ダブル・ジョーカー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 452
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003282

作品紹介・あらすじ

D機関シリーズ第2弾が文庫化!

結城率いる異能のスパイ組織”D機関”に対抗組織が。その名も風機関。同じ組織にスペアはいらない。狩るか、狩られるか。「躊躇なく殺せ、潔く死ね」を徹底的に叩き込まれた風機関がD機関を追い落としにかかるが…。

感想・レビュー・書評

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  • ジョーカーゲームシリーズ第2弾。
    結城中佐率いるスパイ組織“D機関”プライド高いスパイ達が暗躍する短編6編。こちらは、対スパイ戦の作品が多いですね。
    「ダブルジョーカー」
    新たな陸軍諜報機関“風機関”を一蹴する結城中佐。
    「蝿の王」
    亡き兄の遺志を継ぎ、ソ連のスパイとなった軍医を暴く。
    「仏印作戦」
    D機関を騙る詐欺集団の罠にハマる電信係を助け出す。
    「柩」
    不慮の列車事故で命を落とすD機関のスパイ。最期にまで任務の隠蔽を遂行する。これに若き日の結城中佐のお姿あり。
    「ブラックバード」
    任務遂行の為、現地で結婚までして完璧な活動をしていたD機関のスパイ。協力者であった腹違いの兄の病死により、アメリカ戦争介入を止められず。
    「眠る男」
    深層記憶を駆使したD機関の協力者を描く。
    殺さず、死なず。彼らの活躍は、洗練されているんですよ。もう、次も読みます。

    • みんみんさん
      死んだのって可愛い顔の人だよね?
      よく出てきた人?
      名前わからないけど。゚(゚´Д`゚)゚。
      死んだのって可愛い顔の人だよね?
      よく出てきた人?
      名前わからないけど。゚(゚´Д`゚)゚。
      2023/05/29
    • おびのりさん
      みーんな、ビジュアルも良いのよ。
      アニメ見た時、誰が誰だかわからないわー。って不服だったのだけど、これは、彼らは誰にでも擬態して、自分の顔を...
      みーんな、ビジュアルも良いのよ。
      アニメ見た時、誰が誰だかわからないわー。って不服だったのだけど、これは、彼らは誰にでも擬態して、自分の顔を持たないって前提だから、顔の区別はできないのよ。
      2023/05/29
    • みんみんさん
      眠る男が文庫書き下ろしだって〜
      文庫で読み直したい…
      眠る男が文庫書き下ろしだって〜
      文庫で読み直したい…
      2023/05/29
  • ジョーカーゲームの続編。
    「D機関」に対抗して、「風機関」設立!
    こっちは、バリバリの帝国陸軍!
    「躊躇なく殺せ!潔く死ね」っ戒律!
    …で、この機関同士の対決がずっと続くのかと思いきや1話だけでした…
    今回も結城中佐の過去、過去に因縁のある敵のエピソードなどの短編集の形で進む。
    短編ばかりだけど、テレビなどのエピソードな感じで面白い。
    「D機関」が、いくら活躍しても、第二次世界大戦に突入してしまうねんな。これが…

  • 相変わらず面白い、サクサク読めるスパイ・エンターテインメント。
    結城率いる「D機関」のスパイを主人公として描かれている作品あり、「D機関」に敵対したり利用されたりする側からの目線もあり、シリーズものでありながら、きちんとバリエーションがあって飽きない。

    エピソード「柩」では、現役のスパイとして活動する若かりし結城の凄みが描かれており、興奮して読んだ。
    また、最後のエピソード「眠る男」は、一作目を読んだ読者へのプレゼントというか、うん、これはシリーズ作品として備えるべき魅力をきちんと備えたエンターテインメントだと思います。

  • 『ジョーカー・ゲーム』に続くD機関シリーズの二作目
    (って、こんなシリーズ名がついているのかは知らないけれどなんとなくで書いてしまった……)

    D機関という存在の特殊性ゆえに、どうしてもどんでん返しが当たり前のお話になってしまうのだけど、どんでん返しが当たり前になったうえでそこから更にどう楽しませるか、というのが徹底されていて面白かったです

    この作品の話ではなく、例えば本の帯に「最後の一行まで油断できない」的な宣伝文句があるとちょっと構えて読んでしまうんですけど、『ダブル・ジョーカー』からはそんな紹介をされたとしてもそれでもなお楽しませてやるぞ!ってなもう一歩先を見据えた心意気を感じました

    短編集なんですけれど、一作品ごとに楽しませ方を工夫されているなぁと
    ワンパターンになりそうなの設定なのにまだまだこんなにも楽しめるのか!という別方向からの驚きも得られました

    この感想を書きつつ柳先生のwikipediaを見てみたら、さらにまだ二冊のシリーズ作品が発売されているようで、どんな楽しませ方をさてもらえるのか読むのが楽しみです
    ……あと、D機関シリーズって名前も使われているみたいでホッとしました(笑

