サイボーグ009 完結編 2012 009 conclusion GOD'S WAR III third (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041005170

作品紹介・あらすじ

ついに神々が人類を殺戮する日が来た。001・イワンの手で新たに生まれ変わった9人のサイボーグ戦士達は、ジャパンブルーのユニホームを身にまとい、死地に赴く。だが圧倒的な神々の力の前に、次々と倒れていく9人。絶望的な闘いの末に9人のサイボーグ戦士達が見たものは何か?そして神々を倒す最後の作戦とは…。天才・石ノ森章太郎が生前に書き遺した原稿とノートをもとに小説化したシリーズ、堂々の完結。

感想・レビュー・書評

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  • 009、これにて完結。
    作者の行き様とあわせて、ここまでの思いを考えると、何とも言えない、しみじみとした気持ちになる。

    長らく未完だったからこそのワクワク、想像が、ここで打ち切られてしまうことに、ファンとして、一抹の寂しさもあります。

  • ひとまず、石ノ森章太郎の構想がどのようなものだったのか分かったのが、長年の天使編に対するもやもやの解消になりました。

    この構想を世に出してくださった小野寺丈氏に感謝します。

  •  成る程、こういうラストなんだなぁ。
     実はラスボス(?)戦はちょっとどうなったのか理解し切れていないのだけど、何かもうそれでもいいかな、と。

     004パートの事があるので、個人的にはどうしてもパラレルワールドだと思いたいし、他にも色々思う部分はあったのだけれど、最後まで読み終わったら、何だかんだ思いつつも一区切り付いた心境にはなってる。
     途中が兎に角過酷だったので、本当にお疲れ様でしたという感じ。サイボーグ戦士たちにも、そして著者にも。

     サイボーグ戦士たちの覚醒した能力描写はとても楽しかった。
     9人の中で一番欲しいのはやっぱり002の能力、次が007と008かな。

  • 哀しいなあ。どうしてサイボーグ戦士が戦うのか、誰のために戦うのか。それすらもわからなくなってしまうラストだった。
    美しさでは、やはりヨミ帝国編のラストが秀逸。

    本編とは関係ないのだけれども石森さんの遺書というか、お手紙がすごくぐっと、ぐっとささってきた。

    どうもありがとうございましたといいたいのはこちらのほうですよ。

    とにもかくにも、20世紀が完結した。

  • それはもう凄惨な戦いが続いてばかりで、読むのに疲れましたよ…。でも最後はめでたしめでたしで良かったのです。彼らは戦いに負けて消えたのではなく、無事に居るべきところへ戻れたのですから。
    神のからくりには「そう来たか」と驚きましたが、基本の構想は石ノ森御大のものだと知り、「さすが……」と唸りましたとも。神と悪魔が存在する理由や、輪廻転生、あの世の存在、人の善悪二面性をなどなどをまとめて説明できる仕組みですもの。
    小説そのものとして見れば、決して完成度の高いものではありません。忌憚なく言えば、「とにかくほころびのないように終わらせた」というレベルでしょう。
    ですが、書きかけの作品を終わらせる(しかもすでに他界している作者の意向をできるだけ尊重しての)作業は、まるで、1楽章しか出来ていなかったマーラーの交響曲第10番の完成版を作るがごとく、大変に難しく神経を使う作業だったはずです。完成させた小野寺氏には本当に「お疲れ様でした。そしてありがとうございました」という気持ちしかありません。

    善悪も欲望も醜さも持ち合わせた人間を、そのまま愛し守るという決意、それが00メンバーズの最終地点でありました。その深い人間愛、私には彼らそのものが神的存在に見えます。そしてこれは神山版サイボーグ009でも同じことが謳われております。彼らの長い戦いの中ですでにこの結論は出ていたのでしょうね。

    最後に……ジョーとフランちゃん、ほんとに良かったねぇ。

  • とりあえず、この本が出てくれたことに満足。

  • ホントにちゃんと終わった。途中のすっ飛ばしぶりとか、伏線が活かしきれなかったところとか、もちろん不満はきりがないけど、もう絶対に復活できないくらいに完結したという点において素晴らしい。

    そして、ジョーの到達した結論は正しく石ノ森先生の結論と言って良いと思う。80年代のサンデーの連載でも「人の生活を愛すところから始めなければ」と言っていたし、もっと言えば、「天使編」「神々との戦い編」を中断してしまったことにも通じる結論だ。

    でも、問題はラスト。これは、最後の特攻に失敗して負けて普通に死んだ、ということですよね・・・。平穏な日々を迎えさせるにはこれしかなかった、ということなのでしょうか?

