かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 457
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041006870

作品紹介・あらすじ

第143回直木賞候補作品
かのこちゃんは小学1年生の女の子。玄三郎はかのこちゃんの家の年老いた柴犬。マドレーヌ夫人は外国語を話せるアカトラの猫。ゲリラ豪雨が襲ったある日、玄三郎の犬小屋にマドレーヌ夫人が逃げこんできて…。

元気なかのこちゃんの活躍、気高いマドレーヌ夫人の冒険、この世の不思議、うれしい出会い、いつか訪れる別れ。誰もが通り過ぎた日々が、キラキラした輝きとともに蘇り、やがて静かな余韻が心の奥底に染みわたる。

感想・レビュー・書評

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  • 休日になれば
    肉屋のコロッケを頬張りながら
    猫ストーカーしてる自分には
    まさにツボな小説だったし、

    純粋無垢で
    あったまるこな世界観に
    いやぁ〜
    まんまと泣かされましたよ(>_<)



    小学校1年生の女の子
    かのこちゃん。

    アカトラの淡い茶味がかった猫の
    マドレーヌ夫人。

    かのこちゃんの家の年老いた柴犬の
    玄三郎。


    この物語は
    種の境界を超えた愛と冒険と
    一人の女の子の成長を描いています。


    指しゃぶりを止めた途端、
    内なる好奇心が
    一気に外の世界へと噴き出していく
    かのこちゃん。


    野点、やおら、いかんせんなど
    難しい言葉への
    飽くなき興味と情熱。

    特にトイレの茶柱や
    子供だけの粋なお茶会のくだりには
    笑わせてもらったなぁ(笑)


    縁側でのスイカ、
    夏休みの自由研究、
    プールにこだまする「大きな古時計」、
    神社の夏祭り、
    夜の公園での線香花火。


    そして、やがて来る別れの時…。



    物知りで、鹿と話すことができる
    お父さんのキャラが
    またいいのですよ。


    やがてかのこちゃんは
    鼻に親指を突っ込み、残りの指をひらひらさせている(笑)
    ただ者ではない女の子のすずちゃんと
    刎頸の友(ふんけいのとも)となるべく
    奮闘することになります(笑)


    平行して描かれる
    猫のマドレーヌ夫人と
    犬の玄三郎との固い絆。

    厳然たる種の境界を飛び越え
    果敢に肉屋を目指す
    マドレーヌ夫人の
    玄三郎への愛には
    胸がきゅい〜んと鳴りまくったし(T_T)、

    キジトラの和三盆、ぶちのキャンディー、三毛のミケランジェロ、シャムの茶子など
    個性豊かな野良にゃんこ軍団の井戸端会議にも
    頬は緩みっぱなしでした♪



    別れは必然。

    川の流れと同じく
    ずっと同じままで
    同じ場所にとどまることはできない。

    どんなに楽しいことも
    必ず過ぎ去っていくし、
    どんなに悲しいことも
    時が経てば忘れていく…。

    変わってゆくことを
    何度も何度も繰り返しながら
    人は前へ前へと進んでいく。

    だからこそ
    人にはとどめたい思いがあって、

    人は忘れていく
    生き物やからこそ
    忘れたくない思いがあるんですよね(^_^)


    かのこちゃんとマドレーヌ夫人の
    輝ける明日に祝福を!

    • まろんさん
      大大大好きな本です!

      鼻てふてふしたり、むずかしい言葉バトルしたり、
      トイレで茶柱(?)をこしらえたり、すずちゃんとお茶会で上品ぶったり
      ...
      大大大好きな本です!

      鼻てふてふしたり、むずかしい言葉バトルしたり、
      トイレで茶柱(?)をこしらえたり、すずちゃんとお茶会で上品ぶったり
      かのこちゃんのキラキラした毎日を追っているだけで、なんだか幸せな涙がこぼれちゃって。
      ふだんはすまし顔なのに、いざとなると猫又になって
      玄三郎やかのこちゃんのために必死で走り回るマドレーヌ夫人も、とてつもなく素敵。
      たからものにしたい本です♪
      2013/04/16
    • 円軌道の外さん

      まろんさん、
      連チャンコメントありがとうございます!

      万城目さんの小説は
      奇想天外で毎回話題性もあるんやけど
      どこかモリミー...

      まろんさん、
      連チャンコメントありがとうございます!

