魔神館事件 夏と少女とサツリク風景 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (515ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004401

作品紹介・あらすじ

覚えのない女性からの電話により、「魔神館」と呼ばれる洋館の落成パーティに参加することになった高校生・白鷹黒彦。果たしてそこは、12星座に見立てた石像と、妙な配置の部屋がひしめく妖しげな洋館だった。そんな館での夜、不可解な殺人事件が発生。嵐で孤立する中、その後もありえない状況で次々と人が殺されていく…犯人は参加者か、それとも館に佇む魔神像の仕業か!?黒彦と世界最高の知性・犬神清秀の推理が始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 少年と若い天才博士とその妹を主人公に、様々な客が館に招かれ、悪天候で孤立してしまった館で事件が…という王道の設定をあえて押し出してきたストーリー。 帯の「館ミステリーへの挑戦状」の煽りに魅かれて読みましたが… 他の館ミステリーを超える!という挑戦状ではなく、館ミステリーにありがちな設定からこんなオチに持ってくとは思わなかっただろ的なものでした。 この決着をする、と決めた上で
    書かれているせいか動機も展開もトリックも全体的に曖昧で残念でした。主人公達以外の登場人物もいいキャラだっただけにもったいなかったかも
    設定はともかく、少しラノベ的な登場人物達の設定に魅力を感じられる人にはよいかも

  • 「館ミステリへの挑戦状」という帯の文言に惹かれて読んでみましたが、
    館ミステリと言われて連想するような大御所を想像しながら読むと
    大きなギャップを感じます。(当然と言われればそれまでです…)

    個人的には何でもあり感が否めなかったことと
    (そういうミステリ作品も勿論ありますが、
    程度の問題などもあるのではないいでしょうか…)
    どことなくライトノベル調の文章であることが、
    具体的に受け入れがたい点でした。
    突っ込みどころも多いように思います。
    故に読後は不完全燃焼。
    ただし、
    単なるライトノベルと思って読めば不満はないです。
    表紙がライトノベル調である時点で
    気がつくべきでしたか。

    読む前からこれまでの館ミステリをあえて想起させるような
    帯をつけたのはどうだったのかと…。
    それによってミステリとして読まざるを得なくなりました。
    それに「館ミステリへの挑戦状」なんて書いたら、
    今までのものを何らかの形で上回るものか
    まったく新しいものが出てくると想像してしまうものですが、
    「何でもあり感」以外に該当する要素が見当たりません。

  • 覚えのない女性からの電話により、「魔神館」と呼ばれる洋館の落成パーティに参加することになった高校生・白鷹黒彦。果たしてそこは、12星座に見立てた石像と、妙な配置の部屋がひしめく妖しげな洋館だった。そんな館での夜、不可解な殺人事件が発生。嵐で孤立する中、その後もありえない状況で次々と人が殺されていく…犯人は参加者か、それとも館に佇む魔神像の仕業か!?黒彦と世界最高の知性・犬神清秀の推理が始まる。



    うーん。正直、そんなオチあり?ってなった。誰がどんな理由でどうやって事件を起こしているのか。すごく気になった。だけど、結構なボリュームだからかなかなか進まない。ちょっと読むのに苦労したところはある。そして、探偵役だと思っていた人物の失踪。事件も佳境に入って、何度か推理ショーが開かれるが惜しいところで合っていない。


    そして、最後の最後に導かれる推理。え?は?ってなった。それはいいけど、ちゃんとした真犯人はいるんだよね?って思ったけど、結局そういうのはいなくて終わってしまった。なんだったの…一体。


    タイトルの副題になっている少女のハテナちゃん。確かに、可愛い子ではあるけど14歳の割には幼くないか?ってすごいなった。ぶっちゃけ私の中では10歳ぐらいの女の子だと思ってたよ。まぁ、それには理由があったけど、それにしても…ってかんじだった。あと久しぶりに僕っ子だったというどうでもいい感想も。


    なんか評価が低い意味がわかった。これだけ風呂敷広げて、そのしまい方がなんか…ってかんじだし、読むの少し苦労しながら読んだ結果がこれかぁってなった。


    2023.2.21 読了

  • 全てにおいてツッコミどころしか無い。でも、キワキワのところで組み立ててはあるので、独特で楽しかったです。最初100ページくらい減らしてくれてもいいけど。黒彦と果菜の話だけでもいいけど。

  • 異色のミステリーですね
    私は果菜ちゃんがR…だったことは、最初から睨んでいましたけどね(笑)
    犯人が誰か?についてはマンマとやられましたけど

  • 久しぶりの館もの。

    ハテナ、黒彦、犬神博士。その他、蒲生や紅岩など登場人物は誰も好感が持てる人ばかり。
    特にハテナ絡みのシーンのコミカルさは、陰惨な殺人事件をふと忘れてしまう温かみが面白かった。

