青に捧げる悪夢 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007006

作品紹介・あらすじ

その物語はせつなく、時に可笑いくて、またある時はおぞましい-。閉ざされた全寮制の学園で起きた悪意のゲームに、美しい双子姉妹の哀しい秘密。崖の上で出逢った青年と少女が解き明かす化け物屋敷の切ない過去や、大きな古いお城に一人で住む不思議な少女の正体。妹が家の階段を怖がる理由とは…。背筋がぞくりとするようなホラー・ミステリ作品の饗宴。気鋭の作家による傑作短編が一堂に会した贅沢なアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 短編ミステリのアンソロジー。
    タイトルの「青に捧げる悪夢」というのがいまいちピンとこない。所謂、イヤミスばかりではないからだ。

    多くのアンソロジーが出版されているが、これだけ多いと既読の作品がちらほら出てくる。
    しかし、知らない作家と出会えるのはやはりうれしい。

    若竹七海の「みたびのサマータイム」はなかなか楽しかった。ラノベ風で軽く読めて、胸キュン & 切なさが味わえる青春恋愛ミステリだ。
    この作家のほかの作品も読んでみたい。

    ボリュームがあり、未知の作家の作品がたくさん味わえる点ではやはりコストパフォーマンスはよい。

  • 乙一目当てで購入♪久しぶりにこんなにおもしろい短編集を読みました。初めて、全部それなりに楽しめて、とんでもないハズレはないかなっておもえる短編集に出会った気分♪やっぱり乙一は安定して好きでした、とびぬけてます。それは私が乙一作品好きだからっていうのもありますけれど。ラベンダー・サマーは私的に好みでした、なんだか切ないような、それでいてゾッとするような。同時に、登場人物のキャラクターがいい味を出しているし、場面場面の心の動きも読み取れて夢中になって読みました。
    どきどきしちゃいました。

  • 水晶の夜、翡翠の朝(★★☆☆☆)
    みたびのサマータイム(★☆☆☆☆)
    水仙の季節(★★★☆☆)
    攫われて(★★☆☆☆)
    階段(★★★★★)…他の作品と一緒に並べることが申し訳なくなるほど出色の出来
    ふたり遊び(★★☆☆☆)
    還ってきた少女(★★☆☆☆)
    闇の羽音(★☆☆☆☆)…これまでの読書人生で最低の作品
    ラベンダー・サマー(★★★☆☆)…これは結構面白かった
    天狗と宿題、幼なじみ(★☆☆☆☆)

  • 小林泰三さんの粘りつく感じ、乙一の頭が締め付けられる感じ。
    らしくて、久しぶりだけど、健在だなぁ。

  • 硬軟いろいろ取り揃えられたバラエティ豊かなアンソロジー。収録数も多いので初見の作家の試し読みにはいいかも。

  • グロくない?? 怖かった

  • 10人の作家による短編集。
    お気に入りの作家が見つかるかも!? 個人的にオススメは乙一です(笑)

  • 「水晶の夜、~」:長編でも見たい一作。サスペンス系のノベルゲームとかでも見たい。
    「水仙の季節」:庇護欲そそられる魔性の少女に人生狂わされる系。
    「階段」:家庭内暴力と、父親という絶対的な存在の恐ろしさが丁寧に描かれた一作。家という狭い空間だと父親っていうのはなんであんなにも王みたいに見えてしまうんだろう。
    「ふたり遊び」:谷山浩子の「王国」って感じ。歪んだ閉鎖空間は実に魅力的である。
    「闇の羽音」:寄生と虫と女王様に人生捧げたくなる系。生理的に気味悪いのに背筋のぞわぞわが妙に気持ち良い。

  • 恩田陸 水晶の夜、翡翠の朝
     独特の世界の中で起こった一つの事件を切り取って収録されたよう。三月は深き紅の淵を、の4章に出てきた世界と同じだろうか?これだけ読んでも、まぁ確かにこの世界ならこんな事件も起こりかねないな、と思っていいのか分からないし、ちょっと微妙だった。この世界を舞台とした作品を読んでみようかな、とは思う。入り込めば、興味深くて深みのある世界のような気がする、期待を持って。

    若竹七海 みたびのサマータイム
     ライトノベルのような読みやすい文体と、舞台となっている海辺の町葉崎の爽やかさ、主人公の飾り気のない若さとサバサバ具合、廃墟然とした建物の近くで出会った決して爽やかでない強面な異性との軽快なやりとり、さらりと経つ1年とさらりと果たす再会。ホラーテイストの物語が多い中で、好感度高く読むことができた。この登場人物たちの出てくる作品を読もう、と思った。

    水仙の季節 近藤史恵
     なんだか表現が洗練されている印象を受ける。諄くなく、不足なく、どこか淡々としていて、さらさらりと読み進んだ。モデルになったばかりの清楚な美人の双子、若くて常識的なカメラマン、それだけでもうなんだか少し色褪せたポートレイトを見ているような、世界観。
     まぁ、優男カメラマンが双子の殺人を見逃してしまうという結末は、結局美人は得だな、と斜に構えて見てしまうが。

