ふちなしのかがみ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.23
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本棚登録 : 2257
レビュー : 255
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003268

作品紹介・あらすじ

冬也に一目惚れした加奈子は、恋の行方を知りたくて禁断の占いに手を出してしまう。鏡の前に蝋燭を並べ、向こうを見ると――

2009年に発売された辻村深月の短篇集が文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 怖いよう、夢に見そうだよう…

    「八月の天変地異」が好きです。スクールカーストの残酷さはあるけど、爽やか。

    花子さんも怖いし、かがみは狂気が怖いし、お父さん〜はもう不気味すぎる。ブランコも…ぞわぞわします。

  • この方の本は初めてだったけど、読みやすい文章でサクサクっと読めた。
    ホラーミステリー?そこまでホラーじゃないけど。
    最初の2本を読んだ直後は正直ハズレだと思ったのですが。

    『おとうさん、したいがあるよ』がよくわからないけど好みだったのでそのまま読み進めたら、
    表題作の『ふちなしのかがみ』でオチが読めてしまったけどそれなりに納得のいく結末が来たのでそのまま読破。
    恐らく『八月の天変地異』が普段のスタイルに一番近いんだろうな。一番スルッといけた話だった。

    個人的に勿体ないのは最初の2作。設定は良いのに活かしきれてない感じ。
    花子さんのは終盤の描写が手抜きに感じた。
    この作者の書き方ならもっと冷静な文章の方が雰囲気が出たんじゃないかと思いましたが。
    せっかく中盤まででグイグイ引きこまれてオチに期待してたのに、急に冷めてしまった。

    『ブランコ~』も読み終わった後は「え?これで終わり??」と思ったし…。
    『おとうさん~』の方は実は病気なのは主人公なんじゃないのと読んだけど、作中でそれっぽい描写が無いのでどうとも。

    とりあえず幽霊なんぞより人間の方が怖いですね。

  • ホラー短編集。冒頭の花子さんから叫びたいくらい怖かった。最も、夜中に読んだから恐怖も倍増してたんだろうけど。
    これもまたあちこちにからくりがあって、全部見破ったと思ってるんだけど、どうやら後ろの解説を読むと、まだまだある様子。
    お祖父さんの影?ブランコの足?日めくりカレンダー?

    辻村深月さんの作品は、大がかりのからくりと、そもそも気づくかどうかのからくり、とにかく沢山仕掛けられてる。
    大きい方は、だいたい皆最後には気づけるけど、小さい方はとても注意しないとかすることさえない。
    気を抜いて読むべからず。
    かなり慎重に読んだけど、見落としたからくりがあるので、また近いうちに読みかえす。
    これだから辻村深月さん、大好き。

  • 2009年出版の文庫化です。
    短編5本の短編集。

    辻村深月さんの「初のホラー小説」との事ですが、ホラーというか不思議なもの見えないもの・こと、に対してその存在を許しているというか・・・なんというかやっぱり優しい感覚です。
    特に今回は舞台が小学校だったり、田舎だったり、なにか懐かしい・・。
    小学生特有の人間関係(ヒエラルキー)のちょっといやぁな懐かしさだったり、田舎などは経験したことはないんだけど憧れる懐かしさというのがたくさんでした。

    結論を明確にしないミステリー(?)は好きですので(煮え切らないという意味ではなく)、読了後もすっきりでした♪

  • 友人に勧められるがまま辻村深月さんの本をどんどん読み漁っていたある日、本屋で見つけたのが『ふちなしのかがみ』だ。その友人が「辻村深月さんの本は発表された順番で読むと、かつてのキャラクターが後で他の作品に登場したりするから面白いよ」と呪いのように洗脳してくれていたので、言いつけを守っていたのだが、これならこのルールは適用されないだろうと手に取った。問題なかった。「ブランコをこぐ足」や「おとうさん、したいがあるよ」は解釈に自由さがあって、他の人からの推測を聞くのが面白かった。「八月の天変地異」では、夏休みの持つ不思議な力を感じた。夏休み。なんと素晴らしいイベントだろうか。

  • 夏なのでホラー短編読んだ。
    現実と向こう側の世界が融け合う恐怖感。今足をつけている場所から、唐突に落っこちたり、気が付けば迷いこんでいたり。とくに表題作の『ふちなしのかがみ』はラストでぞわぁっとなりました。

  • 「踊り場の花子」
     秀逸。良作。
     伏線も効果的に張られている。チサ子に何か裏がありそうだ、と思ったら実は善良そうな相川先生に裏があって、しかしやはりチサ子が…というふうに印象が変わっていく点もよくできていて、すごい。設定にも無駄がない。
     これはよくできた作品だなぁ。すぐに読み返しても楽しめた!


