友情・愛と死 (角川文庫)

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本棚登録 : 178
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004043

感想・レビュー・書評

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  • 2009/7/19 チェック済み

  • 文章が美しい。
    友情のほうが個人的には好きだった。
    親友をとるか女をとるかという、今となってはベタになってしまった筋書きだけれども,恋というものを盲目的に客観的に両方の視点から考えられる本だと思った。

  • 幸せを攫もうとする人たちの姿、神を信じて祈り、感謝する瞬間また疑惑、罪を感じるままを鮮やかに表現する作品。 「雁」を読む時のドキドキ、興奮して眠れない共鳴とは違って、一直線の描写、単純な感情、人間関係、書生の誇りなど、あまりも粋ではない主人公からはじまり、その大きくない願いを叶うための執念が貫かれていく。 でもさすがにビックリさせた、その快調、その流暢さ、大水の流れ如し、勢いよく掛かって来て届く前にまたすっかり静まって退く。 追うことじゃない。 誰かの定めと言うもの。 楽しいか悲しいかともかく、運命という渦巻きに廻らせ、遠くから見ればかなり華やかにも見えるが、当人はどうも大変に成らずには済まない。 終わる前逃げるなんかできやしない。 それはどうしょうもない、それが人生、作者からのメッセージである。

  • 友情はよかったなぁ。この人の作品は胸が空く。

  • 友情は奥が深い。だけど愛情だけじゃなく友情だって自然なものだと思う。

  • 葛藤と苦悩の恋物語…
    読みながら何度も「お前はホントにどうしようもないヤツだな!」と突っ込みを入れていました(笑)
    濃密な文書は美しく、悩める主人公の心境を鮮やかに映し出します。

  • かわいい!かわいいかわいいかわいったらありゃしない。
    それなのに、もーーう(号泣)な、お話しです。ためいき出たです。
    実篤の登場人物はピュアでけなげ。かくありたいです。

  •  偉大なる作家を志す青年の、恋と友情の話が「友情」<br>
     この「友情」というのがまた、意味深く恐ろしくも美しい感情なのだ、と思わせる。<br>
     序盤に伏線を張って、最後にそれを解き明かしていく様は、ミステリにも通ずる気持ちよさがある。<br>
     私がどんな人物か、と問われれば、武者小路実篤の書く主人公のような人間だ、と言いたくなるくらい、感情移入が出来て、面白かった。<br>
    <br>
     そして「愛と死」は、タイトルが示すとおり、愛と死をテーマに扱っていて、まさか泣くとは思わなかった。<br>
     友人(この友人と主人公の関係は「友情」に通ずるものがある)の妹に恋をし、相思相愛になった主人公は、友人から進められて巴里へ旅立つ事になった。<br>
     巴里へは半年間滞在する。無事、帰ってきたら結婚しようと友人の妹と約束を交わし旅立った主人公。毎日のように手紙を出し合う二人。<br>
     これで死がテーマと言えばわかってしまうでしょう。<br>
     最後、主人公が彼女の部屋を覗く場面でほろりと来てしまいます。というか、今も思い出して来てます。
    <br>
     もう一つ「愛と死」で興味深かったのは、主人公が巴里から帰ってきて言った言葉。<br>
    「巴里にいったところで、人間が居るだけであった」<br>
     そして巴里で僕は変わらなかった、と彼は言った。芸術はすばらしかったが、日本にも誇る人物は多くいて、という描写があったので、おそらく「人間が居るだけであった」というのは本当なのだと思う。<br>
     けれど、彼は成長したのだ、と言った。旅行中の手紙のやりとりで育まれた「愛」と、帰路の途中で知った「死」によって。<br>
     凄い衝撃を受けた。<br>
     平易なテーマだなあ、と思って読んでいたのに、一つ人間の大事な部分を知った気がした。<br>
     最近、成長という言葉が、どこか「自動詞」のように扱われているのに、憤慨する。<br>
     何もしないで、ただ「何か」を待つ人間を私は好きになれない。<br>
     かならず物事には「過程」があり「結果」がある。わかりきった事なのに、いまさら強く認識できた。<br>
    <br>
     この「強く認識」出来る事が、創作物のすばらしさだと思う。<br>
    <br>
     ああ、面白い。面白い。面白い!

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著者プロフィール

武者小路実篤(むしゃのこうじ さねあつ)
1885年5月12日 - 1976年4月9日
東京府東京市麹町区(現・千代田区)生まれの小説家・詩人・劇作家・画家。ある時から「むしゃこうじ」と当人が自称しているが、一般的に「むしゃのこうじ」読みされている。学習院初等科~高等学科に在学し、東京帝国大学哲学科社会学に入学したが、入学初年で中退。創作活動をはじめ、1910年に志賀直哉、有島武郎、有島生馬らと文学雑誌『白樺』を創刊。これにちなみ、彼らは「白樺派」と呼称される。
1918年宮崎県児湯郡木城村に「新しき村」を建設。その後も多くの創作活動に勤しんだ。1951年、文化勲章を受章。1976年4月9日、尿毒症で逝去。
代表作に、『お目出たき人』『わしも知らない』『幸福者』『友情』『人間万歳』『愛と死』『真理先生』など。

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