ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

著者 :
制作 : くまおり 純 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.91
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本棚登録 : 7938
レビュー : 920
  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041005613

作品紹介・あらすじ

ペンギン・ハイウェイは森見登美彦さんが小学4年生の少年を主人公にした小説です。
この作品は森見さんの記念すべき10作目となります。少年の住む郊外の町にある日突然ペンギンが現れます。この事件に近所のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知り、調べ始めることにします。ペンギン・ハイウェイはSF小説ですが、少年の好奇心がよく描かれていて児童文学としても楽しめます。

感想・レビュー・書評

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  • とにかく探検とか秘密基地とか
    自分でルールを作るストイックな少年像に弱い自分は(笑)
    かなりハマりました♪


    SFの皮を被りながら
    終盤になるに連れて切なさが増す展開に
    久々に読み終わってしまうことの
    寂しさを感じた作品でもあります(>_<)
    (そして最後の二行であえなく涙腺崩壊…)




    主人公は
    研究が趣味な、
    小学4年生の「ぼく」こと
    アオヤマくん。


    スズキ君帝国初代皇帝で(笑)
    イジメっ子の
    スズキ君。


    栗色の髪と
    透けるように白い肌のクラスメートの
    ハマモトさん。


    「ぼく」と秘密地図を作る
    探検隊の相棒で
    ブラックホール好きの
    ウチダ君。


    そしてすべての秘密の鍵を握る、
    不思議な力を持った
    歯科医院のお姉さん。



    物語は郊外の住宅地に突如現れた
    ペンギンたちの謎に迫る
    アオヤマ少年と仲間たちの冒険譚と、

    切な過ぎる初恋の記録です。



    秘密基地や探検ごっこで遊んだ記憶のある人なら
    懐かしさで
    微笑ましくなるだろうし、

    子供たちが死に怯え
    死に捕らわれてしまう場面は
    スゴく共感できました。



    パンが美味しい喫茶店「海辺のカフェ」での
    お姉さんとのチェスシーンが
    どこか詩的でなんとも印象的だし、

    アオヤマ少年とお父さんの
    凛とした信頼関係が
    またカッコいいのです♪
    (行く先を決めないあてのないドライブや子供扱いしない会話など)




    実験が大好きで、
    常におっぱいのことを考えてしまうアオヤマ少年は
    もしかしたら
    森見さんの子供時代そのままなのかも(笑)



    抜けていく乳歯と引き換えに
    少しずつ大人へと成長していく少年。


    どんなに楽しくても
    夏休みは必ず終わりが来るという真理。


    好きな人を守り抜くために
    自分のルールを貫きひた走る
    アオヤマ少年、


    誰がなんと言おうと
    君は断然カッコいい!


    胸を張るのだ、少年!
    (お姉さん風にね笑)




    SFで
    哲学的なメッセージをエッセンスにしながら、
    少年の大人への旅立ちを描いた
    実はハードボイルドな
    切ない傑作です!


    途中で投げ出しちゃった人、
    最後まで読んでみて!(笑)

    • マリモさん
      こんにちは!
      私は2年くらい前に読んで、どういう話だっけな?ともうおぼろげだったのですが、そうそう、研究好きで哲学的なアオヤマ少年がかっこい...
      こんにちは!
      私は2年くらい前に読んで、どういう話だっけな?ともうおぼろげだったのですが、そうそう、研究好きで哲学的なアオヤマ少年がかっこいいお話だ!と思い出しました♪
      まさにもりみー的な小学生なのに、もりみーの書く大学生より知的で(笑)。
      私の中では、ペンギンと夏のイメージと、爽やかな読後感が残っている作品です。切なすぎる初恋、また読んでみたいですね!
      2013/01/29
    • 円軌道の外さん

      紫苑さん、コメントありがとうございます!


      あはは(笑)
      作家でも
      合う合わないってありますもんね(^_^;)

      け...

