人間の運命 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 50
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041006108

作品紹介・あらすじ

「人間は状況次第でどんなことでもする」と、親鸞はいう。逃れることのできない業、「宿業」によって、人は、神にもなれば、獣にもなる。状況と行動のはざまで、人間は常に不安定な存在なのだ-。運命の手は、残酷である。個人の夢や努力、めざす生き方も、大きな運命の前にはまったく無力なのだ。しかし現在の行為と選択は、未来を変える可能性がある。人間の運命を考え抜いた著者による、金言エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 人はみんな悪を抱えているのだといわれて、生きる空虚さがいくらか埋まるように思えた。

  • 冒頭の話があまりにも重すぎて、読むのを一度止めてしまいました。しかし、最近、本棚を見た時に、何故か目に止まり、読み出したら、時間を忘れ、いつの間にか読み終えていました。

    【宿業】に対する考え方。
    変えられないものは沢山あるが、その中でどう生きるか?
    私は、「運命は変えられるものではなく、現実をしっかり受け入れる覚悟をもつことで、寄り添えるもの」との認識を得ました。

    以前、啓発本が好きで、読めば人生を変えていけると思っていましたが、その認識の甘さを実感しました。
    どんな啓発本より役に立つ本だと思います。

    最後に、本文より、
    【光がさしたからといって、せおっている荷物が軽くなるわけではない。目的地までの距離がちぢまるわけでもない。
    しかし、人は闇を照らす光によってたちあがり、長い道筋を重い荷物をせおって歩く力がわいてくる。】

  • 諦めろ

  • 五木寛之さんの人生。 #五木寛之 #人生

  • 五木さんの雑記のような、頭の中を覗いてしまったような、仏教のあれこれやら、戦後のあれこれやら。

    五木さんの生きてきた道を一緒に歩いてるようで、引き込まれました。
    贅沢な一本な気がした。
    いままでもやもやしてたものが、少し軽くなった。ありがとう。

  • 人間の本質や真理について書かれてなんども読み返したくなる本。

  • 人間の運命は変えられるのか?「宿業」についての考えが書かれた本。五木さんの終戦時の強烈な体験から考察されている。

    確かに変えられない運命を背負って人は生きていると思う。でもその中で少しでも良く生きたいと思ってもがいているのではないだろうか?だから本も読む。

    ただ誰かが「よく生きる」影にほかの誰かの犠牲があるというのは、これまで考えたこともなかった。確かにそうかもしれない。

    社会のある一定割合が落ちこぼれたり、イジメがなくならないことの根源はそういうことなのかもしれない。

    何を書いても軽い気がする…。頭の良い人って、みんなこんなこと考えているのかな?凡人で幸せなのかもしれない。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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