、保科正之から春海に告げられた重き言葉。武家と公家、士と農、そして天と地を強靱な絆で結ぶこの改暦事業は、文治国家として日本が変革を遂げる象徴でもあった。改暦の「総大将」に任じられた春海だが、ここから想像を絶する苦闘の道が始まることになる―。碁打ちにして暦法家・渋川春海の20年に亘る奮闘・挫折・喜び、そして恋。

  • 算術好き、星好きの碁打ち安井算哲。彼は幕府の命を受け、日本独自の暦を作る事となる。長い年月をかけ、日本の地を計り、星の位置を計り、誤謬を繰り返しながら正確な暦に近づいて行く。。。昔は一つの物事を成し遂げる為に長い年月をかけた。。この暦も発案から完成に至るまでに数十年を費やしている。そしてその事業に携わった人たち全員が必ず結果を見届けられるまで生きているというコトもない。。この本を読んで、帚木さんの「国胴」を思い出しました。こういう本はいいですね。養老孟司さんが解説を書いているのですが、この解説も面白かった。「数」という概念の捉え方が理系の脳と文系の脳では違うんですね。。「数」は「現実」か「抽象」か、、、世の中数字によって成り立っているという、そう言ってる意味は分かります。「はじめに言葉ありき」というように「数字ありき」。。ただ、実感としてわかない僕は理系の頭では無いんですね。。。

  • ヒットした言葉、「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」ストーンと響いた。だから、上司の考えていることは部下人にわからないんだ。見えている世界が違う。ただ、下の人が自分には見えていない世界がある…と推し量ることは必要。それがないと単なるわがままで終わる。

  • 2010年本屋大賞受賞作

    800年で2日ズレてしまった宣明歴。数学と北極星観測を以て20年に渡り改暦事業を行った渋川春海の史実をもとにしたフィクション。

    日本史と数学の苦手な私でも面白く読むことができた(読書スピードは通常の6割減だったけどw)
    技術だけではダメ。政治・経済が揃って初めてことをなし得る。
    ん~、時代問わず普遍だよなぁと再認識させられる。

    天文学という分野が確立されていない時代に己が分野の人々から夢や情熱が渋川春海に託される。
    浪漫!
    心熱くなった!!

  • 才能ある人々が繋がり支え合い大事をなすことの痛快さを堪能できる爽やかな小説。
    静である所の学問を躍動感たっぷりに読ませてくれた。

    愉快!!

  • 江戸時代、改歴に尽力した渋川春海の生涯を描いた作品。
    とても読みやすく、一気の読んでしまいました。
    様々な人から様々なものを受け取り、その心をきちんと成就させていく真っ直ぐな姿には心を打たれました。
    また、春海に関わる人物がとても魅力的に描かれており、いつの間にか自分も改歴に携わっているかのような気持ちになりました。
    頓挫した時の悔しさ、恩人がなくなった時の悲しさ、何度も春海以上に涙してしまいました。

    映画や漫画にと様々にメディアミックスされてるのでそちらも見てみようと思います。

  • 天地明察を読む前は、暦(カレンダー)を作ることがこんなに重要で難解なことだとは考えたこともなかったのでとても新鮮でした。渋川春海が編纂した大和暦(貞享暦)のwikiの薄さからもまさかこんなドラマがあろうとは(あったかもしれないとは)思いませんし、これはいい読み物に当たったなと大満足です。
    数々の賞を受賞している時代ものというと(私は)ちょっと敬遠してしまいがちですが、沖方丁さんの絶妙な筆致で大いに笑わせてもらいましたし、挫折や離別の連続に涙する場面もある上質なエンタメ小説だと思いました。
    主人公の飄々とした性格ゆえか、いまいち悪役が邪魔にならないのですが読後感はさっぱりしていて心地よいです。未読の方にはぜひおすすめしたい一冊です!

  • 天地明察の後編。

    物語の中で紆余曲折を経て改暦は為されますが、それまでの過程は静かながらも熱いドラマに溢れています。

    師や妻、友たちに支えられながら一度は躓きながらも改暦に向けて懸命に走り続ける春海は尊敬できると同時に人間として羨ましい存在だと感じました。

    非常に心温まる良い読書時間を得ることができました。

  • 映画化されてたので読んでみた作品

    碁や星について詳しくないので最初はよく分からないな…と思いながら読んでましたが
    それでもぐっと入り込めたのは
    紆余曲折しながらも目標に向かって頑張る春海や
    取り巻く人々の魅力があったからだと思います

    時代小説が好きな方にはあっさりしてるし
    話し言葉が現代風で物足りないかもしれませんが
    私には読みやすく爽やかな気持ちになれたので好きです

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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