      万城目さんの小説は
      奇想天外で毎回話題性もあるんやけど
      どこかモリミーの小説世界と
      カブる印象を勝手に持ってたので(笑)、
      まさかこれほどまでに純粋で
      ほのぼのした作品を書けるのかと
      正直ビックリやったんスよね(笑)(^_^;)


      自分にとっては
      少年や少女の成長もので
      猫が出てくるってことだけで
      胸キュンの要素を満たしていたし、
      物語の締め方がまた
      切なくも希望が香る終わり方で
      心憎かったですよね(泣)(T_T)


      子供を作るなら
      絶対男がいいってずっと思ってたけど、
      かのこちゃんみたいな
      粋で和の心が解る子なら
      女の子でもいいかぁ〜って
      この本を読んで
      考え改めましたよ(笑)

      2013/04/22
  • もう冒頭から、心奪われました。
    かのこちゃんのゲリラ豪雨の言い方ったら!
    表現・言葉・ストーリーが、
    あれよあれよという間に
    私のツボに見事に嵌っていきました。

    小1の女の子の日常と、
    ある日女の子の家に居ついた猫の冒険の物語。

    かのこちゃん、最高です。
    かのこちゃんの「どこか変で、でも好きな響きの言葉」
    は、チョイスがかなりイケてます。

    そしてふんけーの友、すずちゃん。
    すずちゃんとのやりとりも、最高。
    ござる会話をしている二人を見たら、
    絶対に近寄って会話に入れてもらってる!!

    そんなこの作品。笑いで包まれた本の中に、
    ホロリが待っていると思ってなく…。

    辛い別れで目の周りが赤く腫れ上がっても、
    ポカッと暗い空洞に、時間がたてば
    次の何かがニョキニョキ芽生え始める。
    抜けた乳歯の後に、もっと力強い歯が生えてくるように。

    悲しすぎるからって別れを怖がってばかりいたら
    リニューアルしてバージョンが変化した
    その先にいる自分にも出会えないんだなぁって。

    かのこちゃん、確かに知恵が啓かれましたね。
    私なんかより、余程わかってます。
    マドレーヌ夫人だってそう。
    自由な猫は元々リニューアルの天才ですものね。

    前回読んだ本が大号泣だったので笑いたかったのに
    またまたウルウルきてしまいましたが…
    終わり方が大好きです。

    万城目学さん、初めて読みました。
    第一印象がこの作品で大当たりです。
    ヤバい…ツボすぎる作家さんかも知れません。

    • 和さん
      はじめてまして。
      温かくてほっこりの作品ですね。
      涙する場面もありました。
      万城目さんの、偉大なるしゅららぼんを先日読んで、またまたフ...
      はじめてまして。
      温かくてほっこりの作品ですね。
      涙する場面もありました。
      万城目さんの、偉大なるしゅららぼんを先日読んで、またまたファンタジーでした。
      こちらは映画も気になっています。
      2015/01/12
    • なにぬねのんさん
      かずさん、はじめまして。
      コメントありがとうございます。
      万城目さんは読んでみたい作家さんだったのですが、ずっと縁がなくて…。
      思い切...
      かずさん、はじめまして。
      コメントありがとうございます。
      万城目さんは読んでみたい作家さんだったのですが、ずっと縁がなくて…。
      思い切って気になっていたこの作品を読んで、大当たりでした。
      私も「偉大なるしゅららぼん」読んでみたいです。
      さっそく忘れないよう、本棚にポチっ!

      情報有難うございます~。
      2015/01/12
  • お気に入り作家マキメ氏のなかでも大好きなこの作品、文庫を手に入れてようやく再読しました。
    表紙がさー、アカトラのマドレーヌ夫人でかわいいし。

    他の作品ほど奇想天外な登場人物や荒唐無稽な展開はなくとも、小1の女の子と猫と犬とでこんなにも可笑しくおもしろい。
    きらきらでわくわくでふわふわで物悲しいでござるよ。
    夫婦の別れ、泣ける。
    いとあはれなり。

    娘がかのこちゃんの歳に近づいてきたので、よりいっそうリアルにかわいくて、今から歯が抜ける日が楽しみです。
    知恵が啓かれる日もくるかなぁ。

    そして、マドレーヌ食べながらお茶会したいでござる。

  • H29.7.31 読了。

    すごく優しくてどこにでもありそうな日常を取り入れたハートフルな作品でした。もう少し万城目さんの世界に浸っていたかった。

  • ゲリラ豪雨が襲ったある日、ふらりと家にやってきたアカトラの猫に
    "マドレーヌ"という名前をつけた小学一年生になったばかりのかのこちゃん。
    元気がはちきれんばかりのかのこちゃんの知恵はある日ポコンと啓かれる。

    やおらふんけー、いかんせん!ござる...(笑)

    かのこちゃんが暮らす界隈は好奇心で満ち溢れ、笑ったり泣いたり怒ったり
    まいにちが賑やかで、キラキラしたその輝きはなんともいえず柔らかい。

    そのすぐ側らでは
    人間たちに寄り添うように猫たちの世界が繰り広げられている。
    なぜか外国語(犬語)が理解できるマドレーヌは
    かのこちゃんちの柴犬・玄三郎と夫婦になって....

    なんの偶然なのか我が家の17歳の老犬との別れがこの時と重なってしまって
    心がより痛んでしょうがなかった...

