ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年11月25日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041005613
作品紹介・あらすじ
ペンギン・ハイウェイは森見登美彦さんが小学4年生の少年を主人公にした小説です。
この作品は森見さんの記念すべき10作目となります。少年の住む郊外の町にある日突然ペンギンが現れます。この事件に近所のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知り、調べ始めることにします。ペンギン・ハイウェイはSF小説ですが、少年の好奇心がよく描かれていて児童文学としても楽しめます。
感想・レビュー・書評
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不思議なひと夏の思い出。
町に突然現れたペンギンたちとお姉さんの不思議な力の謎を、小学四年生のぼくが研究していく物語。
ぼくは「おっぱいが好き」と素直に言えちゃうくらい真っ直ぐな男の子。
クラスのガキ大将的な存在の子にも屈せず自分をつき通す強さも持っている。
恋には疎く、好きな子にいじわるしちゃう恋心には気づかない。
そういう真っ直ぐさが、清々しく、懐かしく、キラキラと眩しく、童心を思い出させてくれる。
いいなぁ、子どもって。…なんて、大人だからそう思うけど、子どもからしたらその瞬間を必死に生きてるんだよね。
ペンギンとお姉さんの謎。うん。不思議は不思議のままでいいのかも。いつかまた出会えるかもしれないものね。
とても爽やかな気分になれるSF小説だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小学4年生の主人公の言動とファンタジー性に入り込めず、読み進めるのに苦労し、何度も挫折しかけた。
主人公は色々なものに興味を持ち、それをノートに書いて日々精進し、賢くなっていることを自覚する少年。賢さを維持するため甘いものが好きで、そのため歯医者に通い、そこに勤めるお姉さんと知り合う。お姉さんのおっぱいが好きで、お姉さんにも何度も注意される変な子供。
ペンギンが突然街に溢れてその研究や、友人との川の源流探し、別な友人との森に現れた「海」の研究とか、色々な研究にハマってゆく。街は魔物の出現や海の膨張で大騒動になるが、主人公の研究で救われる。
いじめや初恋のような甘酸っぱい出来事もあったりするのだが、ペンギンが産み出されてゆく謎や宙に浮かぶ海の謎など不思議すぎて、純粋な心を失った小生には楽しみ難い内容でした。 -
とにかく探検とか秘密基地とか
自分でルールを作るストイックな少年像に弱い自分は(笑)
かなりハマりました♪
SFの皮を被りながら
終盤になるに連れて切なさが増す展開に
久々に読み終わってしまうことの
寂しさを感じた作品でもあります(>_<)
(そして最後の二行であえなく涙腺崩壊…)
主人公は
研究が趣味な、
小学4年生の「ぼく」こと
アオヤマくん。
スズキ君帝国初代皇帝で(笑)
イジメっ子の
スズキ君。
栗色の髪と
透けるように白い肌のクラスメートの
ハマモトさん。
「ぼく」と秘密地図を作る
探検隊の相棒で
ブラックホール好きの
ウチダ君。
そしてすべての秘密の鍵を握る、
不思議な力を持った
歯科医院のお姉さん。
物語は郊外の住宅地に突如現れた
ペンギンたちの謎に迫る
アオヤマ少年と仲間たちの冒険譚と、
切な過ぎる初恋の記録です。
秘密基地や探検ごっこで遊んだ記憶のある人なら
懐かしさで
微笑ましくなるだろうし、
子供たちが死に怯え
死に捕らわれてしまう場面は
スゴく共感できました。
パンが美味しい喫茶店「海辺のカフェ」での
お姉さんとのチェスシーンが
どこか詩的でなんとも印象的だし、
アオヤマ少年とお父さんの
凛とした信頼関係が
またカッコいいのです♪
(行く先を決めないあてのないドライブや子供扱いしない会話など)
実験が大好きで、
常におっぱいのことを考えてしまうアオヤマ少年は
もしかしたら
森見さんの子供時代そのままなのかも(笑)
抜けていく乳歯と引き換えに
少しずつ大人へと成長していく少年。
どんなに楽しくても
夏休みは必ず終わりが来るという真理。
好きな人を守り抜くために
自分のルールを貫きひた走る
アオヤマ少年、
誰がなんと言おうと
君は断然カッコいい!
胸を張るのだ、少年!
(お姉さん風にね笑)
SFで
哲学的なメッセージをエッセンスにしながら、
少年の大人への旅立ちを描いた
実はハードボイルドな
切ない傑作です!
途中で投げ出しちゃった人、
最後まで読んでみて!(笑)-
紫苑さん、コメントありがとうございます!
あはは(笑)
作家でも
合う合わないってありますもんね(^_^;)
け...
紫苑さん、コメントありがとうございます!
あはは(笑)
作家でも
合う合わないってありますもんね(^_^;)
けど自分もこの作品は
いつもの森見作品とは違った文体やし、
主人公は子供やし(笑)
京都やないしで、
違和感感じながら読んでたら
途中中だるみして
読むの止めそうになったんですよ〜(笑)
自分の読書友達でも
挫折した人沢山いたし(笑)
だから気にすることないですよ(^_^)v
とりあえず頑張って最後まで読めば
御褒美があるんで(笑)
爽やかに泣けると思います♪
また是非是非
トライしてみてくださいね(*^o^*)
2013/02/05 -
マリモさん、
コメントありがとうございます!
おおーっ
さっすが読書家
仕事が早いですね〜(笑)(^O^)
刊...
マリモさん、
コメントありがとうございます!
おおーっ
さっすが読書家
仕事が早いですね〜(笑)(^O^)
刊行されてすぐに
読まれたんですね♪
しかし、アオヤマくんは
こまっしゃくれた子供で
子供らしくない
理屈っぽい子供なんやけど、
(マリモさん御指摘のように
過去のモリミー作品の誰よりもホンマ知的な主人公でしたよね笑)
最後の告白には
やられましたよ(泣)
『うんうん、
そうやってみんな、
大人になって行くんやで〜』
って
頭ヨシヨシしてあげたくなりましたもん(>_<)
頭は良くても
心はまだ子供なんやな〜って
自分の初恋が走馬灯のように
よぎっては消えていきましたよ(笑)
2013/02/05 -
書かれてあった
“秘密基地”
に反応しました。。。
もともと、ペンギンにもよわいので
氣になってしまい。
どう...書かれてあった
“秘密基地”
に反応しました。。。
もともと、ペンギンにもよわいので
氣になってしまい。
どうしようか・・・と思いつつ登録を。
読みたい本だけぽこぽこ増え、
読むペースはついてゆかず。
まあ、いろんな本との接し方あるかなと
ゆるやかにいきてます。
少年時代に戻ってたいせつなものを
見つめなおす時季なのかもしれません。
素敵なおはなしをありがとうございます。2018/08/19
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お姉さんのような余裕のある人になりたいと子どもの頃に思っていたなあと懐かしく感じた。でもストーリーが進むとお姉さんの存在は予想の斜め上をいく。登場人物すべてが魅力的で、森見登美彦さんは愛されキャラ生み出しマシーンだと思った。
これからもどんどん森見作品を読み進めたい。 -
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レビューを読んで、思わず笑顔になっていました。私も読んでみたくなりました。
さっそく予約を入れてきます。レビューを読んで、思わず笑顔になっていました。私も読んでみたくなりました。
さっそく予約を入れてきます。2013/01/19 -
まろんさん、いつもコメントをいただきありがとうございます(^з^)-☆。
確かに、ぶっ飛んでいる内容なんですが、私は主人公のこまめに気にな...まろんさん、いつもコメントをいただきありがとうございます(^з^)-☆。
確かに、ぶっ飛んでいる内容なんですが、私は主人公のこまめに気になったことをメモしたり、調べようとする姿勢にのめり込んでいたので、かわすことができたように思います( ´ ▽ ` )ノ。
この本は、好き嫌いがはっきりぶっ飛び部分で別れているので、他の方々のレビューも是非読んでいただけたら、より内容を把握しやすいと思います(^_-)。
2013/01/19 -
sorairokujiraさん、いつもコメントをいただきありがとうございます(^O^)/。
タイトルから気になっていた本でしたので、図書館...sorairokujiraさん、いつもコメントをいただきありがとうございます(^O^)/。
タイトルから気になっていた本でしたので、図書館で発見はした時には、しばらく借りることができるとわくわくしました(^_-)。
表紙のイラストをじっとご覧いただき、頭の中で想像していただいてから読んでいただくとわかりやすいと、本を読み終えた時に気付きました(;´Д`A。
2013/01/19
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景色が白く飛んでしまいそうな初夏の「郊外の街」。小学校4年生のアオヤマくんと、歯科医院のお姉さんのお話。
SFに免疫がないので、想像力を総動員させました。そこは私の努力次第ですが、とても良いお話でした。
今だって一日一日成長しているはずなのに、小学生の頃のほうが、毎日をもっと精一杯、頭を使って生きていた気がします。アオヤマ君のように。
切ない経験は、アオヤマ君をとても立派な大人にするのでしょうね。アオヤマ君の願いが叶うよう、私も願うものです。 -
森見さんの本を読んで見たかったに加えペンギンが出てくる?!
ペンギンという生き物にトキメキを感じる私としてはわくわく。
ですが文章になかなか入り込めず、読むのに時間がかかってしまいました。
読みながらアニメっぽいなぁと思っていたらアニメ映画がNetflixにあったのでそちらも視聴。
とにかくペンギンがかわいい。哲学者アオヤマくんもかわいい。不思議で可愛くて切ないお話しでした。
私もペンギンを出したい。 -
2020(R2)3/23-6/14
時間がかかった。年度がかわり、“転職”のような人事異動で本を読む暇がつくれなかったことと、コロナによって図書館が閉鎖され、一旦返したまま、再度借りれなくなってしまっていた。
それでも読み進めたのはなぜだろう?
初めはけっこう惰性で読んでたのに。
「ただのSFか?」
「背伸びした男の子の、若干ナマイキなお話か?」
などと訝しみながら読んでいたら、最後の最後にすごいのが来た!
主人公の「ぼく(アオヤマ君)」があまり感情を表に出さずにいるから、話自体も淡々と進むけど、ちょっと泣きそうになった。逆に、あまり感情を表に出さないアオヤマ君がとってもいじらしかった。(僕の中の「アオヤマ君」は、『崖の上のポニョ』の宗介である。)
この物語は、SFというフィルターを通した、青春物語だった。
どうか、アオヤマ君の願いが叶いますように。
追加
アオヤマ君とお姉さんの関係が、時折『銀河鉄道999』の鉄郎とメーテルと重なったのは、ワタシが40代だからだろうか。
著者プロフィール
森見登美彦の作品