    それだけにトリックや動機が残念。

  • 犬神清秀・果菜兄弟と白鷹黒彦が出会った最初の事件である。
    正統派のミステリーではないけれど、何しろ主要な登場人物の設定がSF的なので軽いタッチで読みやすく、魅力的ではある。
    もしも椙本さんがもっと多彩な表現力のある作家さんだったら、もう少し違った方向へと行けたのかな・・・とも思ったけれど。
    これは、名探偵でも解明できな事件のような。
    もはや推理の範疇を超えたところに事件の真実があるという、とんでも結末なのだから。
    ミステリーっぽいライトノベルという表現がいちばんしっくりとくる。
    果菜のキャラクターがとにかくいい。
    可愛くて無邪気で純粋無垢で、天真爛漫を絵に描いたようなキャラクターだった。
    黒彦とのやりとり、魔人館に閉じ込められた人たちとのコミュニケーション、兄・犬神へ甘え方。
    どれもが愛らしくて、果菜に会いたいがためにこのシリーズを読んでいるような気もする。
    物語とはまったく関係ないけれど、表紙に描かれている果菜が自分が思っていたイメージと違いすぎてちょっと残念な気が・・・。
    犬神もちょっと違うような・・・。
    黒彦はまあこんなものかなと。
    カバーイラストを描いてくださった人、勝手気ままな感想でごめんなさい。

  • 迷探偵・白鷹黒彦の事件簿第1弾。

    嵐により外界から隔絶された洋館。そこで発生する連続殺人事件。舞台設定としては申し分ない。

    圧倒的な暴力により殺害される被害者たちは悲惨です。とても大掛かりな、そして、極めて凶悪なトリック。想像の上を行く驚愕の犯人像に唖然とする。

    ちょっと頼りない迷探偵・白鷹黒彦の暴走気味の推理。謎の多い博士・犬神清秀と天然キャラのその妹・果菜。彼らが程よいスパイスとなっているバカミス的ストーリーが、読んでいてハラハラさせられ、思いの外楽しかった。

    私にとっては、村崎友著『風の歌、星の口笛』以来の大がかりなトリックに出逢ったという印象です。

  • 設定は好みだったが、オチというか、ミステリーとしては…()しかし犬神とハテナが気になるので続きは気になるかな…

  • 黒彦少年の探偵話か?と思ったけど、なんだろう?
    年下の少女に振り回されつつ、一人ずつ死んでいく館から出られない恐怖に立ち向かい謎を解こうとする話?

  • 山奥の洋館に集まった人たちが次々と殺されていく王道シチュエーションと、個性あるキャラにわくわくしながら読み進める。謎解きと真相面では粗く盛り上がりにもかけましたが、軽快なノリが心地よく楽しめました。

    主人公ががんばる姿に好感をもてるというのは大事ですね。特に女の子のためにがんばるのはいいですね。


    欲を言えば、もう少し設定に見合うおどろおどろしさとか緊迫感とか絶望感がほしかったかなと。盛り上がりにはかけて、途中長くてだれた。

    トリックについては、ああこういうこともあり得るなという妄想がどんぴしゃでしたが、ほんとうにそう来るとは!という意外性はあった。これを突き抜けているととるかどうかですが、作品全体の流れからすると違和感なくよかったと思います。

  • 途中までワクワクしながら読んでいたのに最後で唖然

    けどわたしは思い出した
    お兄さんのあのミステリを皮肉った台詞を

  • クローズドサークルで起こる見立て殺人というミステリの王道だが・・・
    殺人鬼の正体がアレとは。
    決して、犯人とは呼べませんね。

  • シリーズで出てるし、
    著作はほかにもあるみたいだし大丈夫かと思って手に取ったら…これはひどいwです。

    最初の方で、ものに対する表現が追い付いていないなぁと思ったあたりでやめておけばよかった。

  • 作中で推理小説作家をこき下ろし、その読者をも否定しているだけあって、普通の推理小説とは一線を画す内容です。
    タイトルの通り「館」がテーマで、山奥の洋館が舞台でかつ台風で閉ざされる、言ってみれば典型的なクローズドサークル。でも最も探偵向きな人物は事件に興味を示さず、その犯行もかなり特殊です。このオチは賛否両論あると思います。私自身は半ば予想しつつ、少々気が抜けてしまいました。

  • ラストのネタバレ、これはひどい(褒め言葉)

  • ある鬼才建築家の建てた館に集められた面子が,陸の孤島となった館で連続殺人事件に遭遇する。
    清々しいまでのバカミスっぷりだった。
    トリックが○○とか,死ななかったのは○○○○だからとか,無茶っぷりが激しい。
    実はお約束とパロディを楽しむ上級者向け作品なのかも。

  • なぜヒロインが僕っ子なのか?それが最大のミステリー。

  • 読者を楽しませる趣向がこらされた作品で
    ベタといえばベタだけど、読んでいてワクワクしたり
    ニヤニヤしたりすることに事欠かない楽しい作品。

    信州奥地の謎の洋館、麦わら帽子を被った元気な僕っ娘
    メイド服を着たメイドさん、変人の天才、
    雰囲気作りのギミックがてんこ盛り。

    その分どこかで見た感もゼロではないんだけど
    それを差し引いてもキャラがよく動いていて
    出来は悪くないと思っていたが
    最後はさすがに頂けないバカミスになっていて
    マイナス1点。