    猫と犬と人と。言葉では分かり合えぬとも
    心では分かり合えているよね。
    そう信じていたいです。
    マドレーヌと玄三郎のように。
    マドレーヌとかのこちゃんのように...

  • 小学一年生のかのこちゃんと、ある日ふと現れ家に居着いた猫のマドレーヌ夫人。上品なマドレーヌ夫人は犬の玄三郎の言葉が分かったり、不思議な体験をしたりする。
    かのこちゃんの小学一年生らしい無邪気さと、小学一年生らしからぬ渋い所が本当に可愛かった。面白いだけじゃなく、少し泣けた素敵なお話だった。
    近所で猫が集まっているのを見かけたら、猫の集会かな?とマドレーヌ夫人や和三盆やミケランジェロの話している様子を思い出して笑ってしまいそうだ。

  • 読み返したいと思っていても、実際に読み返すまでに至る本は僅か。
    でも本当は大好きな、大切な本だからこそ、何度でも読みたいときに読むべきだと、この本を読んで思い直しました。

    何度読んでも、かのこちゃんの知恵が啓かれた瞬間は痛快だし、
    ふんけーの友である、すずちゃんとの友情は美しすぎるし、
    マドレーヌ夫人の律義さには胸が熱くなるし、
    鹿男おとうさんはやっぱりちょっと変なのであります。

    そして、なんと言っても、この涙と笑いの力加減の絶妙すぎること。
    改めて万城目氏を尊敬せざるを得ません。だいすき。

  • もうこの本大好き!大好きすぎて何回でも読める!
    感想とか言えない(笑)全部が大好き!

    かのこちゃんもすずちゃんも夫人も玄三郎も♥
    和三盆もミケランジェロも、出てくる人(猫もw)
    ぜーんぶ好き!

  • タイトルで読まず嫌いしていたのはとてももったいなかった。
    マドレーヌ夫人が猫だったとは。
    猫たちの様子が大変素晴らしく、大島弓子さんの「サバ」や「グーグー」のシリーズを思い出す。猫たちは常に気品高く生きているのだ。
    そしてさすらいのマドレーヌ夫人がかのこちゃんの元にとどまったのが、玄三郎との夫婦愛であった、というのもまた素晴らしい。なんでも、本当に一緒に暮らしている犬と猫がいたらしい。たぶんその猫も「外国語」(犬の言葉)がわかるのだろう。
    猫にとって犬の言葉は理解できない外国語である、という発想が新鮮だった。マドレーヌ夫人と玄三郎の関係は自立していて、お互いを尊重しあっている。その姿が美しい。
    そして、かのこちゃんとすずちゃんが友達になっていく過程が、遠く過ぎ去った子ども時代を懐かしく思い出させてくれる。
    「難しい言葉」対決が愉快で、このあたりのチョイスが万城目学さんらしい。
    仲良くなった友達が離れていくこと、歯が抜けること。まだ人生の年数が浅いかのこちゃんたちにとっては非常に重大な事件なのである。その重要性がとてもよく伝わってきて、すずちゃんとの別れの場面ではもらい泣きしてしまった。
    玄三郎の死の場面では、「死んでいくこと」とはどういうことか、それを看取るとはどういうことかをマドレーヌ夫人がきちんと教えてくれる。
    猫股による冒険譚に胸が踊った。
    とてもこじんまりした作品ながら、精巧に作られていて、大切にしたい宝物のような世界だった。

  • ちょびっとだけ泣けて、ほっこりするお話。やっぱり読後感の良いこういうの好きだなあ。
    この程度の不思議な出来事は万城目ワールドからしたら序の口だけれど、これはこれでいいと思う。
    鹿男を先に読んでいて良かったと思う嬉しい箇所あり。

    かのこちゃんとすずちゃんがとっても可愛い。お父さんもお母さんも先生も優しくて素敵。

    かのこちゃんは、難しい言葉でかつ変な響きを持つものが好きで、嫌いな言葉との違いがお父さんにはわからない。
    …というところが私には個人的にあるある感で懐かしい。

    うちの娘も(難しい言葉ではないけれど)小さい頃妙に気に入っていた言葉がある。
    《あまみおおしま》《お◯ぶ◯》《おったんとっと》

    《あまみおおしま》…行ったことはないけれど、ことばの響きが綺麗で好きなんだと言っていた。
    《お◯ぶ◯》…私達夫婦の友人のあだな。
    《おったんとっと》…イタリア語で88のことだったはず。私がイタリア語を独学でかじっていた時に、傍らで聞いていてすっかり気に入ってしまった様子。以来私の頭にもイタリア語で残っているのはこの88(おったんとっと)のみである。

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著者プロフィール

1976年大阪府生まれ。京都大卒。2006年ボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー。『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』『とっぴんぱらりの風太郎』『悟浄出立』が直木賞候補になる。他の著書に『ホルモー六景』『偉大なる、しゅららぼん』など。

「2016年 『バベル九朔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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