  • 「サイボーグ009」の完結編の最終巻。

    作品が始まった頃の時代背景は、
    東西冷戦と、先進国と途上国の地域間経済格差の時代…。
    それから、東西冷戦の終結とバブル経済の崩壊を経て、
    新世紀が間近に迫った頃に構想されたお話がベースですが、
    その後の9.11テロや東日本大震災(地元での津波災害)、
    また、作者ご自身の自然の老いによる死生観の変化の中で、
    今、作者がご存命の中で構想されたとしたならば、
    また違った内容(結末)になっていたのでは、と思いますし、
    やはり、この完結編に納得できない方もおられるでしょうが、
    ボクは、及第点があげられる完結編に仕上がったと思います。

    個人的には、第一章の東京編がよかったかな~。
    地球規模、宇宙規模での神々との闘いなので、
    最後の戦いがムー大陸というのはよいのですが、
    その分、ちょっとぼやけた印象になったかも…。
    やっぱり、これだけの作品の完結編となると…、難しぃね~。

  • 人間は、生まれながらにして罪にまみれた存在なのか。大宇宙の途轍もない歴史の中で生み出された、恥ずべき失敗作なのか。善良でありたいと願いつつも欲望には抗えない、ワタシたちはそんな矛盾を抱いて生きている。
    強大な力で人間を蹂躙し屈服させる「神々」。人間によって人間でない体にされながらも、それでも人間性を捨てられない9人のサイボーグたち。世界の縮図とも言える彼らが「神々」の圧倒的な力に叩き潰され、新たな進化を遂げながらもボロボロになっていくのには、読んでいて心が痛かった。ずっと付き合い、愛してきた彼らの行く末を見届けるのには、そこまでの覚悟がなければ読み通せなかった。彼らの戦った「神々」は、形こそ違えど、自分の心の中には必ずいる。それに向かい合うことは生きていれば必ずあることではないか。重苦しい気持ちで読み進め、やがて訪れる戦いの結末…。ああ、そうか、こうだったのか。と、今はこうしか言えないのであった。

  • アニメでしか見たことがなかったため、小説版としては初めてでした。それもこれで完結ということでしたが、あんまり感情移入はしなかった印象でした。もう途中から、わけが分からなくなり、ついていけない感じもありました。
    全3部作の最終章だけ読んだので、なかなかこれまでどんな苦労があったかはわかりませんが、兎にも角にもとりあえずお疲れ様でしたと言いたいです。残酷な運命をたどり、壮大な戦いが繰り広げられますが、なかなか文章にすると、表現しづらい部分はありました。アニメにすると、わかるかもしれません。

    内容としては、サイボーグたちの戦いの記録のような本で、サイボーグ達の心情はあったのですが、表面的でそんなに奥行き感はない印象でした。
    アニメで見る限り、どこかの異世界で戦っているという印象でしたが、日本が舞台で、震災を取り扱っていたこともあり、ちょっと現実的な方向に寄せていました。
    ただ、壮大しすぎでした。
    これで終わりということですが、スッキリ感は否めませんでした。

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著者プロフィール

石ノ森章太郎

一九三八年(昭和一三)、宮城県生まれ。高校在学中に『二級天使』でデビュー後、一貫して日本漫画界の第一人者として活躍。代表作に『サイボーグ009』(講談社児童まんが賞)、『佐武と市捕物控』(小学館漫画賞)、『マンガ日本経済入門』、『マンガ日本の歴史』全五五巻(アジア漫画大会漫画アカデミー賞大賞)、『マンガ日本の古典1 古事記』など多数。一九九八年(平成一○)一月死去。

「2022年 『文庫 新装版 マンガ日本の歴史 全27巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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