サイボーグ009 完結編 2012 009 conclusion GOD'S WAR III third (角川文庫)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041005170
作品紹介・あらすじ
ついに神々が人類を殺戮する日が来た。001・イワンの手で新たに生まれ変わった9人のサイボーグ戦士達は、ジャパンブルーのユニホームを身にまとい、死地に赴く。だが圧倒的な神々の力の前に、次々と倒れていく9人。絶望的な闘いの末に9人のサイボーグ戦士達が見たものは何か?そして神々を倒す最後の作戦とは…。天才・石ノ森章太郎が生前に書き遺した原稿とノートをもとに小説化したシリーズ、堂々の完結。
感想・レビュー・書評
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009、これにて完結。
作者の行き様とあわせて、ここまでの思いを考えると、何とも言えない、しみじみとした気持ちになる。
長らく未完だったからこそのワクワク、想像が、ここで打ち切られてしまうことに、ファンとして、一抹の寂しさもあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひとまず、石ノ森章太郎の構想がどのようなものだったのか分かったのが、長年の天使編に対するもやもやの解消になりました。
この構想を世に出してくださった小野寺丈氏に感謝します。 -
成る程、こういうラストなんだなぁ。
実はラスボス(?)戦はちょっとどうなったのか理解し切れていないのだけど、何かもうそれでもいいかな、と。
004パートの事があるので、個人的にはどうしてもパラレルワールドだと思いたいし、他にも色々思う部分はあったのだけれど、最後まで読み終わったら、何だかんだ思いつつも一区切り付いた心境にはなってる。
途中が兎に角過酷だったので、本当にお疲れ様でしたという感じ。サイボーグ戦士たちにも、そして著者にも。
サイボーグ戦士たちの覚醒した能力描写はとても楽しかった。
9人の中で一番欲しいのはやっぱり002の能力、次が007と008かな。 -
とりあえず、この本が出てくれたことに満足。
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「サイボーグ009」の完結編の最終巻。
作品が始まった頃の時代背景は、
東西冷戦と、先進国と途上国の地域間経済格差の時代…。
それから、東西冷戦の終結とバブル経済の崩壊を経て、
新世紀が間近に迫った頃に構想されたお話がベースですが、
その後の9.11テロや東日本大震災(地元での津波災害)、
また、作者ご自身の自然の老いによる死生観の変化の中で、
今、作者がご存命の中で構想されたとしたならば、
また違った内容(結末)になっていたのでは、と思いますし、
やはり、この完結編に納得できない方もおられるでしょうが、
ボクは、及第点があげられる完結編に仕上がったと思います。
個人的には、第一章の東京編がよかったかな~。
地球規模、宇宙規模での神々との闘いなので、
最後の戦いがムー大陸というのはよいのですが、
その分、ちょっとぼやけた印象になったかも…。
やっぱり、これだけの作品の完結編となると…、難しぃね~。 -
人間は、生まれながらにして罪にまみれた存在なのか。大宇宙の途轍もない歴史の中で生み出された、恥ずべき失敗作なのか。善良でありたいと願いつつも欲望には抗えない、ワタシたちはそんな矛盾を抱いて生きている。
強大な力で人間を蹂躙し屈服させる「神々」。人間によって人間でない体にされながらも、それでも人間性を捨てられない9人のサイボーグたち。世界の縮図とも言える彼らが「神々」の圧倒的な力に叩き潰され、新たな進化を遂げながらもボロボロになっていくのには、読んでいて心が痛かった。ずっと付き合い、愛してきた彼らの行く末を見届けるのには、そこまでの覚悟がなければ読み通せなかった。彼らの戦った「神々」は、形こそ違えど、自分の心の中には必ずいる。それに向かい合うことは生きていれば必ずあることではないか。重苦しい気持ちで読み進め、やがて訪れる戦いの結末…。ああ、そうか、こうだったのか。と、今はこうしか言えないのであった。 -
アニメでしか見たことがなかったため、小説版としては初めてでした。それもこれで完結ということでしたが、あんまり感情移入はしなかった印象でした。もう途中から、わけが分からなくなり、ついていけない感じもありました。
全3部作の最終章だけ読んだので、なかなかこれまでどんな苦労があったかはわかりませんが、兎にも角にもとりあえずお疲れ様でしたと言いたいです。残酷な運命をたどり、壮大な戦いが繰り広げられますが、なかなか文章にすると、表現しづらい部分はありました。アニメにすると、わかるかもしれません。
内容としては、サイボーグたちの戦いの記録のような本で、サイボーグ達の心情はあったのですが、表面的でそんなに奥行き感はない印象でした。
アニメで見る限り、どこかの異世界で戦っているという印象でしたが、日本が舞台で、震災を取り扱っていたこともあり、ちょっと現実的な方向に寄せていました。
ただ、壮大しすぎでした。
これで終わりということですが、スッキリ感は否めませんでした。