  • 館の主に呼び集められた人々が、一人づつ死んでゆく‼︎

    という、所謂お約束な舞台ではありましたけれども、主人公が高校生なこともあり、ライトな一人称テイストでとても読みやすかった。

    落ち的に色々あるとは思いますが、もう一味あればよかったと思います。

    探偵役は一人でいいよ。
    空回りぷりが、可哀想すぎる。

    そこが、最後のがっかり感を増やした理由ではなかろうか。

  • 見知らぬ人からの招待で、洋館に行く事になった少年。
    ついてみれば、やたらに個性豊かな職業と人種。
    そしてその次の朝、招待主は物言わぬ死体となって発見された。

    一体誰が犯人なのか。
    どうやって殺害したのか。
    まったく分からないし、誰もが疑わしい状態…でしたが
    最後の落ちに、何だそれ?! と言いたい物が。
    そこに血道を上げた人は素晴らしいものがありますが
    それを小説にしたら、何だかもうばかばかしいというか
    死体となった人達、死に損では? と思ってしまいます。

    文は読めましたが、この落ち…。
    何かもう、こちらも損した気分です。

  • このオチはたぶん誰にもわからないんじゃないかと。
    犯人は誰だろう?と読みながら考えるが、オチを読んで口ポカン…。
    しかし、登場人物は魅力的。
    主人公の、素人が頑張って推理する感じが個人的には好きです。
    普通の人が探偵のマネをしたらこうなるよね、と現実味があります。

  • 「果てしないもどかしさを覚える。皆どこかで、何かを見落としている。いつ?どこで?誰が?何を?どうした?世界はこの五つの問いの上でしか成り立っていない。たった五つ、しかとその内のどれか数個の勘違いで犯人を見失っているはずだった。見つけなければならない。もう、事件を解決しなければならない。誰かではなく、自分が。」

    面白いけど、最後のインパクトが小さいなぁ。

  • 自分で自分の丹精込めて作り上げた城を壊すような展開にげんなりしました。これがミステリであるのなら、世の中のたいていの本がミステリとして通る。そういう話でした。

  • ヒロインが僕っ子、「やっふー」だの「はふー」だの、苦手な人、つまり私には受け付けない口癖を持つので読むのがしんどかった……。ストーリーは面白かったけど、トリックは割と早く解りました。それしかないじゃん!って感じ。僕っ子ヒロインを周囲の人間が無条件に受け入れ、可愛がってるのが不思議。かなり好みが分かれる性格だと思うけど。私だったら「うぜー」としか思わない。小学生ならまだ我慢できるけど、中学生でこのアホっぷり。天真爛漫って評されてたけど、実際に中学生でこんな子がいたら親を疑うよ。面白かったけど、いまいちという微妙な感想でした。でも続編、買っちゃうんだろうな。

  • 確かにオリエント急行ではなかった。
    けど、これってアレですね…^^; てか最初からアレだ。
    はてなが可愛かったので次作に期待!

  • 意味ありげ、思わせぶりな細々した
    会話・事件のなか、一服の清涼剤は
    ハテナ(果菜-14歳)の言動
    事件の真相は・・・

  • 館、クローズドサークル、見立て殺人…オーソドックスな本格のガジェットをこれでもかと盛り込んでいます。ライトノベルのような軽いタッチとノリで読み易いです。
    意外性を狙ったオチは確かに驚きましたが、伏線が少なく、且つ探偵役の推理が穴だらけなので、フェアだと主張するには不十分な気がしました。

  • 登場人物がとても気に入りました!
    内容や裏設定も面白いです。

  • 魔術にとり憑かれた建築家が建築し、その直後館内の一室でその建築家が自殺を遂げた洋館「魔神館」。
    その建築家を崇拝し、自らも建築家である現在の館の主人に呼び寄せられた11人の人々。
    主人を含め、彼らは十二星座それぞれ異なる星座の生まれ。各々の部屋には星座の名が冠され、玄関ホールには巨大な魔神像を崇めるように十二星座を表す像が配置されている。
    折からの台風で陸の孤島と化した館で幕を開ける殺人。
    同時に星座像も一つまた一つと壊されていく…
    もう、こってこての館ミステリ、嵐の山荘で読んでいて嬉しくなりましたよ。
    最後の謎解きの意外さとぶっ飛び感は賛否両論ありそうですが、僕は大好きです。
    その謎解きのあとでは、このタイトルにも違った意味が…
    シリーズも続いてるみたいで、他作も読んでみたいです。

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著者プロフィール

1977年、奈良県生まれ。大阪国際大学経営情報学部卒。2002年「やがて世界は詩に至る」で出版デビュー。「THE CHAT」「THE QUIZ」などで異色ホラーミステリー作家として注目を浴びる。著書は他に「時間島」「タイムカプセル」「庵谷高校の死神 閉ざされた校舎と見知らぬクラスメイト」(ここまですべてアルファポリス)、「天空高事件」「幻双城事件」(角川文庫)、「へたれ探偵 観察日記」シリーズ(幻冬舎文庫)などがある。

「2017年 『君が何度死んでも』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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