病めるときも (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 85
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041002964

作品紹介・あらすじ

従姉を見舞った帰りの洞爺湖温泉で、明子は医学生・克彦に出会う。2人は婚約するが、明子が肺結核を患ったため結婚は先送りに。やがて明子が回復し、克彦の結核菌を殺す薬の研究が成功して喜びにひたったその夜、克彦の研究室が火事で全焼してしまう。苦労が水の泡となり、克彦は激しい衝撃を受ける…。神の前で誓った愛の重さを問う表題作ほか、愛に飢え傷つきながらも前に進もうとする人々を通して人生を描いた傑作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 人の醜い部分が多分にある中で、苦難を前にした人間はどう考えどう受け入れていくのか。私はずうっと、読みたくない、けど、続きを読みたい、という不安定な気持ちにさせられた。
    字面だけではなく、非常に頭を使うことになり、なかなかの疲労感も味わった。
    とにかく読み終わってホッと一息、でもまた読みたい。そんな気持ちです。

  • 「井戸」、「足」、「羽音」、「奈落の声」、「どす黝き流れの中より」、そしてタイトルとなつてゐる「病めるときも」の六編からなる短編集です。

    どの短編も人間の弱さやら傲慢さやらが、サラリと描かれてゐるかと思へば、エゲツなさ全開に描かれてもゐます。ただ、「病めるときも」は他の短編とは異なり、人間のさういふものを超えた奥深きところが描かれてゐます。
    いづれにしても共通してゐるのは愛とは何なのか。…でせうかね。

    また、どの編もハッピー・エンドとして描かれてはゐないやうであつても、文末の句点以降の書かれてゐない白紙部分をどう読むのか。ソレをどう受け容れるのか、受け容れられぬのかを作者から問はれてゐるやうです。

    ボクはキリスト者ゆゑにソレは失望ではなく、夫々の先には希望があると信じてゐます。

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プロフィール

三浦 綾子(みうら あやこ)
1922年4月25日 - 1999年10月12日
北海道旭川市出身。終戦まで小学校教員を努めたが、国家と教育に対する懐疑から退職。1961年『主婦の友』募集の第1回「婦人の書いた実話」に『太陽は再び没せず』を投稿し入選。
1963年朝日新聞社による投稿した小説『氷点』が入選し、朝日新聞に同作を連載開始。1965年、同作で単行本デビュー。刊行直後にベストセラーとなり、映画化・ラジオドラマ化される代表作となる。ほか、映画化された『塩狩峠』が著名。様々な病苦と闘いながら、キリスト者として執筆を続けた。

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