- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041006887
感想・レビュー・書評
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「つばさものがたり」・・・勝手に、一代記だと思っていたら、そうじゃなかった。(もしくは新幹線の「つばさ」を思い浮かべてしまった)タイトルもっと考えた方がいいんじゃないかな?なんか、すごく設定が細かいファンタジーなので(天使のテストの設定が細かすぎる!)、こういうの、子どもは好きだけど、大人にはちょっと・・・ついていけなーい!(笑)主人公の小麦ちゃん、病気のことを誰にも言わないのは、なんだかなあ。親にくらいちゃんと言った方がいい気がするけど・・・
でもこれを読んで、ケーキってすごく繊細に繊細に作られているんだ、ということが分かって、おいしいケーキ、こだわったケーキを食べたくなった!単純!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
順調だった仕事も、大好きだった人も諦めて小麦は故郷へと戻った。
すべては身体に巣食う癌のために。
完治したと思っている周囲に再発・転移した事実を打ち明けることができずに、逃げるように何も知らされていない家族が住む故郷へと帰ってきたのだ。
夢だった母とのケーキ屋。だが、「天使の通り道」ではない店は開店早々に閉店に追い込まれる。
兄の息子・吐夢にもある問題があった。
天使が見えるという吐夢を父である小麦の兄・代二郎は心配するが、母親の道恵は楽観的だ。
天使・レイことを嬉しそうに話す吐夢を優しく見守っている。
どんなにがんばって手に入れた未来も、突然の病がすべて壊していく。
辛くても必死にそれを隠してがんばろうとする小麦が愛おしい。
病気のことを知る前も、知った後も、代二郎をはじめ小麦を支えようとする周囲の人たちがあたたかい。
自分の努力や熱意ではどうにもならない病との闘い。
死は容赦なく刻々と近づいてくる。
それでも悩み、苦しみ、ときに泣きながらも前を向き続けようとする小麦の姿は強く、そして輝いている。
小麦は病に立ち向かうために。
吐夢は自転車に乗れるように。
レイは天使の試験に合格するために。
そして道恵はケーキ屋をしっかりと守っていけるように。
何かを手に入れるために頑張る姿は美しい。
約束通りに迎えにきたレイ。
「ちゃんと生きて、ちゃんと死ぬ」。最近見たドラマでのセリフだ。
私はちゃんと生きているだろうか?
死ぬことはけっして終わりではない…と信じたくなる物語だった。 -
この作家さんはこんな話も書くんだなと発見した。
夢に向かってひたむきな主人公を素直に応援したくなるし、この作品のファンタジックな要素も引っかかる事なく馴染めたので途中何度か目が潤んだ。落ち着くところに落ち着く、正統派な感動ストーリーだと思う。 -
なぜ上司に病気のことを相談しないんだ?なぜ同僚に言えない?なぜ家族に甘えない?スーシェフもできないぐらい調子悪いのにお店をオープンしようなんて思う?勝手に自分の思いを義姉にたくす?ふ~。美しい物語でした。
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井戸の茶碗のように善人しか出てこない物語。それでも、嫌味が無く、レイの存在もすんなり入ってきました。代二郎さんが一番魅力的だったかも…
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なかなか泣けました。
伊豆はいいなあ。