山椒大夫・高瀬舟・阿部一族 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 208
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003046

感想・レビュー・書評

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  • 死んで花実が咲くものか。
    しかし、武士道とは死ぬことと見つけちゃう人も多いのだろうな。
    殉死とかいうシステム。
    それで幸せになる人はどれぐらいるんだろう。

  • 平成四年刊行のものでした。その時、新刊で買ったか、古本で買ったかは記憶にないですが、年季の入った感じのページの風合いがなおの事、読書を盛り立ててくれた感じです。解説なんかも含め、改めて読むと感じるものが違いますね。あらすじについては、知っているという知識と、実際に文字を追うのとでは違います。なので、こう言う読書て体験も差し込んでいかなくてはなと思った一冊になりました。

  • 文学作品とかを敬遠する傾向にあるが、読んでみると面白い。かなり面白い。ざっと一読しただけであるが、読み切れていない部分があるため、何度も読む必要がある。ただ、時間が無くて、そのような行為が難しいのが困ったものだ(読まなきゃいけない本は山ほどある)。簡素だが本筋とはあまり関係が無いように思える内容が書かれていたり、文体に確かにとっつきにくい部分もあるのだけど、その部分を差し引いても高評価になってしまった。

  • 改めて森鷗外のよさがわかったような気がする。
    「山椒大夫」何で、このタイトルになるんだろう?
    「高瀬舟」京都っぽい
    「寒山拾得」奥深い謎

  • 歴史モノですが、それぞれ趣が違います。
    お勧めは高瀬舟。しかし今から約百年も前に安楽死という問題を鴎外が提唱していたとは・・・。軍医という彼の職業上、考えるべき問題だったのでしょう。

    これら三作品は、問題提起はしますが、答えは与えません。読み手はその答えの出ない問題を考えるのみです。

    短編なので読みやすいです。お勧めします。

  • 時代背景の理解があれば、面白く読めたのでしょうけど。しかしながら、歴史において通底する問題を描いた「高瀬舟」は今後も生き続ける作品でしょう。


     庄兵衛はただ漠然と、人の一生というような事を思ってみた。人は身に病があると、この病がなかったらと思う。その日その日の食がないと、食って行かれたらと思う。万一の時に備える蓄えがないと、少しでも蓄えがあったらと思う。蓄えがあっても、またその蓄えがもっと多かったらと思う。かくのごとくに先へと考えてみれば、人はどこまで行って踏み止まることができるものやらわからない。それを今目の前で踏み止まって見せてくれるのがこの喜助だと、庄兵衛は気がついた。(p.167)

    弟は剃刀を抜いてくれたら死なれるだろうから、抜いてくれと言った。それを抜いてやって死なせたのだ、殺したのだとは言われる。しかしそのままにしておいても、どうせ死ななくてはならぬ弟であったらしい。それが早く死にたいと言ったのは、苦しさに耐えなかったからである。喜助はその苦を見ているに忍びなかった。苦から救ってやろうと思って命を絶った。それが罪であろうか。殺したのは罪に相違ない。しかしそれが苦から救うためであったと思うと、そこに疑いが生じて、どうしても解けぬのである。p.172

  • 純文学は面白くない、というイメージを覆されました。
    読みやすいし、分かりやすい。舞姫よりはよっぽど。
    特に「魚玄機」が面白かった。

  • 2009/06/03読了。

    忘れていた…。森鴎外の存在を忘れていた。
    美しい漢文調が読みたければ、中島敦をよみつくしたとて、森鴎外がいた!!

    高校時代の国語の時間は、とにかく暇をみつけて、「山月記」とそれにならぶほど「舞姫」を読み返していたものだ。
    それほど無意識的に分かっていたのに、なんで、漢文調=中島敦という刷り込みだけできて、森鴎外が実は、超絶漢文調が上手いということに今の今まで気付かなかったのか。
    不思議でしょうがない。

    たぶん、中島敦が舞台までストレートに中国だったのに比べて、「舞姫」がドイツだったということがネックだったんだろうな〜
    「石炭をばはやつみはてつ」
    冒頭、まだ覚えているほどなのに。

    とにかく、森鴎外の漢文体が心地良い短篇が収められています。
    文体にうっとりしてしまい、文学としての主題がなんだっけ〜と私にはよく分からなくなってしまうところもあるが。(特に「阿部一族」)
    森鴎外の文体、リズム、気持ちよすぎです。



  • "お上の事には間違いはございますまいから"(最後の一句/P155)

    まだ完全に理解はできてないけど、とても面白かった!

    2009.2.10~3.22

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著者プロフィール

森鷗外(1862~1922)
小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医。本名は森林太郎。明治中期から大正期にかけて活躍し、近代日本文学において、夏目漱石とともに双璧を成す。代表作は『舞姫』『雁』『阿部一族』など。『高瀬舟』は今も教科書で親しまれている後期の傑作で、そのテーマ性は現在に通じている。『最後の一句』『山椒大夫』も歴史に取材しながら、近代小説の相貌を持つ。

「2022年 『大活字本 高瀬舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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