ダブル・ジョーカー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 453
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003282

感想・レビュー・書評

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  • ジョーカーゲームシリーズ第2弾。
    結城中佐率いるスパイ組織“D機関”プライド高いスパイ達が暗躍する短編6編。こちらは、対スパイ戦の作品が多いですね。
    「ダブルジョーカー」
    新たな陸軍諜報機関“風機関”を一蹴する結城中佐。
    「蝿の王」
    亡き兄の遺志を継ぎ、ソ連のスパイとなった軍医を暴く。
    「仏印作戦」
    D機関を騙る詐欺集団の罠にハマる電信係を助け出す。
    「柩」
    不慮の列車事故で命を落とすD機関のスパイ。最期にまで任務の隠蔽を遂行する。これに若き日の結城中佐のお姿あり。
    「ブラックバード」
    任務遂行の為、現地で結婚までして完璧な活動をしていたD機関のスパイ。協力者であった腹違いの兄の病死により、アメリカ戦争介入を止められず。
    「眠る男」
    深層記憶を駆使したD機関の協力者を描く。
    殺さず、死なず。彼らの活躍は、洗練されているんですよ。もう、次も読みます。

    • みんみんさん
      死んだのって可愛い顔の人だよね?
      よく出てきた人?
      名前わからないけど。゚(゚´Д`゚)゚。
      死んだのって可愛い顔の人だよね?
      よく出てきた人?
      名前わからないけど。゚(゚´Д`゚)゚。
      2023/05/29
    • おびのりさん
      みーんな、ビジュアルも良いのよ。
      アニメ見た時、誰が誰だかわからないわー。って不服だったのだけど、これは、彼らは誰にでも擬態して、自分の顔を...
      みーんな、ビジュアルも良いのよ。
      アニメ見た時、誰が誰だかわからないわー。って不服だったのだけど、これは、彼らは誰にでも擬態して、自分の顔を持たないって前提だから、顔の区別はできないのよ。
      2023/05/29
    • みんみんさん
      眠る男が文庫書き下ろしだって〜
      文庫で読み直したい…
      眠る男が文庫書き下ろしだって〜
      文庫で読み直したい…
      2023/05/29
  • ジョーカーゲームの続編。
    「D機関」に対抗して、「風機関」設立!
    こっちは、バリバリの帝国陸軍!
    「躊躇なく殺せ!潔く死ね」っ戒律!
    …で、この機関同士の対決がずっと続くのかと思いきや1話だけでした…
    今回も結城中佐の過去、過去に因縁のある敵のエピソードなどの短編集の形で進む。
    短編ばかりだけど、テレビなどのエピソードな感じで面白い。
    「D機関」が、いくら活躍しても、第二次世界大戦に突入してしまうねんな。これが…

  • 『ジョーカー・ゲーム』に続くD機関シリーズの二作目
    (って、こんなシリーズ名がついているのかは知らないけれどなんとなくで書いてしまった……)

    D機関という存在の特殊性ゆえに、どうしてもどんでん返しが当たり前のお話になってしまうのだけど、どんでん返しが当たり前になったうえでそこから更にどう楽しませるか、というのが徹底されていて面白かったです

    この作品の話ではなく、例えば本の帯に「最後の一行まで油断できない」的な宣伝文句があるとちょっと構えて読んでしまうんですけど、『ダブル・ジョーカー』からはそんな紹介をされたとしてもそれでもなお楽しませてやるぞ!ってなもう一歩先を見据えた心意気を感じました

    短編集なんですけれど、一作品ごとに楽しませ方を工夫されているなぁと
    ワンパターンになりそうなの設定なのにまだまだこんなにも楽しめるのか!という別方向からの驚きも得られました

    この感想を書きつつ柳先生のwikipediaを見てみたら、さらにまだ二冊のシリーズ作品が発売されているようで、どんな楽しませ方をさてもらえるのか読むのが楽しみです
    ……あと、D機関シリーズって名前も使われているみたいでホッとしました(笑

  • ちょっとダークな話もありますが、何となくスカッとする不思議な感じです。D機関が無双するのがヒーロー戦隊ものとかプリキュアを見る感覚に近いのでしょうか。スリルと安心感が短編で味わえるのでお得ですね。

  • 結城中佐率いるD機関スパイの暗躍を描いたシリーズ第2彈。「ダブル・ジョーカー」「蝿の王」「仏印作戦」「柩」「ブラックバード」「眠る男」の6篇収録。

    「ブラックバード」では、スパイの活躍も虚しく、遂に真珠湾攻撃で日米開戦。スパイの役割も終焉を迎える。

  • タロットカード『魔術師』のアルカナには、強い意志、緻密な計画性、機知、適応能力、手腕、外交、策略などの意味があるらしい。
    魔王・結城中佐の現役当時のコードネームが『魔術師』であったことは決して偶然ではないだろう。