     「ブランコをこぐ足」と「おとうさん、したいがあるよ」は、え?全然意味が分からないまま終わった、という感じだった。だが、「踊り場の花子」の冒頭に書かれている文章を読み返し、少し溜飲が下がるように思えた。

     幽霊を見る人は、それを見るだけの理由を持つ。
     目の前にあるのは、あなたを映す鏡である。
     ――これを裏切りと思うかどうかは、あなた次第だ。p.6

     この文章の位置はここで合っているんだろうか? 本書全体に掛かっているように思えるのだが…。「踊り場の花子」以外にも当てはめるべき但し書きのような位置づけの文章なのだとしたら、「ブランコをこぐ足」と「おとうさん、したいがあるよ」も少し頷ける。「ブランコをこぐ足」で幽霊を見ている人にはそれなりの理由があるように思うし、「おとうさん、したいがあるよ」でそれぞれが見る目の前にあるものに違いがあるのもそれぞれを映す鏡だという示唆だと思えばまだそういったテイストの作品なのだと頷ける。でも、「踊り場の花子」の冒頭にあるということは、全体に対する頭書きではないんだよなぁ…うーん。


    「ブランコをこぐ足」
     すぐに読み返してみて、少し解釈が進んだように思えた。
    「十円一枚、動かす度胸もないくせに」ということは、みのりは自分の意志で十円玉を動かしていたということだ。そして、そのおかげで上の方の友達の中にいられていることも、頭の良いみのりは嫌というほど分かっていただろう。そこに、ユリの嫌がらせだ。「もう嫌だ。どうして?」と叫んで泣き出してしまうのも分かる。
     そして、茜のように、想像してしまったのだろうか。少し大きな怪我をすれば、もっと皆自分自身を見てくれるかもしれない。キューピッド様に呪われたことにすれば、皆が謝ってきてくれて心配してくれるかもしれない。
     本当に呪われたのかどうかは分からないけれど。
     ハイジの歌が引用されている意味は、分からないなぁ。


    「おとうさん、したいがあるよ」
     こちらもすぐに読み返してみたが、解釈が進んだというよりは、謎が増えた感じがした。
     冒頭の、犬小屋の中に初めて死体を見つけたのは、ゴールデンウィークの翌週である。バーベキューのために親族が母方の実家に集まると家が雑然と散らかっており、主人公が祖母が認知症であることを知ったのが、「先週のゴールデンウィーク」と記されている。このゴールデンウィークの日の描写に、家の日めくりカレンダーの日付が随分前のまま忘れられている、とある。
     そしてなんやかんやあって、エピローグ。祖父(おそらく)の弔いのために親族が集まる。日めくりカレンダーの日付は、五月五日。
     さっぱり意味が分からない。久々に母方の実家に集まった日から先は主人公の心の中の物語なのだとしても、五月五日の「この間、一緒に片付けただろう?」という父の言葉からすると、久々に母方の実家に集まった日から数日は経っていると思われる。そりゃゴールデンウィークは長いけどさぁ…わたしの頭ではなんだか全然分からない。


    「ふちなしのかがみ」
     これも良作だ。
     最初、高校生の女の子たちとつるんでいる香奈子がモスコミュールを飲んでいる、という描写で一瞬、ん?と思ったが、未成年でも、こんなバーに出入りしているような子たちは飲酒もするか、と読み流してしまった。
     ラストのどんでん返しは鮮やか。鏡にまつわる怪しげな噂もその気配を残したままに、それでいて読み手がすっきりする形で物語が終わる。良かった。


    「八月の天変地異」
     どこかほっこりする作品。男子たちの関係性は、女子のそれよりオブラートがなく、正直だ。どちらが酷い、というわけではないけれど。女子ほどにねちっこくはないけれど、周りの目を気にして話を合わせるとか嫌な顔を隠して一緒に遊ぶなどということはしてくれないのだろう。
     きっと、こんなふうに嘘をつく子どもはいるだろう。わたしも覚えていないだけで、小さな嘘を重ねてきているかもしれない。自分のなりたい自分と、自分ではどうにもならないように思えてしまう現実の自分との、乖離を埋めたくて、もしくは、ただただ周りに良く見られたくて。そんな子どもの頃の繊細で揺らぎやすく危なっかしい剥き出しの性質を、こんなふうに温かみのある作品に仕上げているのはさすが。

  • トイレの花子さんやコックリさんなど「学校の七不思議」を現代色に再編した短編ホラー作品集。
    舞台は学校。日常の隙間に潜む別世界を描き、ぞわりとするホラー要素が散りばめられていた。特に『踊り場の花子』が入り込めた。
    初辻村深月さん作品でしたが、著者の魅力はもう少し他にありそうなので、別の作品も読んでみます。

  • ホラー苦手だけれど、辻村さんの作品だから頑張って読んだ。怖かった。駄目だ。
    特に「おとうさん、したいがあるよ」が気味悪すぎる。
    最後に「八月の天変地異」があって本当に良かった。

    迷ったけれど、★2つ。

  • 再読。世にも奇妙な物語で「踊り場の花子」が映像化されて、こんな怖くなかったっけ…?と思って引っ張り出してw
    やっぱり、映像より原作の方が怖かった。じんわりと暑い夏の校舎の感じが想像できる文章が好き。
    全て読み返したけど、嫌いな作品が無い短編集。
    特に、「おとうさんしたいがあるよ」の、違う次元に引きずり込まれていく感じと、表題作「ふちなしのかがみ」の騙された感・狂気が好き。

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プロフィール

1980年山梨県生まれ。
千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞をそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第15回本屋大賞の大賞を受賞した。
他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。

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