ダブル・ジョーカー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 3235
レビュー : 370
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003282

感想・レビュー・書評

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  • スパイ小説ジョーカーゲームの続編。
    積読を消化活動。前作読んでからしばらく時間が空いてしまったけれど、すごく独特で確立された世界観なので戻りやすかった。
    短編がつながる感じなので、少しずつ読み進めるによいですね。
    戦前頃の日本人というか、世界中でもすごくキチンとしていて、スタイリッシュな感じで好きなんですよね。
    スーツとか洋装をキリッと着こなしている感じがカッコいい気がします。
    今回は主に訓練されたD機関の面々の海外での活躍。ドイツのやつは死んだ後なので、敵側からの視点で進んでいくのもユニークでした。
    最後のアメリカのは、終わりが少しあっけなかった。続きはどうなるのか。。謎なのかもしれないけど。

  • D機関の育成が順調に進んでいる様子が伝わってくる。まずは帝国陸軍内に非地方人で組織された風機関を一蹴する。そしてナチス情報部でさえ手球に取られる。痛快ですらある。前作「ロビンソン」の外伝となる「眠る男」が特別収録されて、なかなか面白い一冊となった。

  • 表題の「ダブルジョーカー」と「柩」意外は、なんだかモヤモヤした話が多い気がした。フィクションなので、スカッとするスパイものを、自分が求めてしまっているのかもしれない。
    現実には失敗もあるし、失敗した時の対策もキチンとしていないと、命取りになってしまう。どちらかというと、そっちの方がリアルだ。
    結城中佐の存在がチラチラ感じるけど、やっぱりスキが無くてカッコイイ。

    39

  • “D機関”の暗躍目覚ましいなか、陸軍内に新たに設立された秘密諜報組織“風機関”。しかしジョーカーは二枚も要らない。陸軍は“風機関”を使って“D機関”の追い落としを図るが――。陸軍内から至極優秀な若者ばかりを集めた“風機関”だが、“D機関”はそれをはるかに凌駕すること、まさに悪魔の如しと言ったところか。表題作『ダブル・ジョーカー』のほか、「わらわし隊」が慰問する中国戦線。その前線に潜む共産スパイを、“笑わぬ男”が追い詰める『蠅の王』。
    日本軍によるインドシナ侵攻前夜のハノイを舞台にした『仏印作戦』。
    ベルリン郊外で起きた列車同士の衝突事故。そこで死亡したひとりの日本人青年の正体とは。“スパイの死”を巡り、ドイツ軍情報部のヴォルフ大佐と、彼が過去に逃した日本人スパイの因縁を描く『柩』。
    “世界が裏返る”……スパイが存在意義・または役目を失い、ただ、一人の青年へと否応なく立ち返ることになるその時を感傷も悲嘆もなく描く『ブラックバード』の全五篇を収録。

    ――この世界には狩るものと狩られる者があるだけだ。

    それはどんなに優秀だろうと、先が見えていようとも、“スパイは歴史を変えられない”が、彼らのもたらす情報は、国と国との戦争の、その状況を大きく変える。だからこそ、スパイの戦いは決死となるが、運命は非情だ。
    一巻目と裏腹に不思議と“D機関”の存在感が薄い。しかし要所要所でスパイの非情な宿命を見せつけるシリーズ二巻目だった。

  • ジョーカー・ゲーム第2弾では、非の打ち所がないように見えて、エリートの自負、過去、理想といった様々なものに足元をすくわれて敗れ去っていく敵味方のスパイたちが描かれる。
    完璧だったはずのものが、ミクロの亀裂によって呆気なく崩れ去る。そんな敗れ去るスパイたちの姿に、憐れみと、一抹の人間味を見たというホッとした感情が同居する。この読後感がクセになる。

  • やはりわくわくする作品でした。
    スパイ対スパイの駆け引きがとても面白く、ページを捲る手が止まりませんでした。

  • 「ダブル・ジョーカー」

    ジョーカー・ゲームの続編!スパイのお話し。
    大成功するスパイもいれば、失敗してしまうスパイもいる。。

    駆け引きがなんとも面白い。

    本当に戦時中はこんなスパイが存在して、他国の情報をリークしたり、二重スパイがいたりして、情報をかき回したりしてたのかなぁ?

  • 正直前作ほどではないかな。やはり、設定に慣れ驚きが少なかった。あり得ない人物設定をここまで読ませる筆力はさすがだが、あまりに非人間的すぎる。近くにいたらお友達にはなりたくない。

    続編読むのどうしようかな。結城中佐の結末を見届けたい気もするが・・・。

  • ジョーカーは、2枚要らない。
    どちらが勝ち残るのかは自明だというのに、こんなにもわくわくする!
    狩るものと狩られるもの。その立場は簡単に入れ替わる。結城中佐かっこいい。素敵。
    スリーパーが、無事眠りに戻れたようで良かった。

  • 短編集。
    「ダブル・ジョーカー」
    同じカードは二枚も要らない。どちらかがスペアだ。
    "D機関"に対抗して作られた"風機関"。
    風戸は、結局スパイ機関を束ねるには経験も器も考え方もすべてが浅すぎた…という感じがした。
    自分の方が優っていると思った時点で、風戸の負けは決まっていたのかもしれない。
    「天保銭は使えない…」
    意味深なこの言葉に込められていた揶揄を、もちろん風戸は知っていた。
    エリート意識の象徴のような天保銭。
    風戸の負けを決定付けたものが、その天保銭だったことが面白い。

    「蝿の王」
    誰の手で、いつ、どんな情報が流れたのかさえ把握していれば、情報戦はむしろ有利に進められる。
    その上、敵の秘密通信手段を使って偽情報を流すこともできるんだ。
    スパイは手にいれた情報を伝えなければ何の意味もない。
    通信手段がとぼしい時代、前線での情報伝達の方法はスパイのレベルの高さを測るほど重要なものだったろう。
    「死ぬな、殺すな」
    結城によって叩き込まれた平時におけるスパイの鉄則。
    …殺したろ。
    何の罪もない人間を、スパイ活動のために殺害し罪の意識もない。
    "D機関"中で徹底されている結城の教えに比べると、他のスパイたちの行動がやけに素人臭く感じてしまう。

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著者プロフィール

1967年生まれ。2001年、『黄金の灰』でデビュー。同年、『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞受賞。『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞。他著に「ジョーカー・ゲーム」シリーズの『ダブル・ジョーカー』『パラダイス・ロスト』『ラスト・ワルツ』や、『新世界』『トーキョー・プリズン』など。

「2018年 『漱石先生の事件簿 猫の巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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