氷点(下) (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 2893
感想 : 182
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003398

感想・レビュー・書評

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  • 10代の頃
    本を手に取るきっかけ
    読み続けるきっかけ

    道標の本

  • 夏枝が陽子に出生のことを話した場面から、急展開にストーリーが進んでいき、突然の陽子の遺書に唖然とした。
    「氷点」の意味が陽子の遺書の中で始めて明かされたことにひどく感銘を受けた。何人もの人々の微かな恨みや憎しみの心が積み重なり悲劇を生むトリガーになってしまうのかな?と思った。
    キリスト教の教理である「原罪」という問題を現代に表示し、問題の深さを投げかける作品。(解説抜粋)

  • 最後のクライマックスまで凄まじい。
    「続」氷点も読んでみよう。

  • 読み進めるうちに、結末が見える。それでもどんどん読み勧めてしまう。やっぱりか、と思うはずなのに、ドキドキしている。
    濃いキャラが引き起こすカオスな物語の中にある、「汝の敵を愛せよ」と言う言葉をどう捉えるか、と言うテーマ。実際に敵を愛すことはできるのか。そもそも敵とは一体何なのか。考えさせられる。

  • 答辞はとても感動するシーン。
    続があるのか… 恐ろしそうなので少し間を空けよう。

  • 陽子はすごいわ。
    負けない強い力が一人の女性として美しい。

  • 陽子の自殺と言う一つの問題提起のために進み、終わる。そこから人が人として生きていることの原罪についてどのように考えるのかが試されている。加害者家族がバッシングされる背景には、人の行動は育てたものの責任だと言う意識があり、加害者家族がおそろしがられるのには、人の意志は全て遺伝で決まっているという偏見がある。どんな環境でも、どんないじめを受けていても曲がらずに一生懸命生きていけるのだと考えていた陽子は、強く、人としての清さがある。しかし、その考えは、自分の過ちや原罪を受け入れられない潔癖で支えられていた。陽子は犯人の子でも犯人の子でなくてもいつかはこうなっていた、と私も思うのである。人の過ちを赦すには、自分の過ちを赦せるようにならなくてはならないのだと思う。そういう意味で陽子は、本当の意味で夏枝や啓造を赦せていないのではないのだろうか。

  • 下巻は、あっという間に物語は進展

  • 登場人物は少なめだけど、ともかく村井だろう。村井を語らずして氷点は語れず、である。
    一言で言えば鬼畜である。勤務先の病院の医院長の奥さんに言い寄る。まぁこれくらいはあるかもしれん。医者も2,3人の小規模経営でも、鬼畜とまでは言えん。
    次は奥さんをうまくたらしこめないから、看護婦の弱みに付け込んで犯す。これはなかなかであろう。しかも1回とかではなく、定期的に。作者の言葉を借りれば凌辱である。凌辱ですよ、奥さん。なかなか使いませんわ、この言葉は。
    そしていい加減年貢の納め時ということで結婚することになって、良かったと結婚祝いに来た看護婦を再び犯す。むむむ。エロビデオの見過ぎではないか。
    そして、この凌辱っぷりを、医院長と奥さんの前でぶちまける。いやー、ちょっとおかしいよね。
    他にも父親は娘の下着姿で発情するわ、母親は息子の友達に発情するわ、いや北海道ヤバい。

  • 久しぶりに読みましたが、描写にひきこまれてしまいました。
    誰もが苦しみ、果たして救いがあるのかという話ですが、なぜか読み返したくなる作品です。
    (Kindle)

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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