      紫苑さん、コメントありがとうございます!


      あはは(笑)
      作家でも
      合う合わないってありますもんね(^_^;)

      けど自分もこの作品は
      いつもの森見作品とは違った文体やし、
      主人公は子供やし(笑)
      京都やないしで、
      違和感感じながら読んでたら
      途中中だるみして
      読むの止めそうになったんですよ〜(笑)

      自分の読書友達でも
      挫折した人沢山いたし(笑)
      だから気にすることないですよ(^_^)v


      とりあえず頑張って最後まで読めば
      御褒美があるんで(笑)
      爽やかに泣けると思います♪


      また是非是非
      トライしてみてくださいね(*^o^*)


      2013/02/05
    • 円軌道の外さん

      マリモさん、
      コメントありがとうございます!

      おおーっ
      さっすが読書家
      仕事が早いですね〜(笑)(^O^)


      刊...

      マリモさん、
      コメントありがとうございます!

      おおーっ
      さっすが読書家
      仕事が早いですね〜(笑)(^O^)


      刊行されてすぐに
      読まれたんですね♪


      しかし、アオヤマくんは
      こまっしゃくれた子供で
      子供らしくない
      理屈っぽい子供なんやけど、
      (マリモさん御指摘のように
      過去のモリミー作品の誰よりもホンマ知的な主人公でしたよね笑)


      最後の告白には
      やられましたよ(泣)

      『うんうん、
      そうやってみんな、
      大人になって行くんやで〜』
      って
      頭ヨシヨシしてあげたくなりましたもん(>_<)


      頭は良くても
      心はまだ子供なんやな〜って
      自分の初恋が走馬灯のように
      よぎっては消えていきましたよ(笑)


      2013/02/05
  • 眩しい夏の日をすごした少年が大人になっていく物語のように感じた。
    とてもステキな初恋の物語だった。

    物語は...
    ぼく(アオヤマ君)は小学校4年生で、郊外の住宅地に住んでいる。偉い人になるために努力を欠かさない。そして、歯科医院の「お姉さん」のことがとても気になる。
    ある日、街にアデリー・ペンギンの群れが現れた。
    ペンギンがどこからきたのか、調べ始めたぼくの前で不思議なことが起こった。あのお姉さんがコーラの缶を宙に投げ上げると、それがペンギンに変わったのだ。
    お姉さんはぼくに言った。「この謎を解いてごらん」と...

    前半部分はなんか読みづらかった。
    しかし後半になるにつれ、青春であり、SFであり、ファンタジーであり、ミステリーであり、興味が湧いてきた。
    おもしろくなってきた。

    お姉さんが気づいていくセリフがとても切ない、哀しい。
    「もし私が・・・」
    「そろそろ・・・」
    「私も、私の思い出も、みんな・・・」


    とてもステキなラストでした。

    アオヤマ君は大人の階段を一気に駆け上がっていく。
    お姉さんと約束したから。
    お姉さんが待っているから。
    お姉さんは「大人はひいきしないとだれが決めた?」と笑いながら、ひいきしてるから、君を、ずっと。
    君だけが私を見つけてくれると信じて待っているだろうから、きっと。

    月とともに。

    そんな気がした。


    「・・・。そしたら私を見つけて、会いにおいでよ」
    「ぼくは会いに行きます。」

    ふたたび巡りあう本当のラストを想像した。
    そんな余韻を残して、私は本を綴じた。

  • 主人公の男の子が、何にでも興味を持ち、メモやノートをとりながら、自分なりの研究をする姿がとても印象的で面白かったです(^-^)。

    人は慣れてしまうと色々なことに流され、いつの間にか不思議に感じていたことが当たり前のように思うようになり、「何故だろう?どうしてだろう!」と深く考えることがなくなりがちですが、少年を見習い何事も計画を立て工夫をすれば今までとは違った方向性も考えられるようになるのでは?と思うことができ、わくわくしました( ´ ▽ ` )ノ。

