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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041006610
作品紹介・あらすじ
ハワイ、パリ、江ノ島……6つの旅で傷つきながら輝いていくマユ。凝縮された時と場所ゆえに浮かび上がる興奮と焦燥。終わりがあるゆえに迫って来る喜びと寂しさ。鋭利な筆致が女性の成長と旅立ちを描く。
感想・レビュー・書評
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『TRIP TRAP トリップトラップ』
第27回 織田作之助賞
この作品 とても好き♡
六編からなる連作短編
最初の「女の過程」以外は旅にまつわるお話
タイトルからしても「旅」を表していたり、「罠」という意味も含んでいたりして…
「女の過程」「沼津」「憂鬱のパリ」
「Hawaii de A loha」
「フリウリ」「夏旅」 となるのだけれど
主人公のマユがこれらのお話の中で
時間とともに成長していく姿が
少女が大人の女になっていく過程が
「旅」を通じて描かれていく
「女の過程」
マユは十五歳の中学生…学校は退学同然
母親との折り合いが悪くて家出をしている
パチンコ店に勤める恋人と同棲していて
同棲相手には監禁同然で囲われている彼女
買い物にも気を使わなければならなくて…
不自由さに辟易しつつも、とても自由。
アパートの隣りに住む男と浮気したりと…
冒頭から『金原ひとみWORLD』全開なの。
「ポジティブな言葉に隠されたネガティブな感情に、冷たい手で心臓を鷲づかみにされたようにぎょっとした」
…とか
「女は人生の中で何度も、完全な別物に生まれ変わる。それは青虫が蝶になったり、蛆が蠅になったり、猿が人間になったりするのと同じだ。女は何度も生まれ変わって、美しくなったり、醜くなったりする」
って、唸っちゃうなぁ♪
「沼津」
冒頭の作品から二年経っていて…
マユは十七歳になっている。
ユウコという女友達と
夏の海辺で過ごす四日間が描かれている。
「憂鬱のパリ」
この作品はすごく好き♡
マユは人妻になっているの。。。しかも、
彼女は作家になっていて、編集者の夫がいる。
夫と一緒にパリに仕事にきていて
仕事関係者たちとのお食事会の場面
ファビオという男性の隣に座ったマユは…
ファビオが話の途中に携帯をポケットから出し、光った液晶が目に入った私は酔っているせいもあって無理矢理に覗き込んだ。
「ガールフレンド?」そう聞くと、彼は笑って僕の一番大切な女性だ、可愛いだろう、と誇らしげに答えた。私は何故かその瞬間泣きそうになった。弾けんばかりの笑顔で映っている、三歳くらいの女の子が、私は羨ましくて仕方なかった。誰が私を一番大切な女性だと思ってくれるだろう…
…という文章を読んだ時
なんか泣きそうになってしまった
わかる気がしたの
マユとマユの夫は次からの
「Hawaii de Aloha」「フリウリ」「夏旅」
でも、距離感が絶妙!
「フリウリ」
マユの赤ちゃんが出てきます。
まだ四ヶ月の赤ちゃん…旅行なんて大変!
マユは旦那さんにイライラしたり…
他所のお母さんと赤ちゃんが完璧に見えたり
自分と赤ちゃんのそれと比べてしまう
焦っちゃうのよね
…わかるなぁの連続でした
「世界一愛おしく、世界一鬱陶しい赤ん坊」
という 言葉選び が正直すぎて好き♡
金原ひとみさんの小説は
「綺麗事」があまり描かれてなくて
嫌な部分や狡さが多い感じがします。
ある意味、すごく正直で。
だからかなぁ すごく惹かれてしまう。
どの作品も魅力的で引き込まれました
ぜひ 読んでみてね ( ◠‿◠ )
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圧倒されました。
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大好きなひとみ姉さんの作品。なかなか読むに至ってなかった。妻が絶賛していたので、楽しみにしていたが、読む前にポツリと、これ読んで過去を反省して下さい!と。…なんか非常に読むのが怖くなった。そして、この主人公の考え方、めちゃくちゃわかるわ〜とも。読んでる過程で??? こんな考え方してんの?と、色々物語以外で考えさせて頂きました。ありがとうございます!
