逸脱 捜査一課・澤村慶司 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004722

作品紹介・あらすじ

10年前の未解決事件を模倣した連続殺人。立て続けに3人の惨殺体が見つかった。県警捜査一課・澤村は、コンビを組む初美とプロファイリング担当の橋詰と犯人を追うが、上司と激しく衝突し孤立を深める。澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。トラウマを払拭すべく澤村が捜査に邁進する中、さらに4人目の犠牲が出てしまう。被害者の共通点を洗うと、浮かび上がってきたのは意外な人物だった-。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの堂場作品。やっぱり面白い。
    脇役の存在感が凄く強くてよいスパイスになってる。
    全体的にモヤモヤが残る結末なんだけどそれも程よく考えさせられる内容で自分で噛み締めてみるのもいいのかも。

  • 天才的感覚派というのか
    作中では人より目がいいと表現されているが、過去にトラウマを持つ主人公の澤村

    ストーリーの起点の事件である連続殺人事件が10年前の事件と繋がっているのではないか、
    10年前の事件の詳細を知っているのは、犯人と警察…
    ここから犯人が絞り込まれ一気に浮上した鬼塚

    澤村と鬼塚
    非常に似た思考を持つ2人だが、自己評価は異なった
    それぞれが一度の失敗をきっかけに
    こんなにも道を違えてしまうのか

    その失敗に対し、彼らを取り巻く環境は大きく異なり
    澤村は自分を責め続け、
    鬼塚は周りを卑下した

    正義から生まれた『悪』だろう

    鬼塚の話を真剣に聞く相手がいたら、
    共に闘ってくれる仲間がいたら、
    正義のまま、悪の根源を断つことが出来ただろう

    登場人物それぞれがすごく人間らしい
    手を差し伸べるか、遠ざけるか
    行動できるか、出来ないか
    人間の強さ・弱さを濃く描かれた作品だった


    作品の構成
    本筋の澤村目線と犯人の心情が書かれており
    犯人が明白となるまでの進度が表現されており
    その臨場感も面白い

    登場人物たちの最後がどうなったのか分からず、少しもやっとした

  • 途中からどんどん面白くなった!
    シリーズ作品を読みたい。

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    10年前の未解決事件を模倣した連続殺人。立て続けに3人の惨殺体が見つかった。県警捜査一課・澤村は、コンビを組む初美とプロファイリング担当の橋詰と犯人を追うが、上司と激しく衝突し孤立を深める。澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。トラウマを払拭すべく澤村が捜査に邁進する中、さらに4人目の犠牲が出てしまう。被害者の共通点を洗うと、浮かび上がってきたのは意外な人物だった―。

  • 実に面白い。
    最初、なんか鳴沢的かと思ったが、そうでもない。ちゃんと独自のキャラクターとして、いい味を出しているように感じた。

  • 2024/01/10 06読了

  • 中々面白い。映画やドラマにしても面白そう。

  • 10年前の未解決事件を模倣した連続殺人。立て続けに3人の惨殺体が見つかった。県警捜査一課・澤村は、コンビを組む初美とプロファイリング担当の橋詰と犯人を追うが、上司と激しく衝突し孤立を深める。澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。トラウマを払拭すべく澤村が捜査に邁進する中、さらに4人目の犠牲が出てしまう。被害者の共通点を洗うと、浮かび上がってきたのは意外な人物だった-。

  • 10年前に目の前で人質の幼女が殺されて最高の刑事になることを誓った主人公澤村、通常捜査を逸脱することもしばしば。連続殺人事件が起こり捜査するも、被害者同士の関連がわからない。上司とも衝突し捜査からはずされてしまうが、ついに自分と同じ一匹オオカミの元刑事の存在にたどり着く。
    ひとつずつ捜査によって犯人に近づいていくリアルさと、主人公の心情がわかりやすくてよい。犯人には中盤過ぎにはたどり着き、そこからの戦いも犯人の思考が書かれているのでワクワク感がある。
    いかにもドラマになりそうと思って調べたら、やっぱりドラマ化していた。

  • 澤村慶司のようにトラウマ抱えてて、一匹狼で、というのは
    堂場作品の中では割と類型的な部類に入るキャラクターかもしれない。
    今までのシリーズの中では真崎薫が近いかな。
    真崎薫をちょっと泥臭くした感じ。

    主役のキャラ造形や、話の骨子に当たる部分は王道なんだけど、
    過去の堂場作品には居ないタイプの橋詰が脇を固めているおかげで
    今までのシリーズとはちょっと違った感じになっている。
    橋詰という男は人の神経を逆撫ですることにかけては天才的。
    彼の行動や口調を見聞きしていると、澤村がイラッとする気持ちがよく判る(笑)。
    クライマックスで澤村が橋詰を殴ったときはスカッとした(爆)。
    傍から見てるとそんな澤村と橋詰の遣り取りは何処かユーモラスなのが不思議だった。
    西浦の存在もムカついたけど、橋詰に対する苛付きとは種類が違う。

    相棒となった永沢初美の登場は今回だけなのだろうか。
    けっこういい雰囲気だった気がするので、次からも出てきてほしいけど
    彼女を所轄から異動させないと無理なんだろうなきっと。

    澤村とは合わせ鏡のような鬼塚の存在も、ちょっと異色だった気がする。
    そしてこの話のタイトルが『逸脱』だという理由もそこにあるんだろう。

    先日放送されたドラマは録画しておいてまだ見てないのだが
    どうしてもこの本の中の澤村が反町隆史と重ならなくてちょっと困った(笑)。
    初美は比嘉愛未にちゃんと変換されてたし、
    橋詰のムロツヨシは、メレブのときの口調を思い出す限りイメージぴったり(笑)。
    体型は大違いだけど。
    どうやら全然違う話になってるみたいだけど、それはそれで見るのが楽しみだ。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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