ダブル・ジョーカー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 3228
レビュー : 370
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003282

感想・レビュー・書評

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  • タロットカード『魔術師』のアルカナには、強い意志、緻密な計画性、機知、適応能力、手腕、外交、策略などの意味があるらしい。
    魔王・結城中佐の現役当時のコードネームが『魔術師』であったことは決して偶然ではないだろう。

    登場は僅かであっても圧倒的な存在感を醸す『D機関』のボス、結城中佐。彼の伝説のスパイ時代と、一瞬垣間見える情を描く『柩』のエピソードが良かった。

    諜報活動の真の成功とはスパイの存在を認知させないことにある。
    その意味において、スパイ組織『D機関』の面々を主人公に据えながらも人物を直接に描くのではなく、背景を塗り、輪郭を丁寧に縁取っていくことによって実像が浮かび上がってくる構成が多いのが、このシリーズの面白いところだ。

    シリーズファンとしては、超人的な集団なので窮地に陥っても必ずや成功するであろうという安心感や慣れが出てくる。しかし、その限りではない。「死ぬな、殺すな」がモットーの組織であっても失敗は死を意味する。

    単行本未収録の『眠る男』は、前作『ジョーカー・ゲーム』を読んだ人ならニヤリとするはず。

    • まっきーさん
      こんにちは。
      フォローありがとうございます。

      「柩」重厚でしびれるお話でしたね。
      私もこの巻の中で一番印象に残っています。

      単行本未収録...
      こんにちは。
      フォローありがとうございます。

      「柩」重厚でしびれるお話でしたね。
      私もこの巻の中で一番印象に残っています。

      単行本未収録の『眠る男』が文庫には掲載されているんですか?
      気になり過ぎます。。。文庫買おうかな。

      パラダイスロストがちょっとほんわかしていた分、
      早く続きが読みたいですね。

      これから、どうぞよろしくお願いします。


      2013/02/10
    • kwosaさん
      まっき~♪さん

      コメントありがとうございます。

      『柩』は非情であることを恒とするスパイの切なくしびれる話でしたよね。

      『眠る男』は文...
      まっき~♪さん

      コメントありがとうございます。

      『柩』は非情であることを恒とするスパイの切なくしびれる話でしたよね。

      『眠る男』は文庫版のみのボーナストラックといった感じで、本当に短い話です。
      これだけのために文庫買うのもどうかな、と思いつつも、やっぱりニヤニヤしたいですよね。

      『パラダイスロスト』は文庫化まで待つつもりで未読なのですが、読みたくなってきました。
      ほんわかしてるんですか!? 気になります。

      こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。 

      2013/02/11
  • 前作と同様、読みやすくておもしろい。けど、前作ほどの興奮というかワクワク感はなかったかな。短編だからサクサク進んでいいんだけど、もうちょっと深く読みたい気もする。

    『眠る男』は途中からもしかしてと思ったけど、やっぱりそうだった。前作を読んだときは、シルエットでしか想像していなかったスリーパーが、一人の人間として浮かんできて、「こう見せるか~」という感じでオチがかっこよかった。

  • 面白いけど、もう少し裏切りと展開がほしかった。
    結城中佐の過去を見れたのはよかった

  • 前回読んだ時に、第1弾でやめた自分を殴りたい(笑)
    とてもおもしろいじゃないかっ!
    今回はD機関のライバルが出てきたり、結城中佐の過去がわかったりと、盛り沢山でした。
    それにしてもいつも「この話に、D機関はどんな風に絡んでくるんだ?」とワクワクさせてくれるなあ。
    最後の「眠る男」も、「あっ、あの話のB面的な!?」と嬉しくなっちゃいました。

  • ジョーカーゲームの時のように、d機関無双…というほどでもなかった。冷たい血が流れているような人間味が失われたスパイでも、ひょんな事から人間味が出てきてしまうところもある。人間こ脆さのようなものを感じた。

  • 「ジョーカーゲーム」シリーズの第2作目。またも一気読みしてしまった。ブラックバードがお気に入り。顔のイメージを一瞬一瞬変化させることで他者に残る印象をぼかすとか、そんなことできるのか…?
    「何者にもとらわれず、自分自身の目で見ること」

  • 全エピソードにわたる空気感がたまりません。
    眠る男がお気に入り。

  • D機関第2弾。
    前回よりD機関の主役度は少し下がるが、だからこそ影でちらつく存在感が恐ろしい。
    さくっと読めるのに1話1話が充実していて大満足。
    文庫化する際に追加されたという眠る男は、1巻とのリンクがあり、これまたD機関ファンには嬉しいはず。
    第3弾もあるとのことで、購入決定ー。

  • ダブル・ジョーカー
    柳 広司
    2009年八月刊行
    2018年7月15日読了

    ジョーカー・ゲームの続編。
    結城中佐が設立した陸軍内の極秘スパイ集団「D機関」それに対抗する形で、陸軍内にもう1つの諜報組織が設立された。通称「風機関」。
    「死ぬな、殺すな」を徹底的に叩き込むD機関に対して風機関は「殺せ、死ね」の精神であった。
    D機関と風機関を扱ったダブルジョーカー。
    結城中佐が現役時代に活動したドイツでの話「柩」ほか、ベトナムを舞台にした仏印作戦。など。ジョーカー・ゲームの某作品の裏話となる作品も短いけど良かった。

    第一次、第二次世界大戦における情報戦にフォーカスしたスパイミステリー第2弾。全6篇。
    面白かった。

  • ジョーカーゲーム シリーズ第2弾。

    スパイ活動の中でも、特に予期せぬ状況となったとき、
    どのように打開していくかが多く描かれていた印象。

    D機関のターゲットとなった者からの描写も面白かった。スパイ側から見ていたときは、やってしまえと煽ってもいたが、いざ相手側に立つと、音もしないその恐怖たるや。そして気付いたときには全てが終わっているのだから、
    たまったもんじゃない。

    「執われるな」この精神は読者も意識しておかないと
    物語の些細な機微をきっと見逃してしまう。

著者プロフィール

1967年生まれ。2001年、『黄金の灰』でデビュー。同年、『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞受賞。『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞。他著に「ジョーカー・ゲーム」シリーズの『ダブル・ジョーカー』『パラダイス・ロスト』『ラスト・ワルツ』や、『新世界』『トーキョー・プリズン』など。

「2018年 『漱石先生の事件簿 猫の巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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