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めんどくさい。そして、それにもかかわらず、心を動かされる小説です。
特に前半の主人公はめんどくさい。一部は読み手である私にも通ずるような気もしながら、主人公のほうがずっと面倒で、ただそこに、人に対しても物に対しても事に対しても私よりよっぽど自由で、いつも自分の斜め上あたりに冷静でやる気のない(つまり何にも縛られていない)自分をもつ主人公を見出して、私はこんな生活も心の乱高下も嫌だけどどこか羨ましくもなる。
そして何度も生まれ変わりながら、何かを捨てて捨てて捨てて、たぶん同時に何かも得ているんだけど、どっちかというと得るより捨てていく主人公の姿のほうに、羨ましさとともに妙な安らぎみたいな感情で胸がうずめられるような気分になりました。私も女である以上、人生に苦しい段階があろうと甘い段階があろうと、捨て去り脱皮し生きていくのかもしれない、と。 -
”多分彼らは、幼稚で愚かな者に対する哀れみに近い愛情によって、そういう目でわたしを見ているのだろう。でも、あと三年で有無を言わさず自分が消滅すると知っている私の気持ちが、いくつ歳を重ねても今の自分の延長線上を辿って成長していくだけの男に分かってたまるかと思った。女は人生の中で何度も、完全な別物に生まれ変わる。”
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2025.7.18 読了
15歳のマユが25歳になり母親になるまでのお話し。
私小説ぽい?同じ金原さんの「オートフィクション」に読み心地が似ていた。金原さんの描く危うい女性が大好きだ。そんなマユが少女から母になるまでの成長の過程は非常に読み応えがあった。「沼津」「夏旅」が特に好きだった。
稲葉真弓さんの解説も良かったなぁ。「マザーズ」も読みたいと思った。 -
とっても読みやすかった!
女なら身に覚えがある、
何も怖くなかった15歳から
20代にかけ雁字搦めになっていく様に
共感と羨望と
読む歳によって感想が全然違うはず。
もっと早く出会いたかった本。 -
女女していますね。
払ってもいい金額:500円 -
金原ひとみの書く「わたし」に圧倒される。もうわたしわたしわたしわたしでこの人の世界にはわたししかない。わたしとわたしのことを好きといってくれる男。たまにわたしの子供。それも結局わたし。なんかもうほんとうに凄い。ここまで清々しくわたしなら、もうわたしだけでいいじゃん、なんにも迷うことも心配することもないよ、って感じだけれども、わたしがわたしだからこそ、イライラしまくってるわけで。なんだか「わたし」がゲシュタルト崩壊しそうだけれども、そのくらい「わたし」が全開だったし全面に出ていた。ちょっとアンバランスさも感じて(ただの自分大好き女の小説ではない)、この人もなにかと色々いきるの大変そうだな、と思った。
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普通に真面目に学生時代を過ごし、
普通に結婚し、子を育ててる自分からみると、
なんだコイツは…
が感想。
子供の頃に変に大人びていて、大人になったら変に子供じみていて。
フワフワ、地に足がついてなくてイライラ。
そんな気持ちにさせる、文章力は流石。 -
めちゃめちゃよかった。共感
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夏の青春を描かせたら、けどお腹いっぱい感
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・金原ひとみさん、今更、恥ずかしながら、という感じですが、初めて作品を読みました。
・最高。
・特に短編の「沼津」はヤバいと思った。
・他のも何か読もう。
著者プロフィール
金原ひとみの作品
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感想 :

コメントありがとうございます
金原ひとみさん…
ちょっと直接的な表現も多くって
薦めたいのだけど
苦...
コメントありがとうございます
金原ひとみさん…
ちょっと直接的な表現も多くって
薦めたいのだけど
苦手 (O_O) って思う人も多いかもです
でも とっても素敵なんです!!
『TRIP TRAP』は比較的 読みやすいです
ぜひぜひ 読んでみてくださーい♪
私も早く読みたくなります
感受性が豊かよねー
私も早く読みたくなります
感受性が豊かよねー
コメントありがとうございます
金原ひとみ いいですよ♡
次の作品 読むのが楽しみ ( ◠‿◠ )
コメントありがとうございます
金原ひとみ いいですよ♡
次の作品 読むのが楽しみ ( ◠‿◠ )