    攫われて 小林泰三
     もうこれは、読まなきゃよかった。ぐろい、表現に躊躇がないというか、オブラートに包む気なんてさらさらなさすぎて、途中でやめてやりたかったけれど、怖い真っ最中で止めるなんて、余計怖くてできなかった。こういう怖さは、だめだ。そしてこれを読んで平然としている人たちのレビューを見て、人間どうなってるんだ、と思った。普通こういうのって、目をつぶりたくなったり、猟奇的だと批判したりするもんなんじゃないの? これをさらっと面白い読み物として読んじゃうのって、それはそれで怖いんじゃないの? 怪談的な怖さとか、現実にはまぁないだろう設定下で起こる殺人事件とかなら、まだ分かるんだけど、この現実にも起こりそうな設定は、いただけない。足の筋を切るシーンなんて酷い。怖い。

    階段 乙一
     この分量で、よくこんな登場人物の心情を深く描き、タイトルがしっかりと据え置かれ、暴力をふるう父と父に従うしかない母と家に聳える階段の恐ろしさを描き出したものだと思う。妹にとって怖くてたまらない急で暗くて細い階段でありながら、恐ろしい父との距離を保つための重要な役割を果たす階段。非常に読み応えのある作品だった。

    ふたり遊び 篠田真由美
     最初、設定が分かりづらくて、何度か少し戻って読んでもやっぱりよく分からなくて、読み進めてああそういうことか、と思った。でも、そうなってしまうほどに、やっぱり主人公の妄想はちょっと度を越していたかな。まぁ、だからこそあんな結末になったのだけれど。変なのは弟だけじゃなく、姉もだったのだ。父母の亡霊を見ても何とも思わず、古い家を城だと思い自分を城の女主である女王だと思い込み振る舞う。そして、最後は弟の亡霊と暮らすのだ。
     悪くはないけど、あまり、好きでは類の作品かなぁ。

    還って来た少女 新津きよみ
     読みやすく、普通にミステリとして楽しめる作品だった。表現や文体がさらりとして好きだったので、他の本も読んでみたい。手始めに、映画化された作品から読んでみようかな。
     主人公は、霊感のある友達から自分とそっくりな人を見たと言われ、その場所に行ってみる。
    「――誰かいる? わたしは、おそるおそる振り返った……。」
     そこで、一旦場面が変わる。主人公が通い始めた塾、そこの塾講師のモノローグで進んでいく。その塾講師は、主人公を見て、去年死んだはずの生徒に瓜二つであることに驚く。
     物語を読み進めて初めて、この場面転換のうちに相当の時間が経過していたことを、知った。それがまた面白い。自分とそっくりな人、主人公が気配を感じ振り返った先にいるのは幽霊だと思い込んでしまっているからだ。主人公が会いに行った時点では、瓜二つの人物はまだ生きていて、次の塾のシーンでは、主人公とその瓜二つの人物は出会った後、そして瓜二つの彼女が死んだ、さらに後の時間軸まで飛んでいるのだ。
     これに気付かず読み進めていると、なるほど!と唸らせられる。これほど場面転換が効果的に使われているのは楽しい。

    闇の羽音 岡本賢一
     怖い。HUNTER×HUNTERのキメラアントを思い出す。女王蜂というのは、グロテスクでやや奇怪な印象のある多くを従え人間をも喰らうようなイメージが沸き起こりやすいのだろうか。廃墟となった工場とマンションに友人が攫われているはずだと乗り込んでいく中学生の男女。絶対怖い大人に危害加えられるパターンやん、と思って読んでいたのに、現れたのはひたすら人間かのように「彼女」と表現される女王蜂。非常に悍ましく気味の悪い物語だった。気味は悪いが、先が気になってどんどん読み進めていった作品でもあった。

    ラベンダー・サマー 瀬川ことび
     よくありそうな、避暑地の美しい花畑に白いワンピースと日傘でたたずむ美少女が、実は亡霊だった、という物語。しかし彼女は、彼らを呪い殺すでもなく、彼女を使ってホラーを撮ろうと目論む彼らに、最後は、素敵な夏の思い出をありがとう、と去っていくのだ。彼女が亡霊になった理由も、そのフィルムをその後どうしたのかも、描かれてはいない。まあ、さらりと楽しめたかな、という印象。

    天狗と宿題、幼なじみ はやみねかおる
     ちょっと毛色の違う作品。近所のおじいさんから聞いた昔話の謎を解くべく、小学生が奮闘する物語。まぁ面白かった。ストーリー性がどうこうというよりは、主人公の真面目な男子小学生が可愛らしかったな。

  • 乙一の話が読みたくて買ったアンソロジー。
    乙一以外は初めて読む作家さんが殆どで、他の作品を読んでみたいと思った作家さんもちらほら。

    恩田陸の話は、短篇集で読んだことあったので、2回目。ヨハンより、憂理や聖のキャラが好き。

    若竹七海のは、まぁまぁ。言い回しが面白い。

    近藤史恵の水仙の季節と、瀬川ことびのラベンダーサマーは話自体が面白かった。他の作品も読んでみたい。

    乙一の階段は、出来が良すぎなホラー。情景がまじまじと浮かんだ。
    はやみねかおるの話は、快人と春奈のやりとりが面白かった。

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