陀吉尼の紡ぐ糸 探偵・朱雀十五の事件簿1 (角川ホラー文庫)
- KADOKAWA (2012年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041003480
作品紹介・あらすじ
昭和9年、浅草。神隠しの因縁まつわる「触れずの銀杏」の下で発見された男の死体。だがその直後、死体が消えてしまう。神隠しか、それとも…?一方、取材で吉原を訪れた新聞記者の柏木は、自衛組織の頭を務める盲目の青年・朱雀十五と出会う。女と見紛う美貌のエリートだが慇懃無礼な毒舌家の朱雀に振り回される柏木。だが朱雀はやがて、事件に隠された奇怪な真相を鮮やかに解き明かしていく。朱雀十五シリーズ、ついに開幕。
感想・レビュー・書評
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中盤からのぐらぐらが読んでて心地よい悪夢。ベラドンナの時も思ったけど、不安定な視点の描写がすごく好きかも。バチカンと違い科学的な話はあんまりなく、文学的だったり民俗学的だったりな小話がチラチラ出てくるのも楽しい。でも意外なところで繋がってくるので油断ならない。
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京極夏彦感をかなり感じる。時代設定が近いというだけでなく、登場人物の役割やら落ちの付け方なんかも似ているので、作者本人がかなり影響を受けているのではないだろうか。しかし、京極夏彦の方がずっとレベルが上だと云わざるを得ないかな。
集中できていなかったからかもしれないが、話がぽんぽん飛んですごく分かりにくかった。最後の種明かし部分読むまで、どういう流れで話が進んできたのかよくわからずイライラしてしまった。落ちもかなり強引。朱雀の盲目設定は今のところ特に必要性を感じないものだが、次巻以降何かあるんだろうか。多分読まないけど… -
登場人物が誰が誰かわからんくなる。話が回りくどい。でも一気に読んじゃった。
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読みごたえありました。面白かったです。2、3と次々出版されるようなので次作が楽しみです。
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新しいものと古いものとが交差する昭和初期。
神隠しや吉原、士官などが上手く絡んできて面白いなと。
東さんの性格が学生の頃とかなり変わってしまっていたことが、さみしくもありましたが、それがこの時代なのかな。 -
藤木さんのお話に共通するのは、中盤なぜか数ページ読み飛ばしたくなること。推理は一切しない前提ミステリーとして読んでるからか、種明かしが早くよみたくなってしまう。種明かしっていうのは、金田一みたいなトリックの明かしではなく、その背景。陰謀とか政治とか。実際の歴史とつながって終わるのがいつもたまらない。バチカンはヨーロッパ、このシリーズは戦前日本。私、こっちのがたまらなく好き。本筋とは違うが終盤に出てくる「いまの政治家には欲だけでビジョンがない、それが問題なんだ。しかし軍は頭は悪いがビジョンを持っている。」という部分がかなり印象的。
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ノベルスで買ってたのになあ。
THORES 柴本さんの表紙は反則…今後、新刊も文庫なら、
最初からまた揃えるしかないわ…orz -
本を手に取り物語を読み始めた瞬間、読者は異世界への扉を開ける。
一冊の本に詰まっているのは、どこまで行っても終わりのないような異世界の出来事である。
舞台は昭和9年の浅草。
かつてこの地で起きた神隠しをプロローグに、幻想的な物語は幕をあける。
主人公である朱雀十五は盲目だがそれをまったく感じさせない立ち振る舞いと言動で、初めて会った柏木を翻弄する。
捉え所のない朱雀という人物が何を考え、何を手がかりに真相に迫っていくのかは描かれていない。
だが、鋭い洞察力で目には見えないものから真実を探りだしていく。
物語は怪奇小説のようでもあり、ミステリーでもあり、面白く読むことができた。
しかし気になる点がなかったわけではない。
歴史的な背景として描かれている「既定の事実」には現在では賛否両論がある。
物語が執筆された時期を考えると仕方がないのかもしれないが、それでも何となく引っ掛かりを覚えてしまった。 -
前置きが長いような気もしましたが、だんだんと進むにつれて謎が気になり一気に読んでしまいました。推理は少し強引なようにおもえました。全体としてはまぁまぁな印象です。