    意地悪ばかり仕掛けてくる男子三人グループ、チェスが得意で少年と同じようにノートにあれこれ記載しているクラスの女子、いじめられっこで少年と一緒に探検をする男子、歯医者さんに勤める謎のお姉さん。
    これらの登場人物が、町にペンギンの姿が現れた事からあらゆる考えを巡らせて日々過ごして行く物語。

    非現実的な出来事が何度も登場しますが、自然に受け入れ、読み終わると心に深くあたたかな感動が広がりました♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪。

    • sorairokujiraさん
      レビューを読んで、思わず笑顔になっていました。私も読んでみたくなりました。
      さっそく予約を入れてきます。
      レビューを読んで、思わず笑顔になっていました。私も読んでみたくなりました。
      さっそく予約を入れてきます。
      2013/01/19
    • kuroayameさん
      まろんさん、いつもコメントをいただきありがとうございます(^з^)-☆。

      確かに、ぶっ飛んでいる内容なんですが、私は主人公のこまめに気にな...
      まろんさん、いつもコメントをいただきありがとうございます(^з^)-☆。

      確かに、ぶっ飛んでいる内容なんですが、私は主人公のこまめに気になったことをメモしたり、調べようとする姿勢にのめり込んでいたので、かわすことができたように思います( ´ ▽ ` )ノ。

      この本は、好き嫌いがはっきりぶっ飛び部分で別れているので、他の方々のレビューも是非読んでいただけたら、より内容を把握しやすいと思います(^_-)。


      2013/01/19
    • kuroayameさん
      sorairokujiraさん、いつもコメントをいただきありがとうございます(^O^)/。

      タイトルから気になっていた本でしたので、図書館...
      sorairokujiraさん、いつもコメントをいただきありがとうございます(^O^)/。

      タイトルから気になっていた本でしたので、図書館で発見はした時には、しばらく借りることができるとわくわくしました(^_-)。

      表紙のイラストをじっとご覧いただき、頭の中で想像していただいてから読んでいただくとわかりやすいと、本を読み終えた時に気付きました(;´Д`A。



      2013/01/19
  • 景色が白く飛んでしまいそうな初夏の「郊外の街」。小学校4年生のアオヤマくんと、歯科医院のお姉さんのお話。
    SFに免疫がないので、想像力を総動員させました。そこは私の努力次第ですが、とても良いお話でした。

    今だって一日一日成長しているはずなのに、小学生の頃のほうが、毎日をもっと精一杯、頭を使って生きていた気がします。アオヤマ君のように。
    切ない経験は、アオヤマ君をとても立派な大人にするのでしょうね。アオヤマ君の願いが叶うよう、私も願うものです。

  • 森見登美彦さんらしさとらしくなさが両方同時に感じられました。スタンドバイミーの冒険感とジブリの爽やかなファンタジー感がいい感じに合わさっているような作品で読んでいてワクワクしました。他の小説の舞台は京都なのですが、今回は地名が出て来なかったような。ファンタジー色が他の作品より強いからかな。
    ですが、独特の文章や主人公の少年(アオヤマ君)の面倒くささで森見さんの小説だ〜と実感。アオヤマ君は頭が良すぎて面倒くさいけれど素直で一生懸命な所が可愛かった♪最後は涙が…

  • 2014.1.8読了

    今まで読んだ森見登美彦の小説の中で、一番好き。

    相変わらず「おっぱい節」炸裂だし、主人公が学者的な言い回しばかりして、こいつはホンマに小学生かいな、というツッコミはあるかもしれないけど、面白かったです。

    最初、物語がファンタジーすぎて、村上春樹みたい⁈と思ったけど、読み進めると、いたく科学的に、そして客観的に研究しようと主人公が最後まで頑張ってるのが素敵でした。

    近くにこんな人がいたら楽しいだろうなと思う。若干、イラっとするかもしれないけど(笑)

    文庫巻末の、萩尾望都の解説も◎です。
    解説の一番最後の一行、
    『アオヤマ君、君はぼくは泣かないのですと言うけど、私は泣きます。』
    に、激しく同意します!

  • 森見作品の新境地。
    お得意の阿呆大学生、京都、というキーワードを封印し、主人公を小学生にしたということで、京都の阿呆大学生ネタが大好きな私は楽しめないかも…と正直敬遠してました。
    が、読んでみるとめちゃくちゃ面白いしほっこりしました。森見作品らしく少年は癖があって、おねえさんは魅力的で、理系の要素が豊富で、パラレルワールド的で…確かに今までにない綺麗なお話だけれども、あくまで森見作品でした。
    こんなお話もかけるのかと森見さんの作家としての才能に改めてびっくりしました。よくこんなに子ども心を描写できるなぁと。この不思議でふわふわした世界観も圧巻。
    懐かしくて暖かくて切ない気持ちになる本当によい作品だと思います。

  • アオヤマくん。小学4年生で頭が良く、いつも研究に励んでいる。小学4年生にしては大人びた口調で難しい事も言うけれど、実はおっぱい好きな可愛い男の子だ。こんな子と小学生の時に出会いたかったな。

    • まろんさん
      taaaさん、こんにちは♪
      アオヤマくん、大人びてるんだけど、空気が読めてないところなんかが
      とてつもなく可愛くて、抱きしめたくなりますね(...
      taaaさん、こんにちは♪
      アオヤマくん、大人びてるんだけど、空気が読めてないところなんかが
      とてつもなく可愛くて、抱きしめたくなりますね(笑)
      可愛くて切ない、大好きな物語です(*'-')フフ♪
      2013/03/19
    • taaaさん
      まろんさん☆

      本当に可愛くて不器用そうな所がツボでした。
      しゃべり方も可愛いですよね~(^-^)
      森見さんの作品は、普段のぶっ飛んだ奇想天...
      まろんさん☆

      本当に可愛くて不器用そうな所がツボでした。
      しゃべり方も可愛いですよね~(^-^)
      森見さんの作品は、普段のぶっ飛んだ奇想天外な物語も好きですが、今回のようなお話も良いな~と思いました。
      2013/03/19
  • 小学四年生のアオヤマ君が頭角を現してきたのは、毎日ノートを書く習慣のおかげである。

    アオヤマ君は、毎日の発見を記録する。
    水路をたどる探検や、いじめっ子のスズキ君帝国のこと。
    街に突然ペンギンたちが出現した事件。
    そして、その事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていること…。

    アオヤマ君は色んなことを研究し、世界の秘密を知ろうとする。
    彼のその研究と周囲の人々との交流を追っていくのがこの物語だが、正直途中から世界の謎とかどうでもよくなってきた。

    「それが君の答えか、少年?」
    「これはまだぼくの仮説です」
    「君が間違っている可能性もあるわけか」
    「おおいにあります」
    お姉さんと少年のこのやり取りがすべてを表している気がする。

    日々考え、昨日の自分よりえらくなってやろうとするアオヤマ君の姿勢が、重要なのは答えではなく自分の内側と向き合い続けることなのだと教えてくれるのだ。

    世界の謎を解き明かすSFとしてこの小説を読むと、少しもやもやが残るかもしれない。
    だから、答えを探し続ける少年の成長物語として。また、私たち読者も彼から得た気づきをノートに記録するような気持ちで、繰り返し繰り返し読みたい本だ。

  • 2018.7.12

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プロフィール

森見登美彦(もりみ・とみひこ)。1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。
2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。
2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位、山本周五郎賞などを受賞し注目を集める。
2010年には『四畳半神話大系』がTVアニメ化された。
『きつねのはなし』『新釈 走れメロス 他四篇』など、京都を舞台にした作品が多い。

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