悪党 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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レビュー : 71
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004715

感想・レビュー・書評

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  • 犯罪には、加害者と被害者だけでなく、それぞれの家族、友人、恋人、そして弁護士などが関わってきます。当たり前の事ですが、加害者はそこまで考えて罪を犯してはいないでしょう。
    この物語では、それらの人達の心が痛い程に描かれています。正直読んでいて暗い気持ちになったし辛いシーンもありました。しかしそれが現実ですし、とてもリアリティがありました。
    読後、思い出したのは某有名大学生や医大生のレイプ事件です。殺人に至ってはなくとも、被害女性の心は殺されたも同然だと思います。
    息子、そして若い人達に是非読んでほしい1冊です。

  • 元警官の探偵・佐伯は、高校生の頃に姉・ゆかりを殺された犯罪被害者遺族。
    彼が勤める探偵事務所は、ある依頼をきっかけに浮気や素行調査に加えて犯罪加害者の出所後を調査する仕事をすることを決めます。
    持ち込まれる調査を行いながら、姉の事件の犯人達の調査も始める佐伯。

    依頼として持ち込まれる調査と、佐伯の個人的な調査をうまく絡めて話が構成されています。
    読んでいるとどんどん引き込まれ、もしこれが自分だったら・・・と考えてしまいます。
    少年の更生のため、というのはわかるけど、被害者側から見たら未成年だから、と手厚く保護されているのは納得いかないよね。
    裁判の際、弁護士や身元引受人が「加害者の将来を考えて」「必ず更生します」というのをどれだけ責任をもって言っているのか、というのも考えちゃいますね。

  • ココで知った「悪党」。
    小説に対して、正しい表現では無いのですが、「目が離せない」
    そのくらい、面白かった。

    事件の被害者家族である主人公の、完全に一人称の視点で描かれてます。

    被害者と残された家族、そして加害者とその家族。
    「さまよう刃」と「手紙」の両方の要素が入っていますが、東野作品とは全く違う感じです。

    ココのレビューで、なんとなく面白そうと思い、手に取りましたが驚いた。
    薬丸岳さんの著書、初めてでした。
    物語の閉じ方も、色々考えさせられます。

    単純に面白い!とはちょっと違う気がしますが、良い本に出会えました。

  • 図書館で。何度と出てくる【悪党】の2文字。文字だけで見ると、許し難く思う。でも悪党にも悪党として苦しんで大切な何かを(愛する人を)守ろうと生きている人もいるのだろう。坂上も、主人公の佐伯も。姉のゆかりの敵を取ることだけを糧に生きてきたような佐伯にも冬美という女性が現れてくれて良かった。

  • とても面白かった。
    この作品は薬丸作品の中でも特によかったですね。修一の心の葛藤がとても伝わってきました。少し回収しきれていない伏線があるような気もしましたが、それを補う人物描写があったと思います。「悪党」とはこんなもんだ。印象的でした。
    オススメの作品です。

  • 幼き日に姉を陵辱されて殺された主人公は、ある事件を起こし警察官をクビになって探偵になる。犯罪加害者のその後を追う仕事を受ける一方で、姉を殺した犯人たちを追いかける。
    この人の小説は、「自分ならどうするか」を常に考えずにはいられない。贖罪とは、赦しとは何なのか、犯罪に関わった人とその周辺の人物に安息の日々は訪れ得るのか。

  • 自分としてはやや物足りなく感じました。

  • さすが薬丸作品。短編構成だから、どんどん読んでしまった。そしてテーマが重い。

  • 理不尽に人の命を奪った者を、いったいどうしたら赦せるのだろう。
    復讐することで、行き場のない哀しみが癒やされるとも思えない。
    どんなに謝罪してもらっても、犯人が立派に更正したとしても、心から赦せるとも思えない。
    だが、遺族が過去に縛られ、ずっと過去から抜け出せないことこそが一番の悲劇のような気もする。
    遺族が生きていくことは、犯人が刑に服するよりも、もしかしたら辛いことなのかもしれない。
    犯罪がひとつ起きれば、かかわった多くの人が否応なく巻き込まれる。
    犯人自身はもちろん、犯人の家族。
    被害者はもちろん、被害者の家族や友人、親しかった人たち。
    ふと、ある殺人事件の裁判で裁判官が言ったことを思い出した。
    「(犯人に)更正の余地がないとは言えない」
    更正しないかもしれない。けれど、更正するかもしれない。だから、極刑ではなくて、更正の機会を残してあげるべきだ。
    そんなふうに受けとれた。
    被害者遺族や残された人たちは、どうやって心の傷を抱えたまま生きていけばいいのだろう。
    たくさんのことを考えさせられた。

  • 姉を殺された事への復讐の思いを抱き続ける探偵の連作短編集。
    「赦す」
    そのためには向き合わなければいけない
    そのためには知らなければいけない
    憎しみだけでは生きていけない

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著者プロフィール

薬丸 岳(やくまる がく)
1969年生まれ、兵庫県明石市出身。1988年、駒澤大学高等学校を卒業。高野和明の『13階段』の影響で小説家を目指し、2005年『天使のナイフ』が生まれる。同作で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。日本推理作家協会現会員。
2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞、2017年「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)をそれぞれ受賞。その他の代表作として「刑事・夏目信人シリーズ」があり、2018年2月にシリーズ最新作『刑事の怒り』が刊行されている。

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