  • ちょっとダークな話もありますが、何となくスカッとする不思議な感じです。D機関が無双するのがヒーロー戦隊ものとかプリキュアを見る感覚に近いのでしょうか。スリルと安心感が短編で味わえるのでお得ですね。

  • 太平洋軍司令部に勤務する元陸軍将校が、交際相手の中国人留学生に核兵器に関する機密を漏らしたらしい。所謂ハニートラップ。32歳下の美女によほど惚れ込んでいたのだろうか。

    ハニートラップなら楽しんだ時間はあるだろうが、こちらに登場するスパイは怖い…。D機関は「死ぬな、殺すな」の教えを部下に叩き込み、相手の裏をかいて暗躍する。どちらかと言えば男性読者に好まれそうなお話である。実際、結城の格好良さには痺れる。

    ハニーどころか謂れのない悪意に陥れられ、仲間は敵陣に特攻隊として派遣されることになり…虎の威を借る狐の作戦に不安ばかりの日々。フィクションならいいが、実際身に降りかかると胃痛のタネだ。

    だからって思い通りになんか、なってやるもんか。

  • ジョーカー・ゲームの続編、ダブル・ジョーカー、結城率いるD機関の考え方は、「死ぬな。殺すな。」が根底にある。片や風戸率いる風機関は、「躊躇なく殺せ。潔く死ね。」陸軍に機密諜報機関は二つ要らない。風機関がD機関を追い落とそうとする。

    表立って結城は登場しないが、結城の存在が顕著に現れた作品群である。先の先の先まで読んで準備をしているのはドイツ軍か、アメリカ軍か、イギリス軍か、はたまた日本陸軍なのか、スパイものの王道だと感じた。

    アメリカ合衆国は嘘をつかないことをワシントンの逸話で子供の頃から教えられるが、正直なのかというと、実際は相当な策士だと思うのである。

    ジョーカーゲームほどのインパクトはなかったが、パラダイス・ロスト、ラスト・ワルツまでは読みたいと思わせられた。

  • 結城中佐率いるD機関スパイの暗躍を描いたシリーズ第2彈。「ダブル・ジョーカー」「蝿の王」「仏印作戦」「柩」「ブラックバード」「眠る男」の6篇収録。

    「ブラックバード」では、スパイの活躍も虚しく、遂に真珠湾攻撃で日米開戦。スパイの役割も終焉を迎える。

  • タロットカード『魔術師』のアルカナには、強い意志、緻密な計画性、機知、適応能力、手腕、外交、策略などの意味があるらしい。
    魔王・結城中佐の現役当時のコードネームが『魔術師』であったことは決して偶然ではないだろう。

    登場は僅かであっても圧倒的な存在感を醸す『D機関』のボス、結城中佐。彼の伝説のスパイ時代と、一瞬垣間見える情を描く『柩』のエピソードが良かった。

    諜報活動の真の成功とはスパイの存在を認知させないことにある。
    その意味において、スパイ組織『D機関』の面々を主人公に据えながらも人物を直接に描くのではなく、背景を塗り、輪郭を丁寧に縁取っていくことによって実像が浮かび上がってくる構成が多いのが、このシリーズの面白いところだ。

    シリーズファンとしては、超人的な集団なので窮地に陥っても必ずや成功するであろうという安心感や慣れが出てくる。しかし、その限りではない。「死ぬな、殺すな」がモットーの組織であっても失敗は死を意味する。

    単行本未収録の『眠る男』は、前作『ジョーカー・ゲーム』を読んだ人ならニヤリとするはず。

    • kwosaさん
      まっき~♪さん

      コメントありがとうございます。

      『柩』は非情であることを恒とするスパイの切なくしびれる話でしたよね。

      『眠る男』は文...
      まっき~♪さん

      コメントありがとうございます。

      『柩』は非情であることを恒とするスパイの切なくしびれる話でしたよね。

      『眠る男』は文庫版のみのボーナストラックといった感じで、本当に短い話です。
      これだけのために文庫買うのもどうかな、と思いつつも、やっぱりニヤニヤしたいですよね。

      『パラダイスロスト』は文庫化まで待つつもりで未読なのですが、読みたくなってきました。
      ほんわかしてるんですか!? 気になります。

      こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。 

      2013/02/11
  • シリーズ第ニ作。『D機関』対『風機関』を描いたダブル・ジョーカーと、結城中佐の過去が明かされる柩が面白かった。

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著者プロフィール

一九六七年生まれ。二〇〇一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で第十二回朝日新人文学賞受賞。〇八年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞。他の著書に『象は忘れない』『風神雷神』『二度読んだ本を三度読む』『太平洋食堂』『アンブレイカブル』などがある。

「2022年 『はじまりの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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