    登場は僅かであっても圧倒的な存在感を醸す『D機関』のボス、結城中佐。彼の伝説のスパイ時代と、一瞬垣間見える情を描く『柩』のエピソードが良かった。

    諜報活動の真の成功とはスパイの存在を認知させないことにある。
    その意味において、スパイ組織『D機関』の面々を主人公に据えながらも人物を直接に描くのではなく、背景を塗り、輪郭を丁寧に縁取っていくことによって実像が浮かび上がってくる構成が多いのが、このシリーズの面白いところだ。

    シリーズファンとしては、超人的な集団なので窮地に陥っても必ずや成功するであろうという安心感や慣れが出てくる。しかし、その限りではない。「死ぬな、殺すな」がモットーの組織であっても失敗は死を意味する。

    単行本未収録の『眠る男』は、前作『ジョーカー・ゲーム』を読んだ人ならニヤリとするはず。

    • kwosaさん
      まっき~♪さん

      コメントありがとうございます。

      『柩』は非情であることを恒とするスパイの切なくしびれる話でしたよね。

      『眠る男』は文...
      まっき~♪さん

      コメントありがとうございます。

      『柩』は非情であることを恒とするスパイの切なくしびれる話でしたよね。

      『眠る男』は文庫版のみのボーナストラックといった感じで、本当に短い話です。
      これだけのために文庫買うのもどうかな、と思いつつも、やっぱりニヤニヤしたいですよね。

      『パラダイスロスト』は文庫化まで待つつもりで未読なのですが、読みたくなってきました。
      ほんわかしてるんですか!? 気になります。

      こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。 

      2013/02/11
  • シリーズ2作目。
    色んな立場の人の目線でD機関を見るのが面白い。
    「眠る男」を読んだらまたジョーカー・ゲームを読み返したくなった。

  • スリルを糧に、自分は人より賢いんだという矜恃で生きる人たち。出し抜くこと、自分自身を賢いと思ってる他人をコントロール下に置くことが三度の飯より好き。でも戦争には負ける事実は変えられないし、最終章ではどうなるんだろう。

  •  今回読んだ物語の多くがアニメ化されていないが、どの話も常に緊張感がある展開で面白く読めた。本作最初の話である『ダブル・ジョーカー』p12は、岡崎久彦『戦略的思考とは何か』(中公新書)で指摘された内容が如実に反映されている。それは日本が日清戦争と日露戦争で勝利した経験から根拠なき自信をつけてしまい、反省を怠ったことである。それが今回の話のように、諜報活動が重視される現状の世界情勢を無視して、組織が膠着状態に陥る。 
     スパイとは周囲から関心を寄せないように工夫を凝らさなければならないと前作でも再三言われてきたが、本作の後半に収録される「ブラック・バード」を読むと、スパイとは平時だからこそ役目を果たせると実感できる。この話を最後まで読むとわかるが、いざ国家間の戦争が開始されると、それまでの努力が一瞬にして水の泡となるのだ。物語の終盤、日米との戦争が始まり(今回は真珠湾奇襲による太平洋戦争の開始)、アメリカ側が国内に潜む外国人を一斉に摘発する方策をとり、それを受けて、この話の主人公は最後に逮捕されてしまう。このように、諜報活動はたとえ過酷な選抜試験を突破した強者集団だとしても、強大な組織、国家の前には抗えないという個の限界が垣間見える。

  • 前作と同様、読みやすくておもしろい。けど、前作ほどの興奮というかワクワク感はなかったかな。短編だからサクサク進んでいいんだけど、もうちょっと深く読みたい気もする。

    『眠る男』は途中からもしかしてと思ったけど、やっぱりそうだった。前作を読んだときは、シルエットでしか想像していなかったスリーパーが、一人の人間として浮かんできて、「こう見せるか~」という感じでオチがかっこよかった。

  • ジョーカーゲームの時のように、d機関無双…というほどでもなかった。冷たい血が流れているような人間味が失われたスパイでも、ひょんな事から人間味が出てきてしまうところもある。人間こ脆さのようなものを感じた。

  • ハードボイルドだ。。。

    やっぱり男性向けの小説だなぁと思う。
    読みにくいわけではないが、自分はあまり得意ではない。

    短編だし、好きな内容ではないのに最後まで読んでしまった。
    最後まで読ませる何かがあるんだろうなぁ・・・。

    最後の一話にホっとして、★★★★。
    ↑こういう一話は大好きだ!

  • ジョーカー・ゲームの第二弾。
    間違いない面白さ。D機関の活躍を夢中になって読んだ。

  • やっぱり面白い。
    前作よりも、スパイの危機的瞬間が描かれていた気がした。
    いつなん時も自分を曝け出せない孤独の中に生きているんだなあ。

  • 前作に続き、面白いです。

  •  前作はD機関で養成されたスパイの視点での物語が多かったが、今作はD機関のスパイたちに接触した人物たちの視点で進められる話が多い。結城中佐の過去のエピソードが読める「柩」や表題作「ダブル・ジョーカー」、パールハーバー直前のアメリカでのスパイ活動を描く「ブラックバード」が好み。日中戦争時の陸軍の話なのに血生臭さは少なく、また人が死ななくても面白い。
     結城中佐やD機関のスパイの面々が前面に出てくる話がもっと読みたいので、次作に期待。

  • ジョーカーゲームの続編

  • 面白いけど、もう少し裏切りと展開がほしかった。
    結城中佐の過去を見れたのはよかった

  • 前回読んだ時に、第1弾でやめた自分を殴りたい(笑)
    とてもおもしろいじゃないかっ!
    今回はD機関のライバルが出てきたり、結城中佐の過去がわかったりと、盛り沢山でした。
    それにしてもいつも「この話に、D機関はどんな風に絡んでくるんだ?」とワクワクさせてくれるなあ。
    最後の「眠る男」も、「あっ、あの話のB面的な!?」と嬉しくなっちゃいました。

  • あっというまに読み終わった第2弾。3巻目は単行本買ってしまいそう。表題作は、ライバル機関がでてきての戦いだったけど、そこは結城中佐率いるD機関。あっぱれ!柩もすごくよかった。今度はもっと昔の結城中佐のお話も読んでみたい。

  • 「ジョーカー・ゲーム」の続編。
    前作も丁々発止のやり取りにディテールや時代の雰囲気にも感心したけれど、今回は“風機関”とかモスクワのスパイやらナチスなど対抗馬が出てきたため、それらを出し抜くD機関の鮮やかさが目立ち、またまたなかなか楽しめた。

  • ライバル的立ち位置の集団が出てきたので期待していたが、対抗勢力になり得ないレベルだったので、ちょっと残念だった。

  • シリーズ二作目。
    ジョーカーゲーム同様、スッキリ気持ちよく読める。

    スパイ刈りや二重スパイも登場。
    結城中佐の現役時代の話も登場。
    あー、しかし第二次世界大戦へ…

  • 一作目の方がややワクドキ感があったかな。
    才能ある者の傲慢さや不遜さがないと、今の軟弱な世の中でこんなにハラスメントに富んだ仕事は成り立たないだろうな。
    今もスパイはいれるんだろうか?

  • 1作目に続き相変わらずの世界観。D機関のメンバー達のそれぞれの暗躍が短編集として描かれているため読みやすくもある。さて、この物語はこのあとどんな山場を迎え、どんなエンディングを迎えるのだろうか。

  • ジョーカー・ゲームの続編、「ダブル」の示すところは第二のスパイ組織との対峙。前作と比較してかなり高度な物語構成になり、難解なところもありつつ、読み応えあった。

  • 柳広司による戦前のスパイ小説・第2弾。

    舞台が海外になり、時代も太平洋戦争となり、D機関がよりリアリティを感じた。

  • 「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第二弾。前作が面白かったので、本作を読みましたが、期待どおり楽しめました。

  • 再読。
    D機関シリーズ2作目にして、
    この作品の真髄が収録されてるなぁ…。
    『死ぬな、殺すな、とらわれるな』
    学生たちが叩き込まれた戒律に対して、
    「柩」と「ブラックバード」で深掘りされてる。
    前作紹介でも書きましたが大枠としては
    スパイ養成学校D機関卒の
    スパイたちが各国に飛んでからの任務のお話です。
    敵国視点で語られたり、
    キツネ狩りからの視点で語られたり、
    D機関のスパイの視点で語られたり。
    わたしはこのスパイ視点の話が好きで、
    最後の「ブラックバード」がとても好き!
    そして、この話はとらわれることが副題になってるけど
    毎度このシリーズの最後はこういう話が多いかも。
    アニメでは実井さんが好きなので、
    表題作「ダブル・ジョーカー」回は歓喜でしたね…!

  • なんでこの作家はこんな物語を紡げられるんやろう。すごすぎる。こんなスパイもん読んだら、ジェームス・ボンドなんかおこちゃまに思えてくるやんか。しかも「反戦」。戦争勃発を食い止めるためにDを設立したとは!
    ところで映画バージョンも観たけど最悪やった。「死ぬな殺すな」なんか完全に無視されてたし。亀梨もロン毛じゃなかったら、ほんまぶっさいくやった(笑)以上。さ、つぎいこか。

著者プロフィール

一九六七年生まれ。二〇〇一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で第十二回朝日新人文学賞受賞。〇八年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞。他の著書に『象は忘れない』『風神雷神』『二度読んだ本を三度読む』『太平洋食堂』『アンブレイカブル』などがある。

「2022年 『はじまりの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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