友情・愛と死 (角川文庫)

  • 角川書店
3.43
  • (10)
  • (8)
  • (40)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 171
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004043

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 友人の事を考えて思ったり、悩んだり 好きな人の事をこんなに想う事っていまありますか?恋愛小説だけど悲しい。この古さが新鮮です。

  • 友情 と 愛と死 の二編からなる。わりとタイトル通り。
    まず、友情について。この主人公は友人の美しい妹である杉子に見惚れてから彼女に結婚願望を抱き続ける。が、どうもすぐに妄想に取りつかれてしまうらしく、もし彼女と夫婦だったならこういうシーンで彼女はこんな反応をしてくれるだろう、というように実際に見たこともないのに杉子を非常に神格化する。そりゃ、杉子も引くわ…。
    だが杉子も杉子で、「なぜ私なんかがこれほどまでに野島さんから好かれるのかわからない」と迷惑そうにカマトトぶりつつも、想いを寄せる大宮に対しては押しまくってついに恋を成就させる。このような行動は、なぜ好かれるのかわかっていなければできないことだ。周りの女よりは容姿が優れてて愛嬌があるくらいの自覚はあるがゆえの行動だ。杉子の抜け目のなさを見抜けなかった主人公がここで少しかわいそうになった。が、最後の決意表明はよかった。やっぱりそうでなくっちゃ。

    愛と死については、こちらは友情と違って主人公の恋は成就する。恋愛描写よりは、この時代を生きる人の、勉強する意志と日本賛美、日本に対する可能性を語る描写に惚れる。作者の思いが伝わってくるようだ。
    「地球の形が球でよかった」というセリフが、まさしくそれを表している。

  • どちらも恋に苦しむ男のはなし。
    人間の醜い部分、いわゆる人間の小ささが細かく描写されているが、結論は見えてるし、なぜこれが後世まで語り継がれる名作なのか、よく分からない。

  • 借りて読んだ。
    こういうのはあまり読まないので新鮮。古い時代のことなのに今と似たやりとりもあって、逆に今にはない落ち着いた感もあってふしぎ。
    どちらも叶わない恋で、切なくて悲しいけど読んで良かった。

  • 手紙のテンションすごい。この折り返しの写真にある武者小路さんが、この顔でテンションMAXの夏子の手紙を書いたかと思うと微笑ましいような気すらします。話の運びもこうなるだろうという展開を全く裏切りません。

  • 子どものころに読んだ感想と違って、今読むとすごく痛さがわかる。

  • もう幾度か目の再読。
    やはり、読むたびにいいと思う。
    特に愛と死は涙なくして読めない。
    夏子が余りにも愛らしくて、二人の出会いや将来を無垢に信じるそのピュアさに心が揺さぶられる感じがする。
    一度は読んでもらいたい名作。

  • 日本の青春の美そのもの。噂には聞いていたがやっぱりすごかった。

  • 「自分は生きているだけの資格があって生きているのではないのです。貴いものが死ぬのです」
    主人公の心理が丁寧に書かれています。
    『愛と死』はどちらかがいずれ死ぬと分かっているだけに、睦まじくしている描写が切なく感じられました。
    友情は小説としてのエンタテイメント性がありますが、愛と死のほうが当時の渡仏の様子と、作者の思想や生死観が窺えて面白かったです。
    題を見ていくらか耽美的なものかと思っていましたが普通の恋愛小説で、文章も意外と現代的で簡単なものです。

  • 「友情」

    野島は友人の妹、杉子に恋をする。
    自分には何か才能があると思いつつも、混沌としてそれを表にだせない。
    そんな不器用で真面目な若者らしく、非常に不器用な恋である。
    親友の大宮にもさんざん相談に乗ってもらうのだが…

    後半は夏目漱石の「こころ」と対比させて読むと面白みが増すと思う!

    恋愛って相手に向くベクトル(相手のことをもっと知りたい・喜んで欲しい)と自分に向くベクトル(自分を磨きたい、どう思われているのか気になる)があると思うんだけど、
    この野島の恋については、ベクトルがほとんど自分に向かっているのが特徴的。
    相手に見合うように自分を磨かねば・・・と。
    恋愛に慣れていないとありがちなんだろうけどねー
    頭でっかちで不器用で未熟で…そんな自分からしてみれば、野島は気持ち悪いけど憎めない(笑

    野島は現代に生きていたら、二次元のキャラクターに萌えていたかもしれない。
    森見登美彦「太陽の塔」の主人公ともちょっと似ている?
    自分は人と違う何かをもってる、と信じているあたり、結局そのへんの若者と変わらんのよねー。

    大宮の器の大きさが素敵だ!
    やはりいい男とは器の大きさだな(笑


    「愛情」
    遠距離恋愛の男女の話。
    主人公は恋人の夏子を置いて、パリに行くことになった。
    その2人の手紙交換の様子がとてもなごむ。
    「友情」に比べて爽やかでほのぼのする感じ。

    夏子の一途さが可愛くて仕方がない。
    夏子は大勢の前で宙返りをするようなおてんばな女の子だけど
    会えない間は好きな相手を思って、苦手な裁縫・料理も頑張れてしまう。
    この健気さにぐっと来るなぁ。
    もともとおとなしい女の子、ではなく、普段は口も達者で元気な女の子でも・・・・恋をすると変わるのねぇー。
    どうりで、恋という字と変という字は似ているわけだ(笑

    話としては「友情」のほうが面白いけれど。

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

武者小路実篤(むしゃのこうじ さねあつ)
1885年5月12日 - 1976年4月9日
東京府東京市麹町区(現・千代田区)生まれの小説家・詩人・劇作家・画家。ある時から「むしゃこうじ」と当人が自称しているが、一般的に「むしゃのこうじ」読みされている。学習院初等科~高等学科に在学し、東京帝国大学哲学科社会学に入学したが、入学初年で中退。創作活動をはじめ、1910年に志賀直哉、有島武郎、有島生馬らと文学雑誌『白樺』を創刊。これにちなみ、彼らは「白樺派」と呼称される。
1918年宮崎県児湯郡木城村に「新しき村」を建設。その後も多くの創作活動に勤しんだ。1951年、文化勲章を受章。1976年4月9日、尿毒症で逝去。
代表作に、『お目出たき人』『わしも知らない』『幸福者』『友情』『人間万歳』『愛と死』『真理先生』など。

友情・愛と死 (角川文庫)のその他の作品

友情愛と死 (旺文社文庫) 文庫 友情愛と死 (旺文社文庫) 武者小路実篤

武者小路実篤の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島 由紀夫
ヘルマン ヘッセ
三島 由紀夫
島崎 藤村
宮部 みゆき
ヘミングウェイ
梶井 基次郎
谷崎 潤一郎
遠藤 周作
川端 康成
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする