- 角川書店 (2012年11月22日発売)
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感想 : 376件
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784041005675
作品紹介・あらすじ
私たちは足が炎上している男の噂話ばかりしていた。ある日、銭湯にその男が現れて……動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化。奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
多様な女性の視点から描かれる短編集は、現代の都市生活の中での孤独や自己探求をテーマにしています。特に表題作では、二人の女性が「足が燃えている」男を追い求める姿が印象的で、ユーモアと不穏さが交錯する物語...
感想・レビュー・書評
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8篇からなる短編集。全て主人公は女性。西さんから女性への応援歌?。女性2人が、文字どうりの「足が燃えている」男を探す表題作が印象に残りました。
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西先生の本、二作目読了!
若い女性を題にした短編集。
忙しい都会の中での生活に疲れた人は読むと笑い飛ばせそう。
初っ端から性描写がインパクト強くシーンには笑えた。食堂のおばちゃんの性欲の強さ笑。
どのストーリーも、妄想なのか現実なのか一つ一つ読みながら、ん?と思う場面が多かったが、その謎的要素、かなりはまった。
クセが強い作家さんですが、好き嫌いはかなり分かれるかなぁ。 -
偶然、家の本棚にあり、手に取った小説。もともと西加奈子さんは好きなので、読んでみた。
情景がころころ変わっていく、まるでSFのような短編集。その中でも、タイトル「空を待つ」の「ひとりだと嘆いても、手を伸ばしても、私の体は世界から抜け出すことはない、死ぬまで。私は分かっている。分かっている。」というフレーズが印象的だった。孤独が重なって、自分が何者か分からなくなる、そんな感覚を違和感なく文章に落とし込んでいて、読みながらいつか見た東京の人混みを思い出したりした。切なさが良い。
最終話「ある風船の落下」の「何かを望み、欲し、それが得られなかったり、それに裏切られたりして、傷つくことを避けるために、僕たちは望みを捨てるのですか。そのために、地上を捨てたんでしょうか」という言葉は、ずっと大事にしたいと思う言葉だ。
全体を通して難しい表現もあるけれど、自分に自信を失いかけた時、失敗が怖くなった時、手に取りたい小説です。 -
どの短編も、発想が大胆で視点が斜め上。現代社会の矛盾を軽くひねって見せるような、ちょっと刺さるテーマばかりだった。
なかでも表題作は特別で、2回読み、3回目は10歳の娘に音読した。恋愛ドラマを見れば「オエッ気持ち悪い」と言い、クラスの女子たちの会話にもあまり興味を示さない、まっすぐなタイプの娘。20分以上かかったけれど、「面白い」と笑ってくれて、どこか共感する部分があったようだ。今は同じ空気を持つ友達が身近にいないけれど、いつか自然に分かり合える人に出会えるといいと思う。
短編は、魅力的な世界ほど唐突に終わってしまう。その“あっさり”がさみしくて、もっとこの奇妙で楽しい世界に浸っていたかった。 -
西加奈子ワールド。世界観、発想が好き。こういう本があるから、物語っていいなと思える。斜めからの視点なのに、真っ直ぐ誠実さを感じる。不思議な物語の中に、ハッとさせられる感覚があって、登場人物たちがみんな懸命だから、惹きつけられる。これは何度も読み直していきたい一冊になった。
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『炎上する君』読了。
とても読みやすく不思議な短編集でした。
SF要素もあり、あり得ないことが起こる不思議な世界で生きている傷ついた女の子たちのふと訪れる幸福な時間や瞬間、空間、街の風景、が、いいなぁ〜と思いました。
私、てっきりネットで炎上した人の話かと思っていたらマジで足が燃えていたわ…wあ、そっち??ってなった。
そういうSF短編集みたいな世界観でしたが、人間が本来こうあるべき人間に帰る話でもあるなと思いました。
というか、一度何も身に付けずに手を取り合って空から落ちてみたいな…(変な願望)
2025.4.29(1回目) -
久しぶりの短編集&西加奈子先生の作品を初めて読む。
8つの短編集を読んで、僕には理解が少し難しい作品が
いくつかあって、読解力や想像力が乏しいと思ったのが
読み終えての印象です。
1作品あたり僅か20ページ。
少ないページ数の中、物語と不思議な世界観が出来て
"世にも奇妙な物語"風なテイスト?と思っていた。
しかし、ピースの又吉直樹さんが作品毎に解説で
この作品のテーマ性が見えてきて
その"テーマ"に沿って思い返すと納得が行きます。
改めて又吉直樹さんの読解力に脱帽です(笑)
他、短編も女性の視点からコミカルに書かれており
不思議な西加奈子先生の世界観を味わうでしょう!
個人的に読んで面白いと思った短編は以下2つです。
・私のお尻
相当な魅力あるお尻。触ってみたいと思った(笑)
最後に"部屋に預ける"という斬新さに喝。
・ある風船の落下
こちらは読んでいくと理解できました。
ストーリーも面白いので、現代の問題にも関わる話。
絶望するのは、まだ早いかもね(笑) -
好きな作家、西加奈子という事が今更ながら誇らしくなる。
そして巻末又吉さんのコメント。
『絶望するな。僕達には西加奈子がいる。』
今まで読んできた作品とはまた種類が違い、
あ、これはファンタジー系なんだ〜と呑気に読んでいたが、一気に西加奈子が描く世界と、いつもの心強さで埋め尽くされていく。
ぶっ飛んだ設定もまるで映像を見るように、リアルに感じることができるのはなぜか。
感情移入してしまうのはなぜか、そして最後はエネルギーをもらって、気がついたら読了。
またいつか読みたいと思う。
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この作風の西さんもっと読みたい!!
表題作の「炎上する君」女たちのエネルギー、すり減り方がよかった!!「ある風船の落下」憂鬱さとユーモアのバランスが好き。
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感情移入する前に物語が終わってしまう(気がする)のと、頭の切り替えに苦労するのとで「短編集」にニガテ意識がある。
西加奈子の今作も8遍から成る短編集ということで読むかどうか迷ったが、ストレスなく一気に読了できた。 -
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短編8話。
不思議なのに、リアルで、ちょっと
切なくて。
太宰治がでてきてにやけた。
又吉の解説の最後の、
絶望するな。僕達には西加奈子がいる。
で泣きそうになった
ほんとそうだと思った。
どうです?
エクレアでもすごく見つめませんか? -
めちゃくちゃだけど優しくて面白かった
特に最後の「ある風船の落下」
ストレスが溜まると風船になって空を飛ぶ
他人と関わると風船が落下する
炎上する君
オタク根暗女子二人が足を炎上する男に恋をする -
「炎上する君」「ある風船の落下」が好き。
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又吉直樹さんの「第2図書係補佐」での紹介のお陰でこういう作品に出会えた事を感謝する。
自分だけでは絶対に手を出さない作品だ。
だって、わからない、何が言いたいのか!
いや、言いたい事がハッキリ分からないのだが、作品を読んでいると自分の内面を探り始め、同期していくような思いがしてくる。
そして全作を通じて感じることは「自己の存在意義」に関する不安と探求なのだろうかと思った。
「舟の町」では現実生活に打たれすぎて苦しんだ末にその苦悩から救い出してくれる町にたどり着く。
これなどは疲れた人間が欲して止まない「許し」の溢れる自分のための社会なのではないだろうか?
巻末の解説で又吉さんが
「尊敬する作家の素晴らしい作品」
と絶賛し「気がつくと自分が芸人であることさえ忘れ笑っている」などとも記している。
どうもそこまで辿り着けない私はとても不安なのだ。
いったい自分の読書理解力というのはどんなものなのだ。
このままの状態でほんを読み続けて意味があるのだろうか。
とはいえ、自分の好みの作品ばかり追いかけていては読書の幅も人間も広がらないだろうから、わたしには意味のわからないそんな作品に首を突っ込む機会を得てありがたい。 -
夏休み、さて何を読もうかと各社の夏のキャンペーンの小冊子を貰って帰って考える。
今年は角川のフェアに惹かれるものが多く3冊注文、その内の1冊目。腰痛安静の中で読了。
今週月曜の「あさイチ」で昔のインタビューの総集編をやっていて、丁度、西加奈子とピース又吉の回がダイジェストされていたけれど、ご両人ともそれぞれ個性が出ている受け答えでなかなか興味深く見た。
今更ながら、実はこの作者は初読みで、前半、奇天烈な設定のお話をきっちりした文章で語るなぁという印象ながら少々付いて行けなくて、その都度後ろにある又吉大先生(相方曰く)の解説を読み、成る程このお話はこう読むのかという感じで受け取りつつも、何だか国語の授業みたいだけどなと思いながら読み進む。
後半戦、己の存在意義に苦悩する登場人物というテーマが私の中でも少しずつこなれてきて、「私のお尻」における自らのお尻に愛憎半ばする心境や「舟の街」における、長身で、猫背ぎみの、下唇の薄い、すらりと切れ長の目の、まっすぐで太い黒髪を持った、少しの勇気と正義感と、多目の卑怯と嘘を持った、誰でもない“自分”になることが、スーッと入り込んでくるようになった。
最後の「ある風船の落下」における、それでも生きることを選んで落下していく様はとても切ない。 -
西加奈子さんの短編集。どれも非現実的なのに実際にありそうでおもしろかった。
空を待つの章のあっちゃんや炎上する君の章の足が炎上する男など登場人物が個性的で、でももしかしたらいるのかもと思わせてくれるのがよかった。 -
インターネットの炎上かと思ったらマジの炎上だった。笑
全部不思議な世界観のおはなしでとっても面白かったけど、特に「ある風船の落下」が好きだったなー。 -
西加奈子の短編は、さくらももこの「神のちから」みたいな風情がありました。もちろん、褒めてます。
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収録されてる短編に通ずるのは、人は簡単に孤独になる(特に都市においては)し、何の為に生きているのか?みたいな自問自答状態に陥りがちで、人と繋がりたい繋がっていたいと願ってる生き物だということ。
「空を待つ」や「舟の街」は都会で1人何か頑張ってるけど、うまくいかなくて、先が見えなかったり、孤独を感じてるような時に読むとグサグサーッと心に刺さってきそうな内容だった。しかもクスクス笑ける。
昔、長らく暮らしてた街や通りの名前が作中にちょいちょい出てきてとても懐かしい気持ちになって、自分があの通りを歩いてた時の情景が目の前に浮かんだりもした。
表題作の「炎上する君」も良かった。不器用すぎて意固地を通り越したおひとり様女子が2名。結局、恋に落ちて女性になった。
「ある風船の落下」や「トロフィーワイフ」なんてどう思いついてどう書き始めたらこんなお話が生み出せるのやら。引き出しの広さ?がすごい。面白いなぁ。 -
生きることは人と関わり合うこと。
人と関わり合うことは傷つくこと。
それでも誰か一人でも理解者がいれば強くなれるということ。
そんなメッセージを受け取った気がする。
読むと元気が出る物語。
著者プロフィール
西加奈子の作品
