乱気流 上小説・巨大経済新聞 (角川文庫)

著者 : 高杉良
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年5月25日発売)
2.88
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041002988

乱気流 上小説・巨大経済新聞 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 20151115

  • 本書は、私と同じように新聞記者を目指している方から、「これは必読!」と勧められて購入したものだ。社名こそ改変されているものの、日経新聞のスキャンダルを扱ったものである。

    物語のクライマックスは、2003年に起こった株主総会が舞台となった社長解任騒動。解任要求の理由は、子会社の不正会計と社長の資金流用の二つ。社会の木鐸という言葉の無意味さが響く。


    ■ここがへんだよ新聞社
    ・文中の「競争原理」という言葉
     他社とではなく社内でのスクープ合戦競争のことを指している。スクープをとってきた記者は羨望とともに嫉妬の目線で見られる事となる。競争原理と言う言葉の使い方に違和感があるが、本書の著者は業界紙記者を経て作家になった方なので、業界特有の用法なのだろう。

    ・業界紙出身の中途採用者差別
     本文中に取材先からお金を積まれて提灯記事を書いたのではという事件が起こっているが、この時主人公は業界紙出身の中途採用者を真っ先に疑っている。決して生え抜きの社員はクロではないと思いこみ、業界紙出身記者を下に見ている。これも著者の経歴を考えると過剰な書き方なのかもしれないが、一面の真実を捉えているといえよう。

    ・企業の太鼓持ちとの批判(日経)
     ある企業が大型の投資案件を発表した日に、1面ALLの広告を掲載するのは日常茶飯事。私の履歴書では経営者の自慢話を延々と書き連ねることもあり、形を変えた企業広告ともいえる。

    ・日経は経済部が強いという言葉の真実
     当たり前だが、日経新聞は経済面が強い。この強さの源泉は何かというと、もちろん記者の数・質によるところはあるだろう。しかし、それ以外にも要因はある。少なからぬスクープは企業側からのリークによってもたらされる。企業側は宣伝効果の最も大きい日経新聞に集中してリークをするという要因も忘れてはいけないと、本書から読み取れる。
    記者が企業側からのリークをそのまま受け取ってしまうと単なる企業のいいなりになってしまう。批判記事を書くペンの矛先を自ら折ってしまう恐れには自覚的でなければならない。
     
    また、経済部は他紙にスクープを抜かれた際には、絶対にその記事は大々的に1面に載せないとの描写がある。これも真偽のほどは定かではないが、記者にはキツイプレッシャーなのだろうと想像される。


    小説という形をとっているものの、ほんの10年ほど前に大スキャンダルが起こったことは確かな真実である。来年から新聞記者として働いているかもしれない(?)者としては、「記者の本懐とは何なのか」非常に考えさせられる小説であった。
    まずは入社試験を通らないとエライ事もいえないのだが‥‥。

    参考) 最近の日経社長スキャンダル http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32999
     

  • 保有状況:譲渡&購入日:41055&購入金額:740

  • 今度は日経新聞ですか。

    いつものことながら取材力には脱帽です。

    文章力がないと他のレビューにありましたが、同感。
    しかしそこは目をつぶって・・・

  • リクルート事件‼ お金さえばら撒けばなんでもできると思った経営者、おもしろいようにお金に飛びついた政官財のお偉方。秘書に責任をなすりつけたり、人間の醜さを見せつけられた(~_~;)

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