ダブル・ジョーカー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 3235
レビュー : 370
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003282

感想・レビュー・書評

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  • 太平洋軍司令部に勤務する元陸軍将校が、交際相手の中国人留学生に核兵器に関する機密を漏らしたらしい。所謂ハニートラップ。32歳下の美女によほど惚れ込んでいたのだろうか。

    ハニートラップなら楽しんだ時間はあるだろうが、こちらに登場するスパイは怖い…。D機関は「死ぬな、殺すな」の教えを部下に叩き込み、相手の裏をかいて暗躍する。どちらかと言えば男性読者に好まれそうなお話である。実際、結城の格好良さには痺れる。

    ハニーどころか謂れのない悪意に陥れられ、仲間は敵陣に特攻隊として派遣されることになり…虎の威を借る狐の作戦に不安ばかりの日々。フィクションならいいが、実際身に降りかかると胃痛のタネだ。

    だからって思い通りになんか、なってやるもんか。

  • やっぱり滅多なことでは表舞台に出て来ない結城中佐、かっこいいいい!でも、出し惜しみしつつ、ちゃっかり美味しいところは持っていきます。そんな中佐の勿体ぶったような登場の仕方が…好っきやねん…←

    中佐単推し(笑)の私のお気に入りはもちろん、表題作です(^p^)相手を飄々とやり込める中佐が凄く素敵なのです…
    あとはやっぱり、中佐の現役スパイ時代の「柩」でしょうか。敵方の手に落ちて拷問を受けるだって⁈ごちそうさまでーす!←
    と思わせて置いて、やっぱり中佐は若くても中佐なのでした←

    その他の作品は、結城中佐の部下達の活躍っぷりと、その影に見え隠れする中佐のラスボス感をたっぷり楽しむという、前作同様の短編集です。ここまでライトに読めるスパイ物ってないんじゃないかなあ。と思ったけど、そういえば私、スパイ物読んだことほとんどなーい\(^o^)/←←

    時代が徐々に太平洋戦争に近付いてきたのがちょっと気になりました。
    いざアメリカとの戦争始まったら、日本人は敵国で諜報活動ってできないよね、多分。戦時真っ只中の結城中佐の動向がとても気になりました。
    どっちかというと、戦争真っしぐらの軍部とは距離を置いて、停戦or終戦に尽力しそうだよね。っていうのは、夢見過ぎかしら…。見過ぎだな…。



    「躊躇なく殺せ。潔く死ね」
    結城中佐率いる「D機関」の存在を疎む軍部の意向で、もう一つの諜報組織「風機関」が設立された。エリート軍人のみで構成された風機関のメンバー達は、任務遂行の為なら自死も厭うべからずと教育されていた。
    そんなある日、D・風両機関に、同じ任務が与えられる。D機関を失墜させるチャンスに、風のメンバーは意気込むが…。

  • 何事も冷静に、完璧に先回りするD機関に圧倒される。

    「眠る男」は前作との繋がりが絶妙。「ロビンソンクルーソー」が眠りと目覚めの役割を果たし、素敵だ。

  • 2019年、9冊目は、柳広司の出世作、「ジョーカー・ゲーム」シリーズの2作目。

    帝国陸軍内に極秘に設立されたスパイ養成所、D機関。特殊カリキュラムによって一流のスパイを生み出してゆく。

    前作、「ジョーカー・ゲーム」の世界観を踏襲しつつ、スパイ狩り、D機関のトップ結城中佐の過去、等々絡め物語の輪郭を固めつつ、時計の針を動かしてきた。

    007モノ、M-iシリーズ等の、秘密道具駆使した、派手なアクション系スパイものとは、異なり、『デスノート』辺りの心理戦的駆け引き好き向き。

    この流れ(時計の針が進んだコト)、気になる者は、シリーズ、第3段を手に取るしかないじゃん。そぅ言う自分も間違いなく手に取るんだろぅなぁ……。



  • 『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第二弾。
    魔王こと結城中佐率いる諜報機関D機関の陰で、もう一つの諜報組織"風機関"が設立。
    死ぬな、殺すなのD機関に対し、風機関は地方人とは異なる軍人エリートとして、躊躇いなく殺せ、潔く死ねを訓示とする。
    第一次世界大戦から真珠湾攻撃開始までの二重スパイの攻防を綴る五篇の一冊。
    テンポは変わらず、シリーズものでも勢いは衰えず。
    ただ、第一作から読んでないと、五篇目の件は分かりづらいだろな。

  • 2019/1/10読了


    ジョーカーゲーム続編
    D機関のだれかは死んだだろうか、魔王の過去だろうか
    まるで泡のように不確かなスパイの面々で、D機関のだれがどこに潜んでいるか
    読者自身も踊らされているようだ。
    「ダブル・ジョーカー」スパイという新たなツールにおいても対立するストーリーは面白い。
    ・・敵となるDスパイが出てこないあっけなさも含めてかなり爽快。
    戦争の幕は切って落とされた。
    読む順番は逆となったが、ここからパラダイス・ロストへとつながる。
    エンターテイメントとしてもある意味軍略物としても
    読み応えのある小説でした。

  • 表題作の「ダブル・ジョーカー」と最後の「眠る男」が特に好みです。
    「眠る男」がとてもスパイ小説っぽいですね。
    「ダブル・ジョーカー」のライバル組織との対決あたりも、このシリーズでは異端な感じもしますが、爽快感がありました。
    戦争の結末がわかっているだけに、D 機関のメンバーの今後がどうなるか心配というか、なんというか。

  • ジョーカーゲーム第2弾
    面白かった

    前作同様6本の短編からなる物語
    ■ダブルジョーカー
    D機関の追い落としを狙う別組織。
    結果は、もちろんD機関に軍配が上がるわけですが、それに至る経過がやはり面白い。
    今回は、女中さんがキーポイント!

    ■蠅の王
    慰問公演に絡んで、スパイを摘発します。二重スパイは誰かというところより、その摘発者が誰かというところが物語のポイント
    当時の共産主義の考え方も参考になります

    ■仏印作戦
    陸軍と海軍の軋轢から、無線機を持たない陸軍の通信使として、一般人が巻き込まれます。
    そして、そのままスパイの通信にも巻き込まれていきます。
    暗号通信の解読のための仕掛けが面白い

    ■柩
    魔術師と言われていたスパイ時代の結城中佐が描かれます。
    ドイツでの拘束、そして脱出劇

    ■ブラックバード
    アメリカ西海岸でのスパイ活動。バードウォッチングを使って、中枢に入り込みます。いろんなトラブルありながらも、実は自分のストーリの中と思いきや、大きなミスを犯すことになります。

    ■眠る男(特別収録)
    これは前作のロビンソンの裏話だと思います

    本作も、のめりこみました。
    心に残る様なエピソードやヒューマンドラマはありませんが、エンターテイメントとして楽しめます。
    アニメになっているのもわかります。

    お勧め

  • 人から勧められてこの本から読み始めたので、シリーズ二作目と知ってちょっと驚き。まず一作目を読まなければ。読みやすかったけれど、あまりよくわからず最後までいてしまった感じです。

  • シリーズ二作目。
    結城中佐の魔術師ぶりが如何なく発揮されています。今作もかっこよかったです。

著者プロフィール

1967年生まれ。2001年、『黄金の灰』でデビュー。同年、『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞受賞。『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞。他著に「ジョーカー・ゲーム」シリーズの『ダブル・ジョーカー』『パラダイス・ロスト』『ラスト・ワルツ』や、『新世界』『トーキョー・プリズン』など。

「2018年 『漱石先生の事件簿 猫の巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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