天地明察(上) (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 776
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003183

作品紹介・あらすじ

四代将軍家綱の治世、ある事業が立ちあがる。それは日本独自の暦を作ること。当時使われていた暦は正確さを失いずれが生じ始めていた--。日本文化を変えた大計画を個の成長物語として瑞々しく重厚に描く時代小説

第7回本屋大賞受賞作、待望の文庫化!
監督:滝田洋二郎、主演:岡田准一で映画化も決定!2012年9月公開

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代の囲碁や測量の世界を垣間見させてくれて教養としても面白い。主人公のキャラクターが漫画のようでリアリティがないようにも感じた。

  • 誰からも愛される性分の春海なので、とても応援したくなります。理系男子とでもいいましょうか、春海と安藤の2人が算術についてキラキラと嬉しそうに話している姿は好感が持てました。観測隊の建部、伊藤両名にあっても若い春海にさまざまな良い影響を与えてくれる大人たちでした。建部とは永遠の別れになってしまいましたが、きっと腕に天を抱きながらこれから天と壮絶な勝負が始まるであろう春海を見守っていることでしょう。えんも春海のもとから去ってしまったのが心残りになってしまいました。再度挑んだ関孝和への設問は命が宿っているようでした。ここまで読んで清々しい気持ちになりました。下巻も楽しみです。

  • 実に清々しい小説。読み終わって気持ちいいい。内容は、徳川4代将軍の時代に新たな日本オリジナルの暦作りに奔走する若者の奮闘記。同年代の数学の天才である関孝和に刺激を受けながら、保科正之や水戸光圀などの庇護を受け、20年の歳月を掛けて暦を完成させる。測量技術も地図も時計もない時代に、星や太陽、月の動きだけで正確な暦を作る大事業。必ずしも順調ではなく失敗も多いが、なぜ次に期待してしまうし、応援したくなるのは、主人公が若く一途だからか。また人間の力だけで天を相手にしようとする無謀さにも共感するからか。新しい暦の完成を確認したころには40代半ばとなっていて、若者の頃にはなかったしたたかさと知略を用いる場面がある。こういうところも、共感できて、とても良い本。

  • 生きがいを見つけることの苦悩、葛藤、素晴らしさを素直に感じられる作品...。
    建部と伊藤の老いて益々盛んな活き活きとした姿に、人は生涯、成長する生きものであることを実感。夢中になれることがあるって生命力の源であると...。下巻も楽しみ。

  • 徳川四代将軍の治世、日本独自の暦を作り上げるという一大事業が計画される。その実行者に選ばれたのは、碁打ちの名門に生まれた渋川春海。そして、北極星の測量に赴くのだが、果たして天との勝負はつくのか。

     時代小説にはまだまだ可能性があるのだなあと改めて感じました。

     渋川春海という人物はまったく馴染みがなく、新鮮な印象を受け、さらに碁打ちの名門に生まれながら、算学に夢中になっているという若者がとても生き生きと描かれ、魅力的に感じました。

     戦の終わった徳川時代にこんな戦いがあったというのも、新しい視点で興味深かったです。

     下巻でどのように新しい暦を作り出していくのか、春海を取り巻く人物がどのように関わっていくのか、楽しみです。

  • 主人公の渋川春海が自分と同い年で、絶妙なタイミングでした。若さゆえの浅はかさ、恥、情熱、バイタリティが爽やかに詰め込まれていてよかったです。
    文中の、「からん、ころん」、拍手(かしわで)の音、「明察」が効果的に繰り返されて心地良いです。
    中盤の、無邪気なおじいちゃんたちが出てきた時、心底元気になりました。いいなあ。
    終盤の、ある別れは切なく悲しくて、思わずほろりとしてしまいました。
    時代小説だけど、いきいきと映像が浮かんでくるようなドラマチックな展開が、とても読みやすいです。チャンバラシーンもないのにわくわくしました。
    下巻もなかなかに楽しみ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「チャンバラシーンもないのにわくわくしました」
      確かに、、、まぁ、そんな話(チャンバラ)が出てくるとは全然思わずに読み始めましたが。。。
      「チャンバラシーンもないのにわくわくしました」
      確かに、、、まぁ、そんな話(チャンバラ)が出てくるとは全然思わずに読み始めましたが。。。
      2012/08/20
  • ただ一つの夢を追いかけ続ける人の姿はやはり美しい。己の限界に挑み続けることへの圧倒的なロマンが描かれた作品。

  • この時代の人たちは、何故短い人生でかくも多くのことを成し遂げられたのだろう。現代に生きる我々の成すべきことの少なさを思い知らされた。

  • もう、この後が気になりまくる算数大好き武士のヒューマンストーリー。

    真面目で朴訥で、ひたすら数学に明け暮れる男をめぐる、ヒューマンストーリー

    有名な歴史上人物もちらほら

    そして、なんか、つ、つ、ツーーーと、泣ける。

    下に続く。気になる。今日の帰り借りて帰る。

    この作家の本初めて読んだけど。ハマりそうです。

  • 江戸時代の改暦の一大事業を描いた歴史小説です。主人公の渋川春海は碁打ちの名門に生まれますが、碁ではなく算術にその生涯をささげます。その中で改暦という一大事業を任され悪戦苦闘していきます。渋川春海の不器用ながらも算術と改暦に入れ込んでいく純粋さに読者は皆引き込まれたと思います。
    江戸時代5代将軍綱吉の時代ですが、この時代の日本の数学が非常に高度である事を初めて知りました。関孝和や和算は知識では知っていましたが、これ程とまでは知らず目から鱗でした。
    改暦事業に携わる人々は皆、非常に職人気質な方達です。江戸時代の日本人は基本的なこのような方が非常に多かった、もしくは基本的な在り様としてデフォルトされていたのか?そんな想像を巡らせました。今に繋がる日本人の性格の一つを垣間見た気がします。

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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