美神解体 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 62
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041002957

作品紹介・あらすじ

目を上げると鏡の中の見知らぬ女が、自分をみつめている-。美容整形で、彫刻的美貌を手に入れた麗子。しかし葬り去ったはずの容貌は、心まで飼い馴らすことはできなかった。愛されることを渇望し、満たされない日々を生きる女の心に、ある日ともった恋心。想いを募らせ追いかけていった先の山荘で目にした衝撃の情景とは!?ともに一つになって闇の底に転落していこうとする男と女の倒錯した愛の形を描く、異色の恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 一時は角川ホラー文庫からも出ていたらしい、ある意味ホラーかもしれない1冊。ただし、篠田節子にしてはハズレ。

    大規模な整形手術で、究極の美を手に入れたピアニストと、究極の美しか許せないデザイナーの一種倒錯した愛憎劇。

    というか、上記の2人以外の人がほぼ出てこないため、周辺の景色や情景が、全く広がりません。また、「美を手に入れたが、心から愛せない」といったような、漠然とした表現が多く、そういうのが美しいと思ってしまう人でなければ、感情移入も出来なければ、引っかかるポイントもない。

    終わってみれば「過去の自分を捨てた女と変態王子様」という程度の話であって、結局のところ変態王子のどの辺に惹かれたのかすら、ピンと来ないのだった。

    最後の対峙と決闘、そして「初めての心からの笑顔」みたいな表現も、それまでの積み上げが全く出来ていないため、なんじゃそらという出来であった。

    文章はうまく、通常なら☆2だが、篠田節子を読みたい人にとって、まったく価値の無い本であるので、厳しい採点としたい。

  • 賞賛されるための美を求めて得られない女と、究極の美を求める男の狂気の物語。
    整形手術を受けて人形のような容貌を手に入れたが、自分を人形として愛してくれる存在は拒絶するというジレンマがとてもいい。

  •  ブックオフで購入しました。百五円でした。

     美容形成をして生まれ変わった主人公。少しずつ満ちていく影。
     人形に恋するデザイナー。
     これはホラーなのでしょうか、なんともいえぬ読了感でした。

  • 平田さんは
    あれで、良かったんだよ。

    愛する人形と一緒になれたんだから。

    主人公も
    きっと幸せになれる。

    そんな感じがしました。

  • 整形手術をしたピアニスト。
    人形を愛するデザイナ。

    2人の出会いと関わりを綴るなかで、
    音楽という時間軸の美と
    デザインという空間軸の美の
    交差点が出会い。

    解決することがない美の追究。
    論理的な破綻。

    解説を平山夢明が書いている。
    「江戸川乱歩を彷彿とさせる仕掛けもある」

  • ホラーも書いてたんだなあ。
    弥勒読んだ後だから物足りない。

  • 整形手術を受けた女性が、
    商業デザイナーと出会う。
    均整のとれたものを美と考える。
    生きているものに対する美しさを
    感じないことに、不思議さを漂わせる。

    篠田節子にしては、
    少しもの足らない作品であった。

    「コンピュータは、
    思考の省略をすることはできない。」
    という意見が面白い。

  • 他の方のレビューで元々はホラーだと知った。
    美容整形で美人になった女が謎の男に惹かれて葛藤を繰り広げるのかと思いきや、終盤の展開に唖然。
    壮絶な置いてけぼりをくらった。

    美容整形をテーマにしている作品はたくさんある。
    読んだ中では一番つまらなかった。

  • 元々はホラー文庫だったのですね。精神的にキます・・。
    自分の顔を徹底的に造りなおすこともそうですが、人形の変わりに愛されるということ。などなど。
    美しさについて、考えちゃいますね。。。
    この作品に出てくる人形は、フィレンツェのラ・スペコラ博物館にあるという
    「解体のウェヌス」のことなのでしょうか?
    村上喜代子さんの短編集を読んだときにも出てきたのですが、(もし同じものがモデルなら、ですが)人形の顔の描写が随分違うのですね。
    確か村上さんの方では、ボッティチェリのヴィーナスと瓜二つ、みたいな
    御顔だったと思うのですが。
    ここでもまた、人によって違う美の受け取り方があるのでしょうか。

  • もともとは角川ホラー文庫からの出版だったとのこと。
    読了したが、ホラーにも恋愛にも徹しきれてないな、という感じ。
    で、何をいいたかったの?という具合で残尿感が残る残念な結果に。
    好きな作家さんですので、次はいい作品読んでみましょうかね。

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著者プロフィール

1955年、東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『美神解体』『静かな黄昏の国』『純愛小説』『長女たち』『冬の光』『竜と流木』など多数。

「2018年 『インドクリスタル 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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