- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041004869
作品紹介・あらすじ
森島巧は小学校で臨時教師として働き始めた23歳だ。音大を卒業するも、流されるように教員の道に進んでしまう。腰掛け気分で働いていたが、学校で起こる様々な問題に巻き込まれ……傑作青春ミステリ。
感想・レビュー・書評
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ちょっと想定と違ってましたけど、楽しめました。
学校を舞台にしたミステリーということで、どんな事件が起きるのかと思いきや、どちらかというと小学校におけるアルバイト先生の奮闘の物語。
今まで読んできた伊岡作品とはちょっと違います。
主人公森島巧は小学校の音楽のアルバイト教師として赴任。
腰かけ気分で、次の職を見つけるまでのアルバイトとして働きますが、学校内の様々なトラブルに巻き込まれます。
モンスターペアレント、いじめ、無気力教師、学級崩壊。
それらに対して、腰かけながらも真摯に対応していく中で、その真相を明らかにしていきます。
そんな森島の中にも変化が..
ちょっと暴走気味の森島ですが、こんな先生いいなって思います。
しかし、この学校の先生たちってどうなのよ!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ん~バイトとはいえ
この先生 首を突っ込みすぎだろ!
と思いながらも
読み終えました。
自分が学生の時は良くも悪くも
自分の事しか考えてなかったので
色々あっても悩む事が一切なかった…
ハブられても
教師に嫌がらせされても
教師にボコボコにされても
何も考えず
ただ楽しくすごす事だけ考えてた。
結局 先生も生徒も人間
クソばっかです
学生は逃げ場ないんだから
人間の標準装備されてるスキル【忘れる】をフル活用することがオススメ!!
今の教師もガキだけど
昔のはエグかったな…
小学生の時 ヒステリックな女教師に、給食食べるの遅かったらナプキン(今で言うとランチョンマット?)にお椀に入ってる味噌汁を全部出されたりしてた(笑)
宿題もやらないので
授業中は教室の後ろで何時間も立たされ
でも休み時間は、その女教師に話しかける女子と一緒にニコニコで毎日話かけていたので
家庭訪問でその教師が母親に【かなりキツク扱ってるのに平気で話しかけてきて気味が悪い】と言われたことがあります(笑)
※だから結局話が変わるけど 俺が何を言いたいかって言うと…
【この間 道端でお爺さんが猫に話しかけてて…シロ!とずっと呼んでるんだけどその子が黒猫なの気になって しょうがなかったよ!】って事!! -
音楽の臨時講師である主人公が学校で起こる様々な問題に苦難しつつも解決していく物語。
今までの著者の作風にはない設定が新鮮であり、教育現場で起きそうな状況を描き、子供や保護者とのトラブルを解決する展開は面白かった。
しかしながら、先生という職業は本当に大変なお仕事だと思う。
ご尊敬申し上げる。 -
ふ〜ん。伊岡さん、こんなんも書かはるんや。
いつものミステリーとは、一味違う。
小学校の熱血?アルバイト教師の話。
なので、「飛び出せ青春」(古る!)ではなくて、「熱中時代」(これも古い…)って感じの現代版かな?
+ミステリー風味。
上のテレビドラマには、あんまりモンスターペアレントはいなかったような…
最近の小学校は、大変や。知り合いに保健の先生いるけど、めっちゃ忙しいらしい。私の頃は、楽やったと思うけど、今は、満員御礼らしい。
何か、学級崩壊、いじめと色々事件が発生して…させてもあるけど 笑。
アルバイト教師は、終了して、ピアノの生かして、楽団へ!
…でも…やはり…
《好きなら、それでいいじゃないか》
使命感だの公共性だの国家百年の計だの、そんなものは関係ないって! -
いつもの著者の作品をイメージして読み始めたら、なんだか違う雰囲気。
爽やかな感じもするし、ミステリー要素よりヒューマンドラマ的な印象をもった。
森島先生がなんだか飄々としていて、こんな先生がいたらいいなと素直に感じた。 -
感想
巧が教師にこだわりを見せていないことから、比較的重い問題に対しても軽やかに問題を解決していく様が読み心地が良い。
教師という職に対する周囲の扱いの変化などなるほどと思った。
あらすじ
小学校の臨時音楽職員の森島巧が、学校で起こる問題を解決していく。
モンスターペアレンツ対応、校外学習での亀の盗難事件、教師による生徒いじめ、居眠り教師と学級崩壊、自分の転職、卒業生との作曲、いじめ問題。
最後はアルバイト教師を辞めて、音楽教室で働くも、教員試験を受けて音楽教師への道を目指すのだった。
そして、安西先生との関係は不明のまま終わる。 -
結構前に読み終わった作品。
小学校の臨時教師となった音大卒の主人公が様々なトラブルに巻き込まれていくが、それを鮮やかに解決していく短編集。1話完結もののテレビドラマを観ているような感覚。
一つ一つのお話は短いから読みやすいけど、読んだ後の達成感みたいなものはなし。 -
❇︎
腰掛け的な非常勤のアルバイト音楽専任教師
として、生徒との関わりやモンスターペアレント、
教師間の人間関係、教育現場の事なかれ主義、
いじめや学級崩壊を実際に体験する中で、
学校や教師という職業の理想と現実の差に
戸惑いながら、目指す道を見つけてゆく物語。
頭が固く融通がきかないくせに、
ふとした拍子に熱くなって無謀な行動に出る、
主人公の熱さと頑なさに、若々しさと眩しさを
感じました。
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悪意や打算、妥当性より、善良性や純粋さを
感じる心地良い読後感でした。
主人公の森島巧が別の人生を選択した姿も、
見